CV:喜多村英梨
概要
大成タイセイの姉。10歳年上の23歳。独善的な側面のある女性。
私立大宮進開学園中等部のOGで、教師の高輪カドミチや青梅マイをはじめとする在校生でも知らぬ者は居ない有名人。中学時代はサイドボブ、高校時代はポニーテール、失踪前はサイドボブに髪をカットする。
AI技術に大きく貢献した、天才と呼ばれる優秀なシステムエンジニアだったが、2年前に謎の失踪を遂げ新聞の二面紙で大きく報道され、タイセイが進開学園へと編入したのも些細な手掛かりを求め続け在学時代に過ごした場所ならばと藁にも縋る思いで赴いたのが理由の一つ。
ERDAの構成員にも認知されているのは、中2の頃に半ば押しかけも同然に組織へエンジニアとして入ったからである。2年前の失踪後もERDAは行方を追っているが、時折ログインしてアクセスする足取りも振り切っていた。
猪突猛進で負けん気が強く、自分だけが正しいと暴走することもある。自分を美人と称するなどナルシスト。タイセイには彼が幼少期に「誰かを守れるかっこいい人になりなさい」と告げ、その言葉はタイセイの夢となっている。
その他、ビーナに関して友達と喧嘩し、「死んじゃえ」と言ったタイセイに「よくない」と𠮟りつけながらも経営学者・米倉誠一郎の「転んだ人を笑ってはいけない、彼は歩こうとしたのだ」という格言を引用し「失敗が恥ずかしいのではなく、そこから立ち上がらないのが恥ずかしい」と元気づける良好な姉弟仲を感じさせる。
なお、ERDAの面々とは仕事以外での付き合いは少なかったらしく、プライベートでの姉について質問されたタイセイはとある逸話を話している。
過去にメタバース内に動物園開発に携わるもリアルの動物園が経営危機に陥る事を理由に閉鎖が決定。だが天秤にすら乗せてもらえない事に憤慨し改造、斬新さと見捨てにくさを兼ね備えた喋る動物たちの動物園へと変えてしまう暴挙に出た。が、「動物が喋るのは駄目でしょう」と余計に封鎖に向かわせてしまい、自分が悪いのに動物園の責任者を非難した。倫理観の破茶滅茶な技術者としての一面に話を聞いていたカドミチは爆笑したが、動物たちのデータを改竄して喋らせるなど物扱いした笑えない所業をしでかす。
謎
現在アンノウンが出現しているのはすべてタイセイと最低でも一度は訪れた思い出の場所ばかりなのは、ERDA壊滅を企みつつイナが微かに迷っていた証拠だった。アンノウンが再び出現したのも、偶然タイセイの適性値が基準に満たされていたことが発覚した直後である。
また、タイセイに多くの名言を残してはいるものの、タイセイ自身がその言葉たちを行動原理や困った時の判断基準にしてしまっており、どこか彼の思考を縛っている。事実、アカネには「姉の受け売りばかり」でタイセイに自分というものが感じられないと指摘されている。
そんな中第8話のラストでは、バグのような森の中に立っているのが見られた。髪はロングで赤いTシャツ・ロングスカートを着用している。
さらに、第10話のアンノウン撃破後、ほんの一瞬だがノイズ混じりにタイセイを呼ぶ声が彼に聞こえている。が、ERDAにハッキリと自分だと察知されないためにイナは音声の記録データを改竄した。
余談
関連タグ
蒼乃美希:15年前同時間帯の裏番組における登場人物にして中の人繋がり。さらに彼女もイナ同様に弟がいることも共通する。
真実
※以下はシンカリオン チェンジ ザ ワールド第11話および特別編のネタバレが記されています。
突如現れた黒い新幹線=ファントムシンカリオンから聞こえた声はなんと、行方不明中のイナだった。
「邪魔しないで」
ファントムシンカリオンの運転士が姉と知ったタイセイは戦意を喪失し、適性値が低下してしまう。
戦えなくなり仲間たちとの関係も悪化し、メタバース空間に引きこもりとなったタイセイの前に姿を現したイナ。彼女の目的はERDAの壊滅だと発覚する。
タイセイを伴って訪れたメタバース空間の動物園はバグのようになっており、ERDAは運転士が使えなくなったら捨てるとイナは言い一緒にERDAを破壊しようとタイセイを懐柔しようとするが、未だに姉を神格化しているタイセイはその手を払い除ける。
弟を誘うことが出来なかったイナはERDAに無条件降伏するよう直接宣戦布告した。
その際、豹変した表情で「ERDAは人の命を何とも思っていない」という旨の発言を残している。
宣戦布告してきた姉を止めようとするタイセイ、ERDAに憎悪を燃やすイナがついに激突。
20体を越える大量のアンノウンとともに襲撃するも助けに入ったリョータとアカネに撃退される。
