「俺は後藤という者だ」
「いつまで寝てんだ、さっさと起きねぇか!!柱の前だぞ!!」
概要
CV:古川慎
鬼殺隊の中で鬼とは直接戦わず、戦闘の後始末を行う後処理部隊『隠』の隊員。23歳。
那田蜘蛛山編で初登場。負傷(正確には栗花落カナヲのかかと落としを食らって失神)して倒れた竈門炭治郎を回収し、鬼殺隊の本部へと連行して柱の集合に合わせて叩き起こした。
隠としての経歴はそれなりに長いらしく、現場の隠の中では指示役を務める事もある。実際にアニメ版の那田蜘蛛山編では、同じ隠の女性からは敬語で接されて彼女に指示出しもしていた。
威勢のいい江戸っ子口調が素の話し方だが、他の多くの隊員同様に柱を非常に恐れている為に、柱の前では平身低頭して礼儀正しく振る舞う。しかしその場まで柱の存在すら知らず、竈門禰豆子を弁護する為とは言え、無礼極まる態度を取り続ける炭治郎にキレて
「お前ェエ!!もう喋るなァ!!お前のせいで怒られただろうが!!漏らすかと思ったわ!柱すげえ怖いんだぞ空気読めよ察しろ!!」
「絶対許さないからな!絶対許さないからな!!絶対に許さねえ!!謝れ!!謝れよ謝れ!!!謝れーーーっ!!!!!」
と私怨混じりの怒りを撒き散らし泣きながら彼を責め立てていた。
性格は少々口が悪く、割と思った事を正直に口に出すタイプだが、基本的には礼儀も常識もわきまえた良い人。最終局面のある場面では先陣を切って鬼舞辻無惨に立ち向かうなど(詳細は後述)、前線で戦う隊士達にも気概では負けていない。遊郭編の戦闘終了後、意識不明になっていたかまぼこ隊を保護しており、そこそこ縁のある炭治郎達を気にかけ、お見舞いに行ったりもしている。
年下でも階級が上の相手には滅多な事は言わないが、感情の起伏に乏しく一般常識も弁えているとはいえない栗花落カナヲの事は、(幼少期から鬼殺隊になるための修行を受けていたことに一定の理解を示しつつも)人間としてよろしくない状態だと思っていたようで、意識不明だった炭治郎が目を覚ましたというのに、(彼の視点では)喜ぶでもなし人を呼ぶでもなしで、ただぽつんとベッドの側に座っていた彼女に
「意識戻ってんじゃねーか!!もっと騒げやアアア!!!!!」
「てめェは本っ当にボーッとしてんな!!人を呼べっつーの!!!『意識戻りました』ってよ!!馬鹿野郎が!!!!」
「みんな心配してんだからよ。上とか下とか関係ねーからな、今だけは!!」
と激昂して叱りつけていた。
やっぱり良い人である。
無限城決戦編では、無惨と交戦する柱達を一人物陰から見守っていたところ、無惨の反撃によって柱や我妻善逸・嘴平伊之助らが全滅してしまい、呆然となる。
しかし、残されていたカナヲが無惨に殺されそうになるのを見て、自分が非戦闘要員であるのも忘れて「やめろー!!」と飛び出してカナヲを助けようとしたが、直後に炭治郎がカナヲを救出して後を託された。
ファンブック弐の最終巻で使用見送りとなった幕間劇にて、最終決戦終盤に夜明けで肉の鎧に身を包んだ無惨に、最初に車で突っ込んだ隠(「死ねェエ!!」と叫んでいた目つきの鋭い運転手)は彼である事が判明する。後藤曰く無我夢中だったとの事だが、彼が先陣を切った事で竦んでいた他の車の隠も特攻に踏み切れたので他の隠からは感謝されていた。実際に、夜明け後の無惨を日陰に行くのを阻む上での貢献は大きく、隠れたMVPの一人と言えよう。
最終回では彼の子孫が登場。スマホの画像の山本愈史郎作の『珠世像』に見とれていた所、友人の竹内にからまれ、さらに通りすがりに首を突っ込んできた上に、勝手に絵の解説をしてドヤ顔で去って行った我妻善照を「誰?アイツ…」と見送っていた。
さらに外伝小説「風の道しるべ」でも登場。この時は下弦の壱を倒した柱になる前の不死川実弥の元に駆け付け、彼の稀血の匂いを消す為の香を焚くなどの事後処理を行った。そして不死川が今際の際の親友の粂野匡近を看取ろうとしている事を察し、彼の治療を急ごうとする他の隠達を「気持ちくらい汲んでやれや」と言って諫め、彼等に2人だけでの別れの時間を与えた。登場は僅かだが相変わらずの男前っぷりである。