概要
2014年2月、V36からフルモデルチェンジ。
当初はY51シーマ・フーガ同様の3500ccハイブリッド仕様しかラインナップかなく、非ハイブリッド仕様はV36を値下げの上で継続販売していたが、4月にR32以来となる2000cc直4ターボが登場し、V36を完全に置き換えた。この2000ccターボは2019年の大規模マイナーチェンジで3000ccツインターボに置き換えられている。
先代にもましてインフィニティ色が強まっており、「日産」や「スカイライン」のイメージはほとんど残されておらず、エンブレムはインフィニティのものになっている。デザインもインフィニティの統一テーマに沿ったもの。
宣伝においても日産のCIは出されず、もはやインフィニティQ50そのものになっている(それでも、あくまでも「スカイライン」を名乗っている)。この方針は日産ブランドからの離脱と世界に通用するものだと宣伝するためと説明されているのだが…実際はルノーの意向が強く出たもので、スカイラインの名前を廃止してQ50に統一したがっていたルノー側の送り込んだ外国人経営陣と日本市場軽視と取られかねないと強く反発した日本の経営陣が対立。カルロス・ゴーンが大岡裁き的に両者折衷の販売方針を決めた(見た目はQ50、車名は日本市場のみスカイラインとする)ことが理由。
なお、トミカからV37が登場した際も商品名は「スカイライン」だけという異例の扱いになっていた。
2019年の大規模マイナーチェンジでこの路線は取り下げられることになり、日産のデザインアイコンであるVモーションを導入。エンブレムも日産に変わり、テールランプの丸型二連デザインも復活している。この際、あらたにハイブリッド仕様にプロパイロット2.0を導入したが、騒音規制に対応できないと2022年にY51シーマ・フーガと共にハイブリッドが生産終了となり、早くもカタログ落ちしている。
クーペモデルはCV37の型番となるが、日本市場には導入されなかった。
近年の日産車の例に漏れずモデルチェンジが停滞しており、テコ入れこそ入っているが10年近いモデルライフになっている。
メカニズム
パワートレーンは複数あり、Y51と同一の3500ccハイブリッドとダイムラー製274A2000cc直4ターボ、2019年のマイナーチェンジからは日産製の3000ccV6ツインターボが用意される。これはQ50に搭載されたものと同一である。
ハイブリッドシステムはY51と同じものだが応答速度を高めた専用の仕様になっている。
トランスミッションはいずれもジヤトコ製の7AT。マイナーチェンジ後の3000ccツインターボでは出力の違いでグレードが分けられているものの、パワートレーンそのものは同じである。
2023年に1000台限定で登場したスポーツチューニングモデル「スカイラインNISMO/NISMO Limited」も基本的にパワートレーンは変わりなく、GTが304馬力、400Rが405馬力なのに対し、NISMOは420馬力にまで出力が高められている(ダイムラー製2000ccターボは211馬力)。ドライブモードセレクターもベース車とは特性が変えてあり、トランスミッションの変速タイミングも専用チューニング。メーカーオプションでレカロシート、カーボンフィニッシャーを装備できる。
プラットフォームは先代と同じFR-L。サスペンションはフロントがV36、リアはY51と同等。