妖花
ようか
概要
ゲゲゲの鬼太郎、原作(第1期第32話)、第3、4、5、6期に登場。
とある理由により1人で暮らしている女性・花田花子が暮らしている部屋(第6期ではまなの大叔母である沢田淑子が住んでいる家の庭先に毎年お盆の頃)にのみにひとりでに咲き誇る美しくも微かな妖気を漂わす不思議な花。
名称自体は不明だが、存在自体は人間界でも普通に知られている物であるで、本来は南方にしか存在せず、日本では育つはずのない植物であり、彼女自身から調査を依頼された鬼太郎は花から微かに漂う妖気と種を運ぶ風を頼りに大元である親株の場所を探し、自分を行かなければならない気がするという花子と共にかわうそ自慢の蛤船に乗って出航。
そして太平洋戦争で激戦区であった南方のとある孤島(おそらくラバウルあたり)へと辿り着く。
そしてそこで見つけた親株からは戦争で戦死した彼女の血縁者(戦後からの経年により様々な設定になっており第1期では両親、第3期ではおじ、第4期では祖父母、児童小説では曾祖父、第5期のみ戦争とは全く関係ない設定となっており、船舶事故で無くなった彼女の父親となっている)の遺骨が発見され、妖花の正体は彼らの思いが花子を見守る為に咲かせた存在である事が分かり、真相を知った花子は彼らの供養のためにも強く生きることを誓うのであった。
第6期では妖花に興味を持ったまなの頼みで彼女と共に調査をする事になった鬼太郎たちは第1期、第3期と同じく太平洋戦争で激戦区だった南方に島(第6期に登場する島も恐らく精霊・トゥブアンが暮らしていた事や、史実からパプアニューギニアのニューブリテン島と思われる)へと到着。
そこで(後述する総二郎の魂の導きを受けたまなが)妖花の源となっているご神木へと辿り着き、その根元からいまだ発見されずに弔われないままの戦没者たちの多数の遺骨を発見する。
その遺骨の1つはかつてまなの大叔母の沢田淑子と結婚を誓い合った恋人の総二郎であり、彼の握りしめていた手紙の内容から家柄の違いから淑子との結婚を許さなかった親によって強制的に戦地に送られてしまい、連絡を取る事もできないままに命を落としたという真実が明らかとなる。
その手紙は後にまなの手によって淑子の元へと送り届けられ、その手紙を読んだ淑子も総二郎も自分との約束を決して忘れたからではなく妖花の姿を借りて毎年自分の所へと帰って来ていた事を悟り涙するのだった。
なお、まなはこの事件を通して戦争の悲惨さを知り、この事を深く心に刻んで後世に伝えて行くことを誓っている。
余談
ちなみに第6期での妖花のエピソードは反戦や薄れゆく戦争の悲惨さへの警鐘を扱ったエピソードになっており、詳しい内容については省くが、まなたちが発見する以前に日本の開発業者がこのご神木と戦没者の遺体を発見しているが利益を優先するあまりに表ざたに出来ない道徳的にも人道的にも絶対にやってはいけない様な犯罪を犯そうとしていた。
しかしかつて第二次世界大戦を経験していた見えない世界の住人たちである精霊・トゥブアンたちの活躍によって未然に防がれている(鬼太郎たちやまなはそのとばっちりを受けてしまったが……)。
また、トゥブアンたちの協力があるとはいえ、もしかすると来年は淑子の元へと行けないかもしれないと思った妖花の大元である総二郎の霊魂は劇中の時間軸においていつもの年以上の妖花の花を思い人であった淑子の家の庭先に咲き誇らせていた。