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Action 52
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概要
Action52はActive Enterprises社から1991年に発売されたゲームである。この頃といえば、スーパーファミコンが既に発売されていた時期でもある。
値段はなんと199ドル(当時の日本円で約26,000円)とかなり高いが、「52ものゲームが入っており1ゲーム約4ドル(約500円)なので得」というのが売りだった……のだが、1つ1つのゲームのクオリティが絶望的に低く、実際は500円分の価値も無い。
中には途中でフリーズするゲームや仕様上クリア不能なゲーム、更に起動しないゲームも存在する。
(※注: ROMのバラつきがあるらしく、起動するROMも存在するらしい)
この52のゲーム群の大トリを務めるのが、かの有名な「チーターマン」である。
内容(NES版)
肝心のゲームの内容についてはご覧の通り。
01.Fire Breather
ドラゴンを操って相手と対決する2人専用ゲーム。
ステージの背景は毎回変更するが、障害物などの害は全くない。
ちなみに2人専用プレイのゲームはこれだけである。最初からそれはないだろう…
02.Star Evil
宇宙空間でホチキスの芯をぶっ放す縦スクロールシューティング。全3ステージ。
ゲームを開始すると初見殺しでは済まされない障害物がいきなり現れる。それを避けばほとんど楽勝だが、ボスに関しては現れない時がたまにある。
そうなってしまったら画面がスクロールしなくなってしまい、詰みになる。
ラスボスを倒すとそのままステージ1に戻されるので、ゲームの目的も特にない。
03.Illuminator
3番目になってようやくアクションゲームなのだが、ゲームを開始するといきなり部屋が暗闇に包まれる。
ライトは直接点灯できない為、ライトを点けるには敵を倒さないと点灯できない。しかも敵を倒してから1秒ぐらいしか点灯しない。
さらには頂点に到達すると画面はスクロールしない為、これ以上は登れない。先に進むには敵を全滅させる必要がある。
04.G-Force
横スクロールシューティング。全3ステージ。
メニュー画面では『G-Force FGT.』と書かれてるが、タイトル画面では『G-Force』になっている。説明書だと『G-FORCE FIGHTERS』表記。
操作は移動と射撃のみ。攻撃が見辛い。アイテムなどは存在しない。
ちなみにステージ2以降は何故か敵は攻撃をしなくなる。
05.Ooze
自機も敵もフィールドも液体で構成された、液体まみれの横アクション。全5ステージ。
何故かこのゲームに専用のタイトル画面が存在する。また開発者のオススメなのか、毎回メニュー画面に戻ると必ず『Ooze』が選ばれてる。
ジャンプは何故かBボタンで行う。しかもBボタンを押したままだと何故か前に進まない。つまり穴を飛び越えるにはBボタンをチョン押しして十字ボタンを押さないと飛び越えられない。このジャンプの挙動はこのゲームすべてに共通する。
このゲームにはコンテストというものが存在しており、全5ステージをクリアすれば特別なメッセージが表示され、そのメッセージを写真に撮って送ると賞金が貰える企画があったらしいのだが…、その賞金を受け取った者は誰一人存在しない。なぜかというと…
ステージ2で特定の位置まで進むとバグで先に進めなくなるかららしい……。もはや詐欺にも程がある。ちなみに後期ROMの方は改良された為か、バグが修正されている。
06.Silver Sword
まるでゴルフ場のようなフィールドに放り出され、敵を倒していくゼルダ方式のアクションゲーム。
のこのこ歩きながら明らかにシルバーではない朽ちた剣を投げ付ける緊張感のないゲーム。
07.Crytical Bypass
横スクロールシューティング。全3ステージ。Criticalのスペルが間違ってる。説明書だとちゃんとCRITICALと書かれている。
ゲームを開始すると目に悪いざらざらした背景がいきなり現れる。
射撃は十字キーを押した方向に発射されるのだが、狙いと移動が一緒になっている為狙いづらい。しかも自機も早い為、敵を狙うのはかなり困難である。
08.Jupiter Scope
流星群を撃ち落とす画面固定のシューティング。敵は少なめで難易度も低め。全7ステージ。
ステージが変わっても変化するのは背景と敵の速さが変わるのみ。
09.Alfred N The Fettuc
横アクション。説明書でのタイトルは『ALFREDO AND THE FETTUCINNI'S』。
暴れ出したパスタたちを鍋に戻す内容らしいが、実際は鍋で殴って鎮圧させるゲーム。
自機がパスタにぶつかると首が90度にゴキゴキ曲がる。
このゲーム、最初期ROMの方はなんとゲームが起動しない。
10.Operation Full Moon
また縦スクロールシューティング。全8ステージ。
ゲロテスクな色合いをした月面基地を進んで敵を倒していくというもの。
11.Dam Busters
アクションゲーム。どこぞの熊のような色のビーバーを操り他の色のビーバーを討伐する。全2ステージ。
とある箇所にルートがあり、そこで行き止まりを選んでしまうと戻る際のスクロールが存在しない為、うっかりルートを間違えてしまったらその場で詰みとなる。
12.Thrusters
またまた縦スクロールシューティング。レーザー砲で宇宙人の侵略を食い止めるゲームらしい。
グラフィックが違うだけでそれ以外の違いは特にない……が、ステージ2の特定ポイントでBGMが突如消え、その後画面がバグってしまう。…尚更である。
13.Haunted Hill
横アクション。説明書での名称は『HAUNTED HILLS OF WENTWORTH』。
グラマラスな女性を操作して怪異たちと戦う。ホラーチックな見た目だが操作性は『Ooze』と余り大差がない。
当たり判定がおかしく、1マス上の段差からジャンプして落ちると何故か即死する。
ボスはホラー感が全く無いゆるキャラのような大蜘蛛である。
14.Chill Out
防寒具を着た人を防寒具を着た人が氷漬けにする狂気のアクションゲーム。
はしごを上り下りして移動する形式。暗くならないだけで内容は『Illuminator』とほぼ同じ。
ちなみに「Chill Out」の意味は「落ち着く」又は「リラックスする」という意味であるが、この時点でもう落ち着けない人も多数いるだろう。
15.Sharks
名前の通りサメが出てくる画面固定のシューティング。
バランス調整が適当なせいか、サメが中々出てこないことがある。
ステージ3に入ると何故かサメがいなくなり、クラゲだけが登場する。『Sharks』じゃないのか?
16.Megalonia
またしても横スクロールシューティング。全5ステージ。
プレイ中に画面が尋常じゃないぐらいにバグるが、このゲームにはなんと安全地帯がある。
最後には女帝機械のMegaloniaと思しきボスが出てくるが、柵のような何とも言えない見た目。
17.French Baker
主人公がシェフのアクションゲーム。全4ステージ。
『Chill Out』式のゲームで、足の生えたドーナツや手紙が襲いかかってくるトンチキな内容。
18.Atmos Quake
また縦スクロールシューテ(ty…
太陽を狂わせ地球を破壊する宇宙海賊を捕らえるという内容らしいが、実態は紙飛行機のようなものを操作してただゴールを目指すだけの単調極まりないゲーム。
しかし、当たり判定が所々おかしい箇所が何箇所か存在する。
19.Meong
マインスイーパーのような画面が現れ移動すると地雷にぶつかってしまうという、初見だと何をすればいいのかさっぱり分からないゲーム。
動いていない間だけ地雷が見えるので、地雷の位置を記憶して少しずつ進むことになる。ずっと動かないでいるとミスになってしまう。
それを"アクション"と呼べるかどうか……
20.Space Dreams
内容は言うまでもなくシューティングゲームだが、自機はなんとおしゃぶり。そして敵はぬいぐるみや足の生えた文字、安全ピンである。なぜかは一切不明。
このゲームだけ何故か全10ステージもある。
21.Streemerz
斜めにリボンを投げてステージを登っていくアクションゲーム。
一見するとアイテムのような袋が置かれているが、取るとダメージを受ける罠である。敵や袋にぶつかると🤢のような顔が出現する。
最初期ROMでは特定の位置でブラックアウト(フリーズ)する。
22.Spread Fire
画面固定のシューティング。
自機はロブスターの形をしており、インベーダーゲームのように真横にしか動かない。とにかく背景が雑である。
23.Bubble Gum Rossie
横アクション。自機は風船ガムが武器のメルヘンな少女である。
後期ROMではなんとジャンプで飛び越えられない箇所が存在する。
24.Micro Mike
このゲームは一言で言うと『避けゲー』なのだが…、とにかくスクロールが早すぎる。
一応こちらもボスは存在するのだが、すぐに安地に引っ込む上に時おり回避不能の攻撃を仕掛けてくる卑怯者である。
25.Underground
洞窟探索型のようなアクションゲーム。
落下死はないが、キノコに当たると何故か回転して息絶える。…毒キノコなのだろうか。
26.Rocket Jock
ロケットに乗った未来のカウボーイが投げ縄で牛型ロボットを捕らえるシューティング。全2ステージ。
27.Non Human
横アクション。画面の下半分にサングラスをかけた緑色のおっさんたちが群がっている。全1ステージ。
『Non Human』というタイトル通り、人間と呼べるような存在は出てこない。
有志によるリメイクが存在し、妙に格好良く仕上がっている。
28.Cry Baby
『Chill Out』の系譜のアクションゲーム。全5ステージ。
内容は赤ちゃんを操作し、哺乳瓶からミルクを発射して誘拐しに来た悪人たちを退治するというもの。
なのだが説明無しだと罪無き人間をただただ虐殺しているように見えてしまう。…ホラーゲームか。
家具から落ちると赤ん坊が泣いて1機消滅する。…むしろ泣きたくなるのはこっちの方だ。
29.Slashers
このゲームとしては珍しいベルトスクロールアクションゲーム。
操作はパンチとキック。『ダブルドラゴン』劣化版のような内容だが、パンチとキックの性能の違いは一切ない為、戦略性は全くなし。
敵を倒すと爆散するので少々グロい。
30.Crazy Shufle
アクションゲームのようだが明らかにキャラが小さめ。全6ステージ。
内容は植物園のようなエリアで小さいドットを撃ち、小さい敵をたおしていくというもの。
ちなみに説明書によると記憶力と集中力を試す知育パズルだとのこと。もはやイカれてるのはプレイヤーの方かそれともゲームの方か…
31.Fuzz Power
横アクション。その名の通り自機はFuzz(毛玉)である。
ブラシやドライヤーなどに触れるとダメージを受け、その自機キャラはなんと真っ裸になる。…これを思いついた当時の開発者は何を考えたのだろうか。
BGMはチーターマンのOPテーマとして知られている。
32.Shooting Gallety
もちろんその名の通りシューティングである。
射的のような内容で、犬やウサギ、アヒルのキャラクターが浮遊して襲いかかってくる。
制限時間なし、段数制限なし、そして死なない。…つまりゲームが終わらない。
33.Lollipop
横アクション…なのだが、何故か自機の武器はロリポップである。足場もロリポップである。
当然の事ではあるが、ロリポップは食べ物であり武器でも足場でもない。…正気か?
ハシゴは十字キーの上ではなく、何故かジャンプで登る。
なおこちらもBボタンがジャンプである。
34.Evil Empire
砂漠に存在する邪悪な帝国から魔神を奪い返す、というあらすじの画面固定アクションゲーム。
こちらも『Crazy Shufle』のようにキャラが小さい。やることは『Chill Out』と同じ。
他のゲームにも言えるが、高所から落ちると何故か空中に浮いて即死する。
35.Sombreros
縦アクション。『ソンブレロ』とはメキシコの帽子のことだがここでは帽子全般を指す。
落ちている帽子を拾いながら帽子泥棒と思しき通行人を次々と始末するゲーム。
36.Storm Over The Desert
戦車ゲームっぽいアクションゲーム。こちらも専用のタイトル画面が存在する。
自機は戦車で、ピンクの敵戦車を倒していくというシンプルな内容。しかし1upの役割を持つ人間キャラのサイズが明らかにおかしい。…まぁおかしいのはいつものことだが。
37.Mash Man
横アクション。『Fuzz Power』のキャラに服を着せたかのような見た目の男を操作する。全3ステージ。
スキヤポデスのようなデカい足を持つくせに、なんと敵を踏むとやられてしまう。
38.They Came…
画面固定のシューティング。どこから来たのかぼかされているが説明書では『THEY CAME FROM OUTER SPACE』と書かれている。
小さな虫のようなものを操作する。一部のステージで敵が背景と同化して見えにくい。
39.Lazer League
またシュt(ty
シューティングでは珍しく自機が人型。全2ステージ。ステージ構成は全く同じで、ボスも全く同じ。
40.Billy Bob
砂漠の刑務所を抜け出すことが目的の、『プリンスオブペルシャ』のようなアクションゲーム。自機のアニメーションが滑らか。
しかしお察しの通り操作性やステージ構成は難だらけ。落石が無秩序に降り注ぐわ一寸先は穴だわでまともに遊べる代物ではない。
なおこのゲームも空中死する。
41.City of Doom
『クレイジークライマー』のような縦アクション。…出来は雲泥の差ではあるが。
疫病を直すためにビルを登っていくというわけのわからない内容。
42.Bits And Pieces
ゾンビがキャラクターの横アクション…なのだが、
内容は敵をただ踏みつけながら進んでいくというもの。…それだけ。
43.Beep And Blips
また画面固定のシューティング。…もういい加減にしてほしい。
自機は四角い機械で、一定の敵を倒せばクリアというシンプルな内容。
44.Manchester
マリオ3の音符ブロックみたいな箱を飛び越えながら進んでいく横アクション。
もちろん箱に乗っても跳ねたりはしないのでご注意。
ジャンプすると独特な効果音が鳴る。
45.Boss
歩くトカゲのようなキャラが爆弾をひたすら避ける横アクション。『ボス』と聞いて誰がこんな内容を想像できるか…
最後にはタイトル通りマフィアのボスであるヒキガエルが登場するが、普通のヒキガエルよろしく四つん這いのため威厳もへったくれもない。
46.Dedant
もはやお馴染みシューティング。自機も敵キャラもアリである。
『Spread Fire』のように真横にしか動かない。しかも敵キャラが最下層まで降りてくる。さらには弾は横に打てない。
47.Hanbos Adventures
『Chill Out』形式の画面固定アクションゲーム。ランボーではない。
敵をジャンプでかわしてゴールをするのが目的。自機がやられるとカメラ目線でくるくる回る。
48.Time Warp Tickers
横アクション。自機は何故か…指である。自機以外も他のゲーム以上にカオス。
敵を倒すたびに『Time?』という文字が現れる。…ゲームのプレイ時間を表してるのだろうか。
49.Jigsaw
釘を飛ばして工具を倒す横アクション。
こちらも最初期のROMだとゲームが起動しない。
50.Ninja Asault
ベルトスクロールアクションゲーム。自機は忍者。
内容はタイミングよく押しながら敵を倒していくというもの。これまた戦略性なし。アスレチックの難易度が無駄に高い。
敵を当てた時に出てくる雑音ボイスは「FU○K!」と言っている。
51.Robbie The Robot
ターミネーターのようなロボットを操って右に進んでいく横アクション。
仕組みはただ右に歩いて弾を撃つだけでクリアできる。2面目からは話は別であるが。
説明書のタイトルは『ROBBIE AND THE ROBBOT』で、Robbieとその兄弟である悪人Brainyがロボットを持ち出して争っているという設定らしい。
52.Cheetah Men
ご存知チーターマン。Action52最後のゲームで、説明書のタイトルは『THE "ACTION GAMEMASTER"』。
3人のチーターマンとなり、51番までのゲームに登場した悪者たちと戦うアクション。
(※詳細はチーターマンの項目を参照。)
上記のようにどれもこれも散々な完成度ではあるが、一部ゲームのBGMについてはまともなクオリティであると評価する声もある。つまり内容は…最早言うまでもない。
まさかの第二弾
その後、懲りずにGENESIS(北米向けメガドライブ)版も発売され、こちらはゲームのクオリティが少しだけ向上している。
しかしそれでもまともなゲームの水準に仕上がっているとは言いづらく、水増しの為かわざわざテレビゲームでやる必要が無いパズルゲームや、別のゲームを2P対戦用にしただけのゲームが多数収録されている。
更に唯一ほめられる点であったBGMも退屈なものに変えられてしまっており、ある意味NES版以上にいじり甲斐が無く、退屈なゲーム集となってしまっている。ついでに無駄にグロい。
なお、GENESIS版のAction52にも「チーターマン」は収録されているが、収録ナンバーは大トリの52番ではなく、海外では不吉な番号とされる13番。内容もNES版のスクロール型アクションゲームからうって変わり「捕らわれた子供のチーターを探すためにステージ内を探索する」という退屈極まりないなゲームになり、大幅な退化を遂げている。
余談
ちなみにここまでFC版やGENESIS版とあったこれらのゲームだが、なんと任天堂やセガに一切の無許可で販売されていた。さらには何をトチ狂っていたのか、倒産前にはSFC版の『Action52』の開発まで行っていたらしい。…一体何処に力を入れてるのか。
そんな1989年に設立されたActive Enterprises社は93年に、未発売のチーターマンⅡの在庫を1500本も抱えたまま倒産。僅か4年というあまりにあっけない幕引きであった。
有志によるリメイク
Action52は商業的に完全な失敗に終わったが、その(マイナスの)インパクトとBGMの良さが取り上げられた事で根強いファン(?)が存在しているらしく、一部ゲームのリメイクが作成されている。
Cheetahmen Prologue Remake
Haunted Hill preview (level 1)
Jigsaw