肌角
はだづの
角と額の境目がなく皮膚と地続きで描かれた角のこと
概要
「肌角」とは角と額の境目がなく皮膚が地続きの角のことである。
角の表面を皮膚が覆っており柔らかいのか、皮膚の表面が硬質化しており硬くツルツルしているのかは見る人の解釈に委ねられる。
角の先端に行くにつれて色が濃くなっていくこともある。鬼娘のキャラクターに多い。
歴史
日本において鬼は赤や青や黒の肌に角の生えた姿が一般的である。江戸時代などの絵では、角と皮膚は別の色であることが多いが、『絵本大江山』(画:北尾政美、1786年)など角と肌の色が同じである例もある。この時代の角はゴツゴツした質感で描かれていることが多く、肌角のようにツルっとした質感で描かれているのはまずない。
人間と同じような肌の色を持ち、皮膚と繋がった角を持つ「肌角」のような表現は比較的新しい描き方かもしれない。
現代のイラストとしての古いケースは、1997年に出版された井上純弌の『天羅万象(初代) 天羅万象 ビジュアルブック』で肌角が描かれている。『天羅万象・零サプリメント 天上天下』(2001年)の表紙イラストでは額から生えた角が先端に進むにつれてピンク色へと色が濃くなる表現になっており、この時点で現代の肌角的な表現がほとんど確立されている。
漫画では2000年に1巻が出版された漆原友紀の『蟲師』2話「やわらかい角」などで描かれている。
Pixivではサーバ開始当初の2007年頃には既に投稿されていた。
実際の動物の例
サイ
サイの角は人間の爪や頭髪と同じ成分であるケラチンで構成されている。そのため昨今の書籍などでは「ただのイボ」「(薬効目当てに密猟や違法取引が横行しているが)自分の爪をかじっていれば十分」など割と散々な言われ様をしている。