概要
ボルネオ島やスマトラ島に分布する世界最大のフタマタクワガタ>フタマタクワガタ属。オオフタマタクワガタとも。80年代の昆虫図鑑ではオオツノクワガタという和名で呼ばれていた。
最大で体長119.5mmの個体が記録されており、ギラファノコギリクワガタの次に大きいクワガタとして有名である。
学名は「Hexarthrius mandibularis」。
種小名はmandibuが「大顎」、larisが「水牛」を意味し、本種の持つ巨大な大顎が水牛の角を想起させるところから由来しており、現地でもカラバオ(水牛)と呼ばれているらしい。
しばしば「マンディ」と略されるが、区切り方としては「マンディブ/ラリス」が正しく、いわゆるぎなた読みで略していた事になる。
一対の大きな内歯と小さな鋸歯状の内歯を有する下方に湾曲した長大な大アゴを持ち、力も非常に強い。大型になるにつれて飛躍的に力が強くなっていくようである。リノケロスフタマタクワガタ同様、大顎の先端は二股にはなっていない。
非常に気性が荒く攻撃的な性格で、触覚で空気の動きを敏感に察知し素早く敵に向き直り、上体を激しく反って威嚇する。
強力な大顎で上または斜めから相手を挟み込み、相手を持ち上げる豪快な戦法が得意である。ただしこれは虫相撲などでは重心が低い相手への弱点ともなりえる。
標高1000m以上の広葉樹林に生息しており、同属かつ同じ島に分布するパリーフタマタクワガタ(セアカフタマタクワガタ)と生息域が重なる場所ではセアカマンディブ(セアカマンディ)あるいはキルヒナーフタマタクワガタと呼ばれる雑種が生じることもある。
本種とセアカフタマタクワガタ・リノケロスフタマタクワガタの雌は非常に似ており同定が難しく、野外品の(ワイルドと呼ばれる)本種として売られているペアの雌が間違って別種のフタマタクワガタの雌になっていることも多い。
成虫はスマトラ島亜種が主に流通しており、小型のものであれば安価に入手できることが多い。
成虫の飼育は容易だが気性が荒いためペアリングには注意を要する。産卵にも癖があるらしく材の好みが激しく、カビの覆ってしまったような産卵木には見向きもしない。また、1個体の雌から生まれる幼虫の雌雄が偏るとの噂があるが、真偽は不明である。
幼虫は発酵マット、菌糸ビンなどで大きく成長するが、100mm以上の大型個体を育てるのは中々難しい様子。
亜種
2亜種に分類される。
原名亜種(ssp.mandibularis)
ボルネオ島に分布。最大記録は112.0mm。
大顎の大きな内歯がやや基部(根本)寄りになる傾向が強く、体色も赤みがかる個体が多いため赤マンディブという通称で人気である。
主にマレーシア側のサバ州とインドネシア側の南カリマンタンのものが生体で流通しているが、偽物も存在するため注意を要する。
スマトラ島亜種(ssp.sumatranus)
スマトラ島に分布。最大記録は119.5mm。
内歯は中央寄り。フタマタクワガタ属の最大種。
メディアでの扱い
ギラファノコギリクワガタやパラワンオオヒラタクワガタ、ヘラクレスオオカブト、コーカサスオオカブトと肩を並べる世界最大・最強のクワガタとして紹介されることが多い。
世界最強虫王決定戦
クワガタ界のバトルサイボーグと呼ばれている。その戦闘能力はクワガタの中でも群を抜いており、かなりの強豪である。最大の武器は、巨大かつ圧倒的なリーチを誇る大アゴであり、並の相手であれば、近付く前に挟まれてしまう。また、空気の振動に怒ることすらある好戦的な性格と俊敏な動きをするため、余計に接近するのが難しいのが本種の強みである。また、フタマタクワガタの中で1番メンタルが強く、スタミナもある為、長期戦も得意だ。
しかし、重心が高い為、重心の低く安定した国産カブトムシやエレファスゾウカブトとは、部が悪い。
意外と知らねてないが、過去にオオエンマハンミョウに勝利したこともあり、異種格闘技も得意。実際にタランチュラを何度か切り刻んでいる。
甲虫王者ムシキング
「私の欲望に限りはない」
2004ファースト拡張パックより登場。
強さは200。性格はバランスタイプ。必殺わざはチョキ。肩書きは「偉大なる大アゴ」。
「2005セカンド」で強さ160以上では初の「アダーコレクション」入りを果たす。
「2005セカンド+」からはギラファノコギリクワガタに出番を譲る形で姿を消していたが、2008年の「5周年コレクションカード 第2弾」で後述の新超必殺わざ(これによって大型甲虫の超必殺わざの共有は全廃された)を持ってきて復活。
ゲーム中では強さと必殺わざが同じギラファノコギリクワガタとの性格被り(性格なしのムシカードであれば事実上被る。ただし「アダーコレクション」「超必殺わざ変更のカード」の有無による違いがある)を防ぐために性格がバランスタイプに設定されているが、実際のマンディブラリスはギラファ以上に凶暴・好戦的な性格である。
新ムシキングには、参戦する前からSSRムシ捕獲時に何故か一瞬だけコイツの名前が映る現象が起こり、そのため「ムシ採りの時にコイツの影を見た」という声がちらほら上がっていた。
仕様かバグかは不明だが、2015 1st、2ndで共に見られた現象である。
また、同じ種小名を持つ「マンディブラリスミツノサイカブト」の鳴き声はマンディブラリスフタマタのものが使われてしまっており(似たケースにメンガタクワガタとメンガタカブトがある。種小明は違うが)、ガッカリしたプレイヤーもいたとか(現在は修正されている)。
そして、2016 2ndにてアクティオンゾウカブトに続くSSRとして参戦。2016年3月25日よりムシ採りで入手可能。必殺わざは旧作(復活後)と同じ(若干アレンジが加えられているが新ムシキングにはよくある事の上、こちらはまだアレンジが少ない方である)。
おたすけ相性がギラファノコギリクワガタと同じだが、ギラファはテクニック(必殺やおたすけの追撃の威力上昇)重視なのに対してこちらは攻撃力(必殺以外の手のわざの威力上昇)も高い攻撃寄りのバランス型。
なお向きが異なっていたり大幅に加工されているため分かりづらいが、超大型のカードイラストは超必殺わざ変更前のグラフィックが再利用されており、2016サードのオウゴンオニクワガタ(こちらはアダー完結編までは一切バーコードが変更されなかった)と並んで最も古い時期のイラストが使用されている。
激闘2弾でお助け相性とステータス、必殺わざを変えて再登場。新必殺わざは「マンディブギロチン」。新ムシキングで初めて必殺わざが変更されるムシとなる。
超神化2弾ではブラック甲虫として登場。テクニックが高めではあるものの、激闘編以降に登場したブラック甲虫としては珍しくバランスの良い能力値となっている。おたすけ相性は激闘編のものと同じだが必殺わざは「マンディブクラッシュ」に戻った。
超必殺わざ
クロスダイブ
3億枚突破記念までの超必殺わざ。アダーコレクションはこちらが超必殺わざの個体だけ。
相手を投げ上げ、落ちてきたところを回転しながらつかまえ、引きずりおさえこむ。
マンディブクラッシュ
5周年コレクションカードからの超必殺わざ。ただし、超必殺わざ変更後のカードだけ出るのはアダー完結編から。
相手を力まかせに持ち上げ、その状態ではげしく何度もはさみつける。
マンディブギロチン
新甲虫王者ムシキングにおける新必殺わざ。
相手を怒りにまかせて挟みつけ、飛び上がってから地面に叩き付けてとどめに挟み込む。
関連項目
日本産ノコギリクワガタ……こちらも大アゴの形から「水牛」の別名があるクワガタムシ。ちなみにノコギリクワガタ属とフタマタクワガタ属は近い仲間である。
ブルマイスターツヤクワガタ……旧ムシキングで必殺技が同じ(変更前)
アクティオンゾウカブト、タランドゥスオオツヤクワガタ、ギラファノコギリクワガタ、ヘルクレスオオカブト、ヘルクレスリッキーブルー:旧ムシキングで最強の強さ200(金レア)だった甲虫たち。