ゲノム兵
げのむへい
概要
ゲーム『メタルギアソリッド』において、FOXHOUNDと共に蜂起した「次世代特殊部隊」の隊員である一般兵士達。基地内の警備や椄敵時の戦闘行動など荒事全般に対応する。
彼等は、ATGC社のクラーク博士主導の下で行われていた、ビッグ・ボスにも由来する戦闘に特化した因子の遺伝子=ソルジャー遺伝子を、遺伝子治療(ジーンセラピー)によって肉体に移植する事で、戦闘に特化した強化兵士を生み出す軍事実験の被験体でもあり、その結果として発達した聴覚や強靭な肉体を持つ。また同隊に所属する隊員は、IQ180を誇る天才的頭脳の持ち主が多い。
他にもあらゆる歴史上の作戦や、これから起こり得る未来の作戦を追体験できるVR訓練を、21世紀の軍隊という構想で結成された「フォース21」と共に受けて経験している。
しかし…
あくまでVR訓練は「訓練」にしか過ぎず、そのせいで実戦の経験を持つゲノム兵は少ない。
また、シャドーモセス島での蜂起でFOXHOUNDに協力したのも、あくまでサイコ・マンティスによる洗脳のせいであり、それ故に思考能力や現実感覚が薄れている。
その為に、突然通路に空弾倉が音をたてて転がってきても「何の音だ! …気のせいか…」、侵入者を目視しても見つからずに少し経つと「…気のせいか…」、死角から麻酔銃を撃ち込まれて気付いても「気のせいか…zzz…」とすぐに気を取り直して、そのまま各々の持ち場に帰ってしまう。
さらに交戦した際にも、スネークを見失うとすぐに「敵を見失った」として警戒を解除してしまうなど、プレイヤーから見るとポンコツでしかない。しかし、これはゲーム上の必然というものであり、プレイヤーが対処できるレベルにしないと、潜入アクションが成立しない為でもある。
小説版では、この実戦経験の乏しさが仇となっているという描写が強化されており、とっさの状況への対応が遅れたり、状況の変化で浮き足立ったり冷静さを無くしたりと、精神的にも兵士としては未熟かつ不安定な部分が多々見られ、そのせいで多対一でもスネークに圧倒されてしまう場面がある(実戦経験豊富なFOXHOUND隊員との戦闘描写とは対照的に描かれている)。
スネークが奪ったソーコムや通気口の穴などから、スネークも評価する程に素早く侵入者の存在その経路を特定する等、流石に強化されているだけあって優秀な面も見られるのだが、その能力に本人達の経験値が全く伴っておらず、活かしきれていないというのが致命的だと言える。また、なまじ聴覚が鋭いが故にスネークがネズミを驚かせても、ネズミの音だと確認もせずに瞬時に理解できてしまう為に、それ以上の捜索を行わないなど、強化された感覚が実戦経験の低さのせいで逆に仇になっている場面もある(これは後のナノマシンによる強化兵士にも同じような傾向があった)。
その実態と顛末
実際は、上記した遺伝子治療(ジーンセラピー)の技術はまだ未完成であり、その被検体にされた彼等の間では遺伝子治療の影響で奇病が流行し始めていた。また、絶滅種の動物の遺伝子的特徴である「左右対称の兆候」まで現れるなど、遺伝子治療は完全に行き詰っていた(湾岸戦争で行われた最初の遺伝子治療実験でも、その副作用としてアメリカ軍兵士達の間で「湾岸戦争症候群」が流行する結果になってしまっており、それを受けての人体実験でもこのような結果となった)。
その為、リキッド・スネークはビッグ・ボスの遺体を要求し、彼等の治療を行おうとしていた。
シャドーモセス事件終結後は、同隊の指揮権はアメリカの下に復帰したものの、殆どの兵士が精神操作の影響もあって、カウンセリングや治療を受ける事となり、加えて遺伝子治療の責任者だったクラーク博士の死や、研究員だったナオミ・ハンターの失踪による研究の行き詰まり、さらには遺伝子治療の事実を公にはしたくないアメリカ政府の意向で、「次世代特殊部隊」は解体・解散させられた(操られての事とはいえ、テロリストに加担したという事実も大きかったと思われる)。
さらに後の時代では、VR訓練やナノマシン技術による強化兵士の製造・管理の方が主流になった事で、既に遺伝子治療そのものが用済みとして研究は廃止されており、結局遺伝子治療実験の技術が完成する事は無かった(遺伝子研究の過程で生まれたナノマシン技術に、取って代わられた形になる)。
その後の作品での登場
完全版のインテグラルではVR訓練の項目、Varietyでゲノム兵をモチーフにした遺伝子怪獣ゲノラが登場している。
ミッションの内容としては、メリルを助けるためにゲノラを撃破するというものである
続編のMGS2の完全版サブスタンスのVR訓練では、ゲノラに対抗して作られた兵器メカゲノラまで登場している。
もちろんゲノラも健在でMGS1スネークのザコサバイバルのトリを勤めている。(倒す方法は三つある)
なんとスーパー戦隊よろしく色のバリエーションも増えている。