CV:釘宮理恵
概要
戦後日本の財界を裏で牛耳り、哭倉村を支配する龍賀一族の三女(そのため旧姓は『龍賀』)。
夫の幻治は長女・乙米の忠実な部下であり、作中では夫婦が会話する場面すらない。
人物
やや陰のある雰囲気かつ気弱な性格で、姉の乙米に逆らえず常におどおどしているものの、息子の時弥に対する愛情は本物で、時弥が次々代の当主候補に選ばれた事を嬉んでいる。
作中後半には時弥を利用する事しか考えていない乙米に対して震えながらも強く反発する姿を見せるが、同時に当主の母として一族の主導権を握るという野心も見せ始める。
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※以下、ネタバレ注意
殺人事件の第三の被害者。
真犯人から時麿の部屋に入った事を黙っている様に言われ、「(この一族は自分のものになるから誰であろうと)勝手は許さない」と物凄い剣幕で脅し返したところ、その真犯人に宿る妖怪の力で首を切断された挙げ句、その首を蝋燭立てに飾られた。
時麿や丙江に比べるとそこまで落ち度があったとは言えないため、その惨い死に様を不憫に思う意見も少なくない。
時弥が当主になる可能性が出てくると気弱そうな態度から一転、増長して権力欲に取り憑かれたような姿を見せた事についても、姉の高圧的な振る舞いやそれに追随する夫に対する鬱屈を抱えていた反動である事が察せられるし、何より時弥の出生やその為に自身が強いられてきた行為を考えれば、対価となる物を強く求めすがり付くのは無理もない感情であると言える。
ただし夫の幻治、そして龍賀一族の本性を考えると、彼女も村や一族の悪事についてはある程度黙認していた可能性も少なからずあり、龍賀家の一員らしく醜悪な本性を持っていた節も否定出来ない。
どの道終盤の展開を考えると、あそこで死ななくても結局は他の一族の人間達諸共、無残に殺される運命にあったと思われる。
余談(ネタバレ)
時貞の娘達の名前には、漢字文化圏で物の序列や暦を表す際に使われる十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)の字が入っているが、二位や二番目を表す「乙」、三位・三番目を表す「丙」に対して、「庚」の字は七番目に相当する。そのため公式媒体では三女と説明されているが、実際には丙江と庚子の間に作中に登場しない兄姉が他に3人居た可能性がある。
何らかの理由で早世した事が考えられるが、当時の未成年の死亡率の高さを考えれば然程珍しい事ではないし、何より一族の因習はその確率を更に高める様な内容である。