本項目は『FAIRYTAIL』39巻以降の重大なネタバレを含みます
CV.鈴村健一
X798年の未来の住人（26歳）で、現在のローグとは異なり髪の左半分が白い。
まず、彼について紹介する前に、FT世界の「分岐した未来」に関して解説を入れる。
コミックス38巻までの『大魔闘演武』はX791年に開催され、その裏でフィオーレ王国が秘密裏に作っていた「エクリプス」と呼ばれるタイムトンネルにより、「400年前に行って不老不死になる前のゼレフを殺し、現在のゼレフを消滅させる」という計画が開かれる予定だった。
しかし、エクリプスは「開くもの」と「向こう側で開くのを誘導するもの」がいなければ成功しないシステムであり、これを知らなかったフィオーレの人々が開門したことにより400年前の世界から1万匹ものドラゴンがX791年のフィオーレになだれ込み、フィオーレは忽ち竜に滅ぼされてしまった。これが【未来Ⅰ】である。
【未来Ⅰ】におけるX791年の「数日後」からエクリプスを通ってやってきた未来ルーシィはエクリプスを閉じるために「現代」のナツ達にこの危機を伝える。これにより、「現代」の妖精の尻尾はエクリプスを閉じ、1万ものドラゴンの流入は抑えられた。
ここから続くのがローグのいる【未来Ⅱ】である。
【未来Ⅱ】では、ナツ達の抵抗に打ち勝ったアクノロギアにより人類は支配されていくことになる。ローグはそれに立ち向かおうとするも、フロッシュを失った悲しみに囚われ、発狂。
スティングをも殺して光の滅竜魔法を強奪し、支配されたくなければ支配すればいいと考えたローグは遂に操竜魔法を会得するに至ったが、アクノロギアに操竜魔法は効かなかった。
そのためローグは、「もう一度時の扉を開かせて過去から竜を現代に呼び込み（1万は多すぎるので更に数を厳選したうえで）アクノロギアを倒そう」と計画。エクリプスで「現代」に飛び、門を閉じる力を持つルーシィ（現代）を殺害しようと試みた。
スティングの力を取り込んでいるためモード白影竜になることが可能であり、性格は残虐非道で極めて身勝手、正真正銘の「ローグ（ならずもの）」になっている。
現代へやってきたローグはルーシィが阻止した未来を踏まえたうえで世界を救う方法と称しエクリプス・キャノンという嘘でヒスイ姫を唆してエクリプスを開かせ、「運命の日」にルーシィを殺害しようとするも【未来Ⅰ】からやって来た未来ルーシィに邪魔されてしまう（この傷が元で未来ルーシィは死亡する）。
そして手筈通りに現れた七竜を操竜魔法で意のままに操り、抵抗する魔導士ギルドの完滅を目論むも、予想だにしていなかった時間改変により抵抗が始まり、最後はナツと意気投合した炎竜アトラスフレイムに裏切られ、乗っていたマザーグレアごとエクリプスに叩き付けられてしまい、【未来Ⅱ】に強制的に戻された。
完全に【未来Ⅱ】に戻る前、ナツにフロッシュを殺した人物（リンク先ネタバレ注意）の正体を明かすが、ナツからは「今のローグは絶対お前になんかならねェよ!!」と一蹴された。
結局「その人物」はフロッシュを殺すことも無くなり、運命を司る影も消滅したために現時点ではローグがこの未来ローグ（に類する悪党）になる可能性は低くなり、本編ではアクノロギアも完全に滅びたためにローグの未来もまた白紙に戻る。
尚、未来ローグはアクノロギアが自分たちと同じ滅竜魔道士であり、その行き着く先まで進化したいわば滅竜の究極にして成れの果てであったことを知らなかった模様。操竜魔法が効かなかったのも、元々が人間であったために当然と言えば当然。
苦難の末に生み出した魔法も効かない上に、打倒しようとしたアクノロギアが元々は滅竜魔道士であることも知らなかった彼の計画は、最初から何一つとして報われるものではないという残酷な結末しかなかった。
