概要
1999年にデビュー。
『SchoolDays』が話題となり、後にアニメ化など多方面に展開する。
製作している作品は主に近親相姦をメタファーにしたものが多い。
母体となった「有限会社スタック」はかつて一般向け作品も手がけており、SS版『Piaキャロットへようこそ!!2』や『センチメンタルグラフティ2』、ゲーム版『シスタープリンセス』シリーズなどを開発していた。
ブランドとしての問題点
『SchoolDays』の大ヒットで一躍脚光を浴びたオーバーフローだが、同時にパッチ修正や発売延期など、様々な問題点が浮き彫りになった。
中でも、『CrossDays』ではその問題点が顕著で、一年以上に渡って8回も延期を繰り返した挙句に、作品内容がファンの期待を大きくはぐらかすものであり(女装主人公の同性愛シーンが結構な数で存在し、「クロスゲイズ」などと呼ばれていた)、大量のバグが発生したり修正パッチが行われたり、更にはシナリオライターで代表取締役であるメイザーズぬまきち氏の問題発言(詳しくはこちらを参照)とも相まって、周囲から酷い反感を買うこととなった。
これらの件から、メイザーズぬまきち氏のシナリオライターとしての能力及び、代表取締役としての企業・スケジュールの管理能力も大いに疑問視された。
オーバーフローの母体である有限会社スタックは、メイザーズぬまきち氏の事実上のワンマン経営となっており、その弊害と言えるだろう。
『CrossDays』以前にも、幾度に渡る発売延期やバグ発生を繰り返してきたが、これらのオーバーフローのブランドとしての問題点はアダルトゲーム業界全体では頻繁に発生することである。
アダルトゲーム業界は創始以来から市場が狭く、また会社の殆どが数人程度の零細企業で、しかもスタッフの大半が経営に関しては素人であるクリエイターばかりであるため、企業としては全く機能していないブランドが多い。
そのため、品質管理やスケジュールなどが杜撰で、発売延期や大量のバグが発生するのは当たり前。
スタッフが少ないため、出入りの激しいのは日常茶飯事。
おまけに、会社のトップが経営に関しては他人事である場合が多い。
故に、コスト管理が乏しいせいで「エロを増やしたり、お金が入れば何とかなる」といういい加減な心構えでファンディスクやキャラクターグッズを販売することによって費用が更に重くのしかかる、結果として会社を立ち上げては直ぐに消えてしまうブランドは意外と多いのである(『D.C. 〜ダ・カーポ〜』シリーズで知られるブランドCIRCUSの曲芸商法は最もたる例)。
総じて、アダルトゲーム業界は市場の狭さに加え経営基盤が全く成立していない会社が業界の大半を占めており、且つ凄惨な状況が全く改善されていない。このことが20年以上にも渡って続けれらてきたのだから、背筋に冷たいものが走る(業界全般の悲惨さに関してはこれ以上書き切れないため、詳細はwikipediaで直接読まれたし)。
これらの観点から見れば、オーバーフローはアダルトゲーム業界の負の側面を端的に体現しており、これからアダルトゲーム会社を経営する上で反面教師となるべき会社だと言えるだろう。
さらに、かつて母体のスタックが『シスプリ』のゲーム版を手がけていたことから、とあるオーバーフロー作品で『シスプリ』のとあるキャラがオーバーフロー作品のキャラと血縁関係があることを示唆する形で登場している。
当然このような設定は『シスプリ』の版権元であるメディアワークス(現:アスキー・メディアワークス)が容認するはずもないので、「他社・他作品のキャラクターの私物化」としか考えられないだろう。
オーバーフロー側としては、あくまで単なるお遊びのネタ要素であり、オマージュの性質上寛容かつ大目にみて欲しいつもりなのだろうが、『シスプリ』ファンやアスキー・メディアワークス側にとっては単なるお遊びでは済まされない問題であるため、そのような言い訳が通るかどうかは別問題である。
『シスプリ』ファンの中には「関係ない『シスプリ』を勝手に変態血族の中に組み込んだのは許せない」と大激怒している人もいる上、オーバーフローがそのようなことを商業作品でやってしまった以上、アスキー・メディアