概要
てんとう虫コミックス29巻に収録「ニクメナイン」にて初登場。その後同コミックス29巻及び、藤子・F・不二雄大全集14巻に収録「しずちゃんさようなら」にも登場する。そして本稿では後者の解説も行う。
錠剤の道具で、これを1粒飲むと体から不愉快なオーラが放たれ、しばらくの間誰からも嫌われてしまう。ちなみに1992年版ニクメナイン及び、水田版での後者のアニメ化の際は液体状のものに変更されていた。
ストーリー
「このままじゃ、ロクな大人になれんぞ!先生は断言する!」
先生にいつも以上に厳しく説教されてしまい、自分は将来しずかと結婚しても、彼女を幸せに出来ないのではないかと落ち込むのび太。そこで彼はしずかを不幸にしない為にも、今の内にしずかと決別する決心をする。
ドラえもんはそんなのび太の様子を見て「そんな先のことを今から大げさに」と言うが、のび太は「未来を変えるには今から手を打たなくちゃいけない!」と断言し、しずかから借りていた本を返し、その際しずかのママに「しずちゃんにさよならと伝えて下さい」と伝言を頼む。
だが、しずかは自分に会いもせずに帰ってしまったのび太を心配して追いかけてた。のび太は「もう僕たちは会うべきじゃない」と別れ話を切り出すも、しずかは聞くはずもなかった。そこでのび太はしずかに嫌われるべく、断腸の思いで彼女のスカートをめくってしまう。しずかはのび太に「嫌い」と言いながら立ち去ってしまった。その後、のび太は出木杉に「君は良い奴だからしずちゃんを幸せに出来る!しずちゃんを頼んだよ!」と言い、泣きながら去って行く。
その話を母親や出木杉から聞いたしずかは「のび太に何かあったのでは?」と心配し、ジャイアンとスネ夫の「先生にひどく怒られてたらしいな」「のび太もかわいそうに。あれだけ説教されたら死にたくなるのも無理ないよ」という会話を聞き、のび太が自殺を考えているのではないかと焦ったしずかは野比家に向かう。
その頃、しずかと本気で決別しようとするのび太の様子を窺っていたドラえもんは「バカバカしいとは思うけどいじらしくもある」と考えていた。するとしずかが野比家にやって来て、のび太は大慌てする。見かねたドラえもんは、服用すれば誰からも嫌われるひみつ道具「虫スカン」を取り出す。しかしのび太は虫スカンを全部飲んでしまい、彼の身体中から不愉快放射能が放出され、たまらずドラえもんとママは野比家から逃げ出す。
野比家にやって来たしずかも不愉快放射能の効果で逃げ出しそうになるが、のび太は虫スカンの過剰摂取で瀕死に陥っていた。そのことに気付いたしずかは不愉快放射能の効果に逆らい、のび太をトイレに誘導して虫スカンを吐かせることで事なきを得た。
のび太が回復した様子を見て安心したしずかに対し、彼は「そんなに僕のことを心配してくれたの?」と尋ねる。するとしずかは「当たり前でしょ!お友達だもの!」と言う。その後のび太は「しずちゃんに嫌われるのは、また今度にするよ」と言い、それを聞いたドラえもんは優しく微笑みながら「それが良い」と答えるのだった。
余談
テレビシリーズ4バージョンの他に映画『STAND BY ME ドラえもん』では3DCGとして映像化されている。