概要
日本産業規格(JIS)においては「主として着用者のつま先を先芯によって防護し、滑り止めを備える靴」と定義されている。
工場などにおける作業では重量物が落下した際などに足を挟まれて大怪我をする危険性があるため、つま先部分が鋼鉄や強化プラスチックなどの頑丈なもので出来ており怪我を防ぐ(又は最小限に食いとどめる)構造の靴。
また、作業目的によっては釘などの踏み抜きに対する耐性や、滑り止めのために靴底に所定以上の摩擦力が有る事も求められる。
主に工事現場や、重機、重量のある部品を取り扱う工場内外や、鉱業、建設業などの足への危険を伴う作業場で使用される
安全靴は普通の靴に比べると頑丈な反面、どうしても重量がかさむため履き心地は普通の靴に比べて数段劣り、足腰にかかる負担も大きいため、長時間履き続けたり履いたまま長い距離を歩くことには不向きである(場合によっては腰痛や歩行障害などを引き起こしかねない)ため、日常生活における普段使いには基本的に適していない。
pixiv内に投稿されているイラストでは登山靴の様にごつい靴として描かれることが多いが、実際はイラストのようなごついものに限らず、作業場所などに応じて革靴やスニーカーと外見の見分けがつかない安全靴もある。また、革製の長靴のような外見のものや鳶職用の物もある。
余談
かつて週刊少年チャンピオンで連載していた不良漫画「京四郎」では、登場人物がケンカの際のキック力向上のために安全靴を履いている描写があったが、鋼鉄を仕込んだ靴で蹴りを入れるなぞ、常識的に考えて当たり所が悪ければ死人を出しかねない危険な行為のため、絶対に真似しないように。
加えて、場合によってはつま先が鋼芯部分に当たり、蹴ったほうがかえって大怪我をして自滅する危険性もあるので、重ねて言うが絶対に真似をしないように。そういう靴じゃねえからこれ!
※ただし、後述の通りアメリカでは不良文化の中に「特定のタイプ・ブランドの安全靴を履く」というものが有るには有る。
また、エンジニアブーツと呼ばれる靴紐が無いタイプのブーツ型の安全靴は、アメリカにおいてバイクに乗る際に使用される場合が有り、やがて、暴走族や不良のファッションとして取り入れられた。
更にティンバーランドというブランドの黄色っぽい色が特徴のショートブーツ型の安全靴は、ニューヨーク市において、麻薬の売人やポン引きなどの反社的、かつ、長時間野外に居る必要が有る商売の人々に好まれ(ニューヨークは冬の寒さが厳しいので、冬服は、ファー付きのコートやショートブーツ型の靴などの防寒性の高いものが一般的)、その後、ラッパーや不良っぽい服装を好む人々の御用達のブランドと化していった。