概要
宿主がエディ・ブロックだった時のヴェノムから抽出したシンビオートを、秘密結社ライフ財団が培養して生み出した5体の人工シンビオートのうちの一体。宿主はライフ財団の私兵の一人トレヴァー・コール。
グレー(見方によってはダークブルー)の体色以外は、他の四体に比べて一番ヴェノムに似た姿をしている。ヴェノム譲りの能力の他、彼のみはカーネイジのように体の一部を武器に変えることが出来、宿主のトレヴァーはハンマーやメイスなどの鈍器を好んで使用した。
他の四体の人工シンビオートと共にヴェノムやスパイダーマンと死闘を繰り広げるも、仲間の一人であるスクリームによってトレヴァーが殺されてしまい、同じく宿主を殺されたラッシャー・ファージ・アゴニーとともに警備員スコット・ワシントンに取りついて、さらに強力な寄生体「ハイブリッド」となった。しかしスコットも最後はエディによって殺された。
スコットの死後はアゴニー、ラッシャー、ファージ共々アメリカ軍に接収され、特殊部隊マーキュリー・チームの生物兵器となった。
ライオットは海兵隊員特殊作戦コマンドのハワード・オグデンと結合。彼の脚を強化して超人的なスピードを与え、偵察や近接攻撃を請け負った。
実写映画
スパイダーマン・ユニバースの第1作となる『ヴェノム』にてヴィランとして登場。
本作では人工シンビオートではなく、体色は銀色。宿主はライフ財団の創設者カールトン・ドレイク(演:リズ・アーメッド/吹:花輪英司)。
また、ライオットがシンビオートのチームリーダーであり、ヴェノムも彼の部下という設定になっている。
ドレイクは、表向きは医療福祉から宇宙開発まで幅広く手掛ける実業家だが、裏では環境破壊や資源の枯渇が深刻化している地球に見切りをつけ、人間と地球外生物を融合させることによる人類の宇宙進出を目指し、社会的弱者を騙して人体実験を行っている冷酷非情なマッドサイエンティストであった。そのための宇宙探索でシンビオートを4体分採取するも、帰還中にロケットは大破して東マレーに墜落。
何とか3体分のシンビオートを確保したドレイクは、それらを利用した実験を開始する。
一方のライオットは唯一生き残っていた飛行士に取りつき、そのまま様々な人間を介して自力でドレイクのもとへと向かい、彼に寄生。故郷では将軍格の存在であったライオットは侵略する惑星を探しており、辿り着いた地球に目をつけ、ライフ財団のロケットで故郷に戻って大量の同胞たちを率いて地球を侵略することを目論んでいた(※)。
※ が、後年制作された『ザ・ラストダンス』では、シンビオートたちに他者へ危害を加えようという意図はなく、とある存在から逃げていただけであったことが明らかになっている。だとすると、ライオットもまたあくまで追手から逃れる場所を探していただけで、(少なくとも地球に飛来した時点では)侵略しようという意図はなく、ドレイクの単なる独り善がりな解釈が一体化したことでさらに増幅され、それがライオットの側にも伝播してしまった可能性も考えられる。
ライオットに寄生されたのはドレイクにとって計算外だったが、元々冷酷な性格で、かつシンビオートの力にすっかり魅了されてしまっていた彼はライオットと意気投合。部下たちの反対を押し切りロケットの発射準備を進めてしまう。しかし地球を気に入ったヴェノムはこれを良しとせず、宿主となったエディと共にこれを阻止せんと立ちはだかる。死闘の末、エディに致命傷を負わせてロケットで飛び立つが…
ライオット 「裏切り者!!」
ヴェノム 「良い人生をなァ!!!」
ヴェノムが再び宿ったことで蘇生したエディは再びヴェノムとなり、ライオットが使った刃で燃料タンクを引き裂き引火による爆破を誘発。
序盤でエディを失脚させた時に言い放った台詞で一蹴されながらロケットごとライオットとドレイクも焼死して野望は潰えた。
死後、ライフ財団の悪事が公にされた模様。
また、最終的に蘇生したとはいえ、戦闘の際に一時的にエディの命を奪ってしまったことが、後に物語に大きな影響を与えることになる…。