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CV:白鳥哲


本記事は、現在公開中の劇場アニメ『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』のネタバレを取り扱っています。
劇中の核心的なネタバレを含むため、閲覧の際は十分に注意し、自己責任でお願いします。


概要編集

戦後日本の財界を裏で牛耳り、哭倉村を支配する龍賀一族の当主。太平洋戦争で大きく業績を伸ばした『龍賀製薬』の会長かつ立役者でもある。


物語序盤で逝去しており、話を聞き付けた水木が、個人的野心と自身の勤める血液銀行からの命で、龍賀の本家がある哭倉村を訪れる事となる。

また、彼の死後の遺言書の開示がきっかけで、醜い跡目争いが一族内で勃発、本作で巻き起こる事件の引き金となっていく……


水木が龍賀一族について調べた資料では、切り貼りした新聞中で「日本薬学の巨頭」「日本薬学の祖」「製薬王」と評され、時貞自身も製薬関連で何らかの叙勲を受章したことや、GHQマッカーサー元帥が戦後復興の話し合いのため、連日時貞を訪ねた事が記されている。

一方で別の新聞では、経済企画庁次長や大蔵事務次官などの政府要人と度々面会している事も報じられており、日本の中央政財界の裏に時貞がいる事は半ば公然となっている。


余談編集

  • 担当声優の白鳥哲は、6期鬼太郎では第46話で麻桶毛(男雛)を、第66話で死神を演じていた。ちなみに、時貞は劇中に登場する人間の中でも(既に死亡しているが)最年長のキャラクターだが、演じた白鳥は逆に本作の男性キャスト陣の中でも年齢は下の方だったりする。
    • 劇中のある台詞から、時貞は死亡時に90歳を超えていた事がわかる。




関連タグ編集

鬼太郎誕生ゲゲゲの謎


龍賀時麿 龍賀乙米 龍賀孝三 龍賀丙江 長田庚子


龍賀一族 哭倉村











以下、ネタバレ注意!!編集




※以下、映画本編の重大なネタバレを含みます。まだ視聴していない方や、ネタバレが嫌な方はスクロールする事をお勧め出来ません。



































諸悪の根源爺


本作で起きた一連の事件や出来事の“真の黒幕的存在”にして、全ての悲劇の元凶である最低最悪の外道。


龍賀一族が政財界を支配するために歪んだ因習に染まったのも、そのせいで沙代時弥といった若い世代の未来が奪われたのも、鬼太郎の父ゲゲ郎)のが行方不明になったのも、幽霊族が絶滅同然となったのも、そしてゲゲ郎が最終的に目玉おやじの姿となったのも、元を辿れば全てこの男の所業によるものである


禁術や呪い返しにより狂骨を使役していた事から、外法者達の集団『裏鬼道』と繋がりが推測される。


物語序盤で命を落とすが、『魂移し(マブイうつし)』の秘術により、孫である時弥の魂を追い出して身体を乗っ取り、現世へと舞い戻っていた(この際、水木視点から時弥の体に時貞の頭部が映る様になった)。

  • 時貞の台詞によると、80歳を迎えた辺りで頼りない息子たちには後代を任せられないと決断し、魂移しの器として時弥を作ったという。つまり死亡時には90歳以上ということになる。

たとえ身内であっても自分の欲望を満たすためならば道具同然に使い捨て、ゲゲ郎達幽霊族を家畜扱いにするというまさに極悪人であり、更にはそこまでして「これぞ人生ぞ!」と得意げに語るものが、品性の欠片もない単なる贅沢三昧と、人間の持つ欲望の醜さだけを煮凝りにしたような、醜悪極まりない人物


しかし、最終的にはそのあまりにも傲慢な性格が仇となり、水木を地位や金で懐柔しようとしたものの「あんた、つまんねえな!」と一蹴され、狂骨を操る髑髏を破壊されてしまう。この髑髏は狂骨をコントロールすると同時に安全装置の役割を担っていた為、髑髏を壊された時貞は「国ごと滅ぼすぞ!」と激しく狼狽していた(尤も、強者が弱者を踏み台にしてのし上がる日本社会の現状に愛想を尽かしていた水木からしたら、日本がこの先どうなろうとどうでもいいことだったのだが)。

狂骨の正体は、犠牲となった幽霊族の怨念であり、当然その矛先は憎悪の対象にして諸悪の根源である時貞に向けられた(水木曰く、「ツケは払わなきゃなあ!」)。

最期は命乞いも虚しく、魂を「助けて」と叫ぶだけの柔らかい球体の様な姿(鑑賞者の間では“時貞ボール”という通称が広まっている)に変えられ、死ぬ事も出来ないまま永遠に恐怖と苦痛に苛まれる身へと墜ちていくという自業自得な末路を迎えた。

  • この球体と化した時貞は、それから70年後となる映画冒頭のシーンに登場している。「助けて」と叫びながら洞窟の中を彷徨っていたが、山田とぶつかった拍子に悲鳴を上げながら奈落の底へと落ちていった。

他の龍賀一族はその死により、哭倉村や因習から解放された。しかし時貞は死ぬ事も生きる事も出来ないまま、未来永劫誰に知られる事もなく、誰もいない廃村で苦しみ続けるのである






余談(ネタバレ)編集

  • 作中終盤に正体を明かしながら菱餅(雛祭りに供える三色のアレ)を丸飲みにするシーンがあるが、菱餅には子孫繁栄と長寿を祈願するという意味がある。それを時貞が食らう姿には寒気しかしない。

  • その食べ方から、鑑賞者の間で作中序盤での死は餅を喉に詰まらせてのものだったのではないかという説も上がった。

  • 作中で「地を這いずり回るだけの人生… 人間ああはなりたくはない」と語っていた本人が文字通り球体となり地を這いずり回るだけの人生という末路を迎えたのは皮肉としか言いようがない。

  • 穴倉で時貞が座っていたのは御座所。本来は天皇が座るための場所であり、時貞は自身を天皇同然の存在と考えていた節がある。

  • 本作のベースとなる6期鬼太郎の第3話において、鬼太郎は「妖怪の世界と人間の世界は交わっちゃいけないものなんだ」と語る一方で、「人間と妖怪と、どちらか一つで良いなんて事は絶対に無い!!」と激昂してもいる。父母や先祖達の受けた仕打ちを思えば鬼太郎がそう考えるのも当然で、水木の存在があったとはいえ、人間に絶望しなかった事がむしろ奇跡と言えるだろう(『ゲゲゲの謎』は6期完結後に制作されたため、後付けの事情ではあるが)。


関連タグ(ネタバレ)編集

彼の行った所業から、こう思った人は多いはず。


魂を他人と入れ替える秘術と似た魂入れ替えの術を持ち、目玉おやじ=鬼太郎の父と対決したという共通点がある。ただし6期では、退治もしくは改心するまでには至らなかった上、その後も術を用いて人間社会に潜り込み続けたという相違点もある。


アニメ第6期に登場した醜悪な人間達。時貞の犯した所業に比べればまだまだ可愛いレベルだが、彼等もまた救いようのない極悪人である。最終的には彼らも時貞と同様、それぞれ因果応報な末路を遂げている

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