簡体字
かんたいじ
簡体字は、簡略化された漢字。1950年代に制定され、従来の漢字を簡略化した字体体系である。中国大陸のほか、シンガポールやマレーシアなどでも採用されている。
概要
この文字は、本来中国で使用されていた漢字を中華人民共和国において、楷書化した草書の要素を取り入れたり、文字自体を画数の少ない文字に入れ替えたりしたものである。
学習に困難な点があるとされる漢字を省略化する試みは清朝末期から進められていたとされるものの、中国国内の混乱および他国との戦争などにより作業は遅れ、1956年にやっと採択された。
また、文化大革命後にさらに簡略化された文字にする計画があり、文字自体は作られた(二簡字)ものの、「使いにくい」という意見のため制定はされなかった。
問題点等
旧来の漢字(≒日本の旧字体)を簡略化した文字なのだが、簡略化しすぎて元の文字を使っている漢字圏同士でも何の文字なのか分からない……という困った現象が起きている。
また、中国本土においては「それ以前の文書等の解読や伝統文化の継承などに困難が生じる」という意見も存在する。
もっとも、大昔に日本が漢字を輸入した際、当時の人がいい加減に訳した(または「中国に有って日本に無いもの」を「中国に無くて日本に有るもの」に当て字した)ため、大昔から本来の意味と違う使い方をされていたりするのだが。