哭倉村
なぐらむら
概要
映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の舞台。東京から夜行列車に乗り、更に車(タクシー)を山奥に走らせ、山中にあるトンネルを抜けた先の湖の畔に存在している。
公開されている情報によると、作中に登場する大企業『龍賀製薬』のトップにして、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族が支配する村との事。
人里離れた場所ではあるが、実力者のお膝元というだけあってインフラは整っており、旅館や青果店、駄菓子屋、洋風の別荘なども存在する(ただし茶屋は無い)。数は少ないが車も走っており、警察や消防も連絡があれば普通に駆け付けてくる。流通する食材も豊富で、村内の店でアイスキャンデーも食べられる他、水木の食膳一つを見ても普通に美味しそうである。また、時弥の野球選手を知っている発言(=試合を観たことがある)から、最低でもラジオは受信可能で、当時最先端の家電だったテレビが存在する可能性もある。
しかし、水木を乗せたタクシーの運転手は行方不明者が多発していると怯え、村に入るトンネルの手前までしか送ってくれなかった。また、湖に禁域とされる島があったり、一族が代々奇妙な因習を守り続けていたり、怪しい余所者を公権力を通さず平然と私刑にかけようとするなど、何かしらの不穏な秘密が隠されている事が随所で示唆されている。
一方、現代で鬼太郎が訪れた際には既に廃村となり、崩れた建物ばかりの不気味な雰囲気が漂っている。
どうやら目玉おやじが今の姿になる前の、今から約70年前、昭和31年に起きた出来事が関係している様だが……。
余談
哭倉村の位置についての考察
SNSを中心に、ファンの間では
哭倉村について、作中では
「東京から汽車で深夜に出て昼頃につく」(帝国血液銀行社長室での水木のセリフから)
「村の向こうの山の向こうには烏天狗がいる」(墓場での酒盛り、ゲゲ郎のセリフから)
とある。
映画のベースとなっている6期鬼太郎では、烏天狗の所在は鳥取県の大山である。
- 長野県説
哭倉村の神殿内には贄としてウサギの串刺しが捧げられているなど、諏訪大社の御頭祭を思わせる描写が存在する。
- 静岡県説
映画終盤で駆けつけるパトカーは静岡県警のものであある。
等の考察が行われた。
ただし、古賀監督は哭倉村のロケ地について
「風景のモデルとなった村は実在するが、本当にひっそりと静かに暮らしておられる普通の村なので、仮に特定できたとしても聖地巡礼などはしないでほしい」
と語っている。
村の実態
※ネタバレ注意!!!警告はしましたよ。
「この村は人も妖怪も何かを隠してる」(水木)
端的に言うと呪われし悪徳の村。
詳細は血液製剤Mや龍賀一族、長田幻治の記事に譲るが、文字通り「数多の人間と人ならざる者達の血」を贄として肥え太った醜悪な村である。
物語終盤、解放された無数の狂骨狂骨により、村人は老若男女の別なく復讐の対象として襲われ、家屋も恨みの炎で焼き尽くされた。
現代パートでは
山田記者は、取材対象である鬼太郎を追ってかつての村の入口、哭倉村トンネルに辿り着く。
このとき、周囲に『立ち入り禁止』の看板やフェンスはなく、特に封鎖されている様子は見当たらない。
一方で、村までの道は高く茂った草に埋もれてしまっており、オカルト雑誌の熱心なライターである山田が全く存在を知らなかったなど、70年前の事件後は放置され、忘れ去られた存在となっていた。
余談
村の中に踏み入った山田が、物音に驚いて家屋の中を懐中電灯で照らすが、その一瞬、画面右下に鷲鼻が特徴的な老婆の姿が浮かび上がる。この老婆は作中数度にわたって登場した村人であり、村人達が死後も成仏出来ずに村を彷徨っている可能性がある。
ただし、少なくとも村に居た狂骨は全て成仏させられた事が判明している。