概要
主に15世紀~17世紀の大航海時代にスペインやポルトガルからインディアス(スペイン人が発見・征服・植民した地域の総称。アメリカ大陸、特に中南米を指すが、フィリピン諸島も含まれる)へ向かい、現地の文明を破壊・略奪し、先住民であるインディオを虐殺・奴隷化した侵略者たちを指す。アステカ帝国を滅ぼしたコルテス、インカ帝国を滅ぼしたピサロなどが代表例。
中南米におけるコンキスタドール
コンキスタドールたちは、異教徒であるインディオの改宗を条件に彼らを奴隷化することを本国から許可され、インディオを自らの私有財産として兵役や人夫、建築作業や砂金採取、糸紡ぎ、機織りなどに使役した(エンコミエンダ制)。インディオにとって無慈悲な搾取者であったことは言うまでもなく、ラス・カサスやドミニコ会を始めとしたスペインの修道士、知識人らの働きかけにより1543年にはインディオの奴隷化を禁止する「インディアス新法」が制定された。
本国と征服地の利権をめぐって対立することも多く、コンキスタドール同士の対立・武力衝突も頻発した。
その後
インディアス新法の施行後、スペインによる支配体制は、所有を基盤としたエンコミエンダ制から大土地所有を基盤としたアシエンダ制に移行していく。地主であり経営者であるスペイン人入植者は多くの場合コンキスタドールの末裔であり、インディオを債務で拘束した労働力として支配した。
コンキスタドールの酷使と疫病により先住民人口が激減したため、大量の労働力を要するサトウキビ栽培を行った西インド諸島などでは奴隷貿易により西アフリカから黒人奴隷を調達して働かせるようになった。