クエスト・ドーパント
くえすとどーぱんと
「仲間を見捨てて逃げ回りなよ！一人一人、それぞれ！生々しい反応を見せてくれ！」
概要
裏風都の構成員・コッパが「探索」の記憶を持つクエストメモリ（本人曰く「最高にレアなメモリ」）で変身したドーパント。
紋様が刻まれたコインもしくは、虫眼鏡のような丸く平たい巨大な頭部を持つ。更に装飾が施された特殊な左腕が特徴で、両足は上げ底ブーツのような形状となっているものの、それ等を取り除くと至って平凡な人間体型である。
下記にあるクエストメモリの特性上、表と裏の風都を好き勝手に監視しており『街』の人間（特に秀夫）から警戒されている。
コッパ
「人間狩り」を嗜む飛行帽を被った男性で、翔太郎やフィリップが特に嫌う典型的な卑劣漢。
多くの人間や著名人を裏風都に攫い、使い魔達をけしかけて散々に疲弊させ、最後は自分の手でいたぶり殺すという行為を遊び半分で繰り返していた、思想も何も無い快楽殺人鬼。
口を開けば他人を蔑むような軽薄な言動を繰り返し、一方的に持論を展開した後に「あれ? 俺だけ?」とおちょくりながら尋ねる等、徹底的に自分以外を舐め腐っている。
それは秀夫達幹部に対しても変わらず、当の上層部はその能力ゆえに重用していたものの、本心ではかなり煙たがっていた。
ハイドープかは不明だが、生身で大人の男性を片腕のみで吹き飛ばしていた為、ハイドープの可能性が高い。
能力
左腕はマーカーやペンキャップのような着脱が可能で、チューブの先端状になっており、そこから絵の具もしくは糊のような液体を抽出して魔獣（モンスター）の生成を可能とする。ただしその分自身の生命エネルギーを代償となる為、何も考えずに使うと一気に弱体化する欠点を抱えている。
後頭部からシャベル状の武器を作り出す等、見た目に反してフィジカルファイターでもある。
またクエストメモリにはファンタジー系統のゲームや書物等々『ダンジョン』に関連する創作物も含まれているのか、前述の武器から作り出される電子情報で魔法陣を描いたり等と幻想的な能力を持つ。
更に厄介なのは魔法陣をマーキングするだけで裏風都と自由に行き来できる空間転移能力を持つ他、物体同士にマーキングして空間を超越しての接続まで可能と、ロードやシザーズ等の空間系メモリの中でも破格の利便性を誇る。
ゲートとなる魔法陣さえ閉じてしまえば、誰も追跡は不可能となる為、索敵に関しては間違いなく上位に位置する。
活躍
あまり派手な動きはして欲しくない上層部の意向も馬耳東風で、いつもの楽しみとクイーン達を裏風都に閉じ込め「クリア条件のないデスゲーム」を強制し、メモリの力で作り出した魔獣をけしかける。
その中で気丈に振る舞いながらも、決して他人を見捨てないクイーンの人間性を気に入り、絶望を味わわせるべくメインターゲットとして狙いを定めた。
その最中、派手に行動を起こした為に仮面ライダー達に、自身のアジトや裏風都の繋がりがバレてしまうも、上記の能力から余裕の表情を見せており、今回の狩猟場とマーキングした魔法陣を展開し、ダブルとクイーンの相方であるエリザベスの前から逃走。
その後は狩りのクライマックスとなる『FINAL STAGE』で自ら皆を手にかけるべく出陣。
追い詰めた彼女達を嘲笑いながらトドメを刺そうとしたが、死角から放たれた一撃によろめき、武器を落としてしまう。
振り返った先にいたのは、獲物の価値がないと見下していたエリザベスの姿。
「え、え、また、お前……だとぉっ!? 何でまた……っ!?」
絶対不可侵の狩場に居ない筈の女がいる、そして彼女が飛ばしたのもファングメモリだったため頭を損傷し、混乱が生じてしまう。
更にダブルが颯爽と登場したのも合わさって、遂に余裕が消え失せる。
「何故だ! 魔法陣は閉じたはずなのに!?」
動揺を露にするクエスト・ドーパントだったが、ソウルサイドのフィリップは「君が入った魔法陣を使っただけ」と簡潔に答える。
実はダブルがスパイダーショックに貯めた時空粒子を噴出して魔法陣をハッキングし、シャットダウンを遅らせた事で、禄に確認もしなかったコッパ自身の慢心と油断もあって狩場への侵入を許してしまったのだ。
不意打ちによるダメージが抜けず、左頭部を抑えて膝をつく狩猟者気取りの悪党を追い詰めたダブルは決め台詞を言い放ち、コッパ＝クエスト・ドーパントをターゲットとした正真正銘のラストゲームが幕を開けた。
qのゲームオーバー（ネタバレ注意！）
左腕から大量の魔獣を召喚し、ゲームの邪魔をするダブルを排除せんとけしかけるが、サイクロンジョーカーにあっという間に全滅させられ、自らも呆気なくボコられてしまう。
「くぅぅぅぅっ! くそっ! 何で急に強くなりやがった!」
悔し気に吠える彼にフィリップが「魔獣召喚によるエネルギー消耗」のデメリットを解説する。本来なら使用していれば気付くはずなのだが、コッパは無力な人間ばかり狙っていた為、クエストメモリが持つ欠点に気づけなかったのだ。
ボディサイドの翔太郎からも「クソゲームのツケが回った」と今までのミスや浅はかさを指摘され、耐え難い屈辱に身体を震わせながらも、戦略的撤退を決断。
「だったらリセットするだけの話さ。何れ機を見て……再ゲームだっ!」
捨て台詞を吐きながら、新しく展開した魔法陣の中へ入ろうとするが、それを読んでいたダブルのサイクロンによる空気流でまともに杖を支えられなくなり、魔法陣の維持に失敗。
満足に動けない所に新技『ジョーカースパイラル』で顔面を両断され爆散、メモリブレイクされた。
「あらぁ……マジ……かよ……なんてみっともねぇ、ゲームオーバー……だ……」
その後、警察の秘密医療施設に収容され、裏風都側も元々彼を身限りかけていたため容認。
だがメモリブレイクの後遺症や敗北のショックが酷く、廃人同然の痩せ細った姿となり、クレヨンで無数の星形の絵を描く程の精神崩壊してしまうと、ある意味死ぬより悲惨な末路を遂げた。
余談
結局、多くの悪党を仕留めてきた翔太郎達からすれば、名実共に能力が便利なだけの小物に過ぎず、裏風都内でも評価されていたのは「クエスト・ドーパントの力」だけで、コッパ本人には何のフォローもされていなかった。
彼の言うゲームに例えるなら、「たまたまガチャで激レアチート装備を手に入れ天狗になるも、それに胡座をかいた本人のプレイスキルはゼロに等しかった」といった所だろう。
