概要
ローソン系列の株式会社ローソン・ユナイテッドシネマが運営する、日本の大手シネマコンプレックス(シネコン)チェーンの一つ。日本では3番目に多い館数を持つ。本項では、同社が運営するシネコンの別ブランド「シネプレックス」についても記述する。
沿革
元はアメリカのシネコンの運営会社「ユナイテッド・シネマ・インターナショナル」(以降、本国法人)の日本法人、「ユナイテッド・シネマ・インターナショナル・ジャパン株式会社」(以降、旧法人)として設立され、1998年までに3館(大津、金沢、札幌)を開業した。なお、この3館は当初、館名に「ユナイテッド・シネマ」を冠していなかった(「ユナイテッド・シネマ」冠称は2004年)。
翌1999年に本国法人と住友商事、角川書店(現:KADOKAWA)の出資で現行法人が「ユナイテッド・シネマ株式会社」として設立された。以降に開業した館には「ユナイテッド・シネマ」の冠称が付く。
旧法人は2003年に解散し、同社が運営していた3館は現行法人が継承した。翌2004年には本国法人が投資会社に買収されたのに伴い、現行法人の経営から撤退した。これにより外資系から住友色の強い資本構成となった。
2005年にアメリカの同業企業AMCの日本法人「日本AMCシアターズ」を買収し、同社が運営する映画館のうちイクスピアリにあるものを除く4館を継承した。現在運営している館のうち館名にスクリーン数を示す数字が入っている3館(豊橋18、なかま16、キャナルシティ13)はAMC由来のものである(残る1館は後に閉鎖している)。
2012年に住友商事は投資ファンドに現行法人の株式を売却した。現行法人はその2年後の2014年にローソンの傘下となっている(ローソンから見れば孫会社)。
投資ファンドの傘下にあった2013年に、角川シネプレックスを合併し、同社が運営する12館を継承し、「ユナイテッド・シネマ」と「シネプレックス」の2ブランド体制となった。
2024年3月に現行法人は現社名に変更した。以降に開業する館については「ローソン・ユナイテッドシネマ」の冠称が付く(「ユナイテッド」と「シネマ」の間に「・」は入らない)。
特色
- 4Dシアターは4DXの導入に積極的であり、同社だけで競合規格のMX4Dを導入した映画館の日本全体の数よりも多くの館で導入している(2021年以降のTOHOシネマズのMX4D縮小の結果でもあるが)。
- 高付加価値シアターはIMAXの導入に比較的積極的である。
- 同業他社に比べ、他社が撤退したシネコンへの居抜き出店が目立つ(某スクールアイドル同好会の聖地にあるショッピングモールに入っている「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」もその一つ)。
- 日本最多の18スクリーンを擁するシネコン「ユナイテッド・シネマ豊橋18」(愛知県豊橋市)をはじめ、大規模な館を多く運営する印象があるが、実際は13スクリーン以上を擁しているのは豊橋18など前記AMC由来の3館(日本市場の規模に比して多いスクリーン数はAMCの特色に由来する)と上記のアクアシティお台場のみであり、新旧いずれかの法人またはシネプレックスが新規に開業したシネコンに限れば7〜12スクリーンである(居抜き出店を含めると最少は6スクリーン)。
- 2013年のシネプレックス合併以降も同社から継承した館については「シネプレックス」のブランドを使用しているが、改装して「ユナイテッド・シネマ」へのリブランドを実施した館が相次いだことで「シネプレックス」のままで残る館は激減している。なお、「ユナイテッド・シネマ」「シネプレックス」で会員サービスは共通している。
- シネコンの運営企業であるが、恵比寿ガーデンプレイスにあるシネプレックス由来のミニシアター「YEBISU GARDEN CINEMA」を運営している。
- 沖縄県で唯一の県外資本のシネコン「ユナイテッド・シネマ PARCO CITY 浦添」を運営していることにより「北は北海道から南は沖縄まで」を唯一実現しているシネコンチェーンとなっている。
- …のだが、日本の地方区分では唯一、中国地方への出店がない。
- 映画興行と併せて、『ダーウィンが来た!』や『岩合光昭の世界ネコ歩き』の劇場版などの独自企画作品の配給を行っている。
関連イラスト
余談
メイン画像で使用しているのは愛知県知多郡阿久比町にある「ユナイテッド・シネマ阿久比」を背景にした漫画『五等分の花嫁』の中野家の五つ子であるが、同館は同作に登場した映画館のモデルとされている館であり(下記動画参照)、また同作の作者・春場ねぎ曰く、「人生で1番映画を見に行った場所」である(春場は阿久比町の隣の知多市出身)。