日本の官職で、律令制度においては行政を司る太政官の最高職。
飛鳥時代から明治時代の内閣制度成立まで存在した。
平安時代中期からは主に藤原摂関家の当主あるいは有力者が摂政・関白と兼任する形で就任した。院政期に入ると村上源氏の久我家や武家(平清盛)が任ぜられる事例も現れる。
明治維新後の太政官制下では天皇を補佐する行政の最高機関である正院の長がこの職名を名乗った。
明治18年(1885年)に内閣制度が発足したのに伴い太政官及び太政大臣職も消滅する。
なお、明治政府における太政大臣は終始三条実美が務めた。
ちなみに実美は維新までの公家家格で「太政大臣まで昇進できる」とされた清華家たる三条家の出身である。