E7ドリルフォームとE6トップリフターフォームの連携を食らうも、ファントムガントレットソードで返り討ちにしてトドメをさそうとするが、カドミチの反対を押し切り浜本部長がE5トレーラーフォームのグランクロスのロックを解除。
そのままグランクロスを発動するタイセイ。
「何さ…私に言い返したことなんか…なかったくせに…」
ついに決着がついたのだった。
その直後、タイセイと和解。疲れて倒れたタイセイを撫でる。
しかし感情も記憶もそのままにアンノウンの仲間として犯行を重ねたイナだったが、それまでのファントムシンカリオンに搭乗し破壊活動を繰り返していた間の記憶は無く、病院で意識が戻った後はERDAの取り調べを受ける。
しかしその一方で……
「大丈夫だ、一緒に行こう」
メタバース空間の動物園に仮面の男(CV:梶裕貴)が出現。
アンノウンと思われる正体不明の人物であり、メタバース空間の動物園に姿を現して動物たちを「アンノウンの空間転移」で転送し、ファントムシンカリオンも回収して去った。
取り調べを受けた彼女は2年間の記憶がない事を明かすが、実は2年前にメタバースの鉄道ショップにいつの間にか仕込まれていたコンピュータウィルスにより洗脳、そのまま操られて行方をくらまさせられていた事を明かす。彼女の行動パターンを知る何者かにERDAと敵対するように仕組まれていたのだった。
その後、アンノウンに加担して悪事を犯したにもかかわらず、ERDAの監視下に置くという行動制限のみであっさりとERDAに復帰させてもらえた。記憶はないが、やったことに変わりないと罪悪感を感じている。
復帰後はERDAの制服を着用(元々来ていた服の上から着込んでいるだけだが)、伸びた髪を散髪してショート姿となった。
第14話では6機目のシンカリオン・E8つばさを協力して完成させた。
第15話のOPからはERDAに復帰したが、パソコンつけっぱなしで居眠りしているシーンが追加されている。
第16話では上記のオープニング内容、ERDAで泊まり込み(出ることが出来ないからでは…)の、徹夜で作り上げたシステム、SRGシステムを完成間近まで作った。
SRGの意味として、『3・両・合体』というわかりやすい略し方の意味であった…
適正値と違い、3人のSRG値が揃わないと合体出来ず、テスト段階だったが…アンノウン襲来のぶっつけ本番でやってもらうも…何故かアカネのSRG値だけ揃わなかった。
アカネにタイセイやリョータの戦う理由を問われ、マイからリョータが自分を救ってくれたシンカリオン運転士みたいに守りたいのだと知り、当時のシンカリオン運転士だった同僚を思い出し、今は何処にいるのかと懐かしんでいた。
- 特別編「失われた記憶」では
物語前半(第1話〜第12話)のストーリーを洗脳中だった彼女視点ではどのような状況だったのかをふかえる総集編となっており、
- 洗脳されERDAを敵視するように仕向けられているが、意識ははっきりしており、『子供を戦わせるERDAから彼らを遠ざける』という目的で行動していた。
- タイセイがシンカリオンに乗っているのに気がついたのは名古屋・北海道の戦いの頃。
- タイセイと訪れた場所を狙ったのは、彼との思い出がこんなことしちゃダメだと訴えてくるから、それらを壊してでもやり遂げねばならないと無意識下の内に標的にしてしまった。自覚し出したのは名古屋での戦いの頃から。
- メタバース空間でタイセイの元に訪れたのは、初の直接対決の際に自身の存在がERDAに発覚したと焦り、直接迎えに行かねばと急いだから。
といった事実が判明した。
また、タイセイを懐柔しようとして失敗し「どうしてこんなことになっちゃったんだろうね、タイセイ」と呟いた直後のイナに通信で応じていた仮面の男が
「まさか怖気づいたか?
ならいい、行け!ERDAを破壊しろ。」
と命じている。
このことから命令される立場だったようだ。
- 余談
OP1カットでの意味深な描写、タイセイが姉と一緒に旅行で訪れた鉄道名所付近にばかりアンノウンが現れるなどから、敵サイド側にイナがいるのでは?と早いうちから予想されており、それは見事に当たってしまった。
彼女が関わったアンノウン出現箇所は第14話で明かされており、『大宮の歩道橋』『敦賀鉄道資料館』『旧万世橋駅』『名古屋港跳上橋』『新函館北斗駅』『八甲田丸』『大曲駅』『長浜鉄道スクエア』『新津鉄道資料館』と、いくつかはED映像で彼女らの旅行光景が写っていた箇所である。