七尾線
ななおせん
概要
IRいしかわ鉄道(旧北陸本線)津幡駅から能登半島中心部に位置する穴水駅までの87.5kmを結ぶ路線。かつては輪島駅が終着駅(穴水駅起点20.4km)であったが、のと鉄道移管後の2001年4月1日に穴水駅〜輪島駅間が廃止された。
線路・信号・駅設備については全線JR西日本が保有している(キロポストや踏切のキロ表示はのと鉄道運行区間も含めすべて津幡起点のものが記されている)が、途中の七尾駅以北を運行する普通列車および観光列車「のと里山里海号」の運行および田鶴浜駅以北の駅運営は第三セクターのと鉄道が受け持つ上下分離形態となっている。
一方JR西日本も前述の通り普通列車こそ七尾駅以南のみの運行となっているが特急列車に関しては七尾駅より1駅先に位置する和倉温泉駅まで運行を行っている。
そのため、旅客営業上の所属会社は以下のように若干複雑なものとなっている。
- 津幡駅~七尾駅間:JR西日本所属
- 七尾駅~和倉温泉駅間:JR西日本・のと鉄道共用区間
- 和倉温泉駅~穴水駅間:のと鉄道所属
以下、本記事ではJR西日本所属の区間である津幡駅~和倉温泉駅間について記述する。のと鉄道所属の七尾駅~穴水駅間の詳細については当該記事を参照されたい。
JR西日本の路線としての七尾線
津幡駅から能登半島の玄関口和倉温泉駅までの59.5㎞を結ぶ路線。JR西日本が運行する路線は和倉温泉までだが、上述の通りこのうち七尾~和倉温泉の1駅間だけは、JR西日本が線路・信号・駅設備のみ保有し、特急列車以外の列車運行はのと鉄道が受け持つ上下分離の形態となっている。列車は津幡駅からIRいしかわ鉄道線に乗り入れて金沢まで運転される。
JR西日本の電化路線としては比較的新しい路線であり、1991年までは非電化だった。また、路線も国鉄民営化時点では全線JR西日本による運営かつ穴水から更に輪島まで伸びていたが、電化と同時に和倉温泉以北はのと鉄道に委託という形で経営分離された。2015年3月14日の北陸新幹線開業により接続していた北陸本線がIRいしかわ鉄道へ分離されて以降もJR西日本が運営する事になったため、他のJR路線に接続しない完全な飛び地路線となった。
線内のトンネル高さの関係で電化方式は直流となっており、津幡のすぐ先で電化方式が切り替わる。津幡から先の北陸本線は交流のため、交直流両用の車両しか乗り入れることができず、普通列車は専用の521系100番台が使用されている。
2020年秋より、415系800番台・413系の置き換え用として521系が運行開始、2021年3月13日のダイヤ改正で全車両を置き換えた。同時に車載型IC改札機方式によるICOCAを始めとした交通系ICカードが利用出来るようになった。
但し、七尾-和倉温泉は普通列車でICOCAを使う事が出来ない。理由は同区間がのと鉄道との二重戸籍区間で、普通列車は全てのと鉄道の運行(特急はJRの運行なので使用可能)だからである。こんな摩訶不思議な状態は七尾駅や和倉温泉駅の駅員ですら理由を把握出来ていない為、あくまで推測ではあるが、ICOCAの運賃処理上の都合(ICOCAは問答無用でJR利用として処理され、のと鉄道利用をノーカウント)と思われる。
また、特急『サンダーバード』が大阪から、特急『能登かがり火』が金沢から、和倉温泉まで直通運転している。なお、七尾線内の有効長の関係で『能登かがり火』は通常3両編成、多客期に6両編成で運転され、9両編成の『サンダーバード』については金沢で3両増解結を行い、七尾線は6両編成で運転している。自由席あり。
2015年秋からは2両編成の観光特急『花嫁のれん』が運行開始。キハ48形気動車による2両編成での運行となっており、全席指定。
駅一覧
※IRいしかわ鉄道線への乗り入れ区間も掲載。
※普通列車は全ての駅に停車。
※◎:停車、△:一部停車、レ:通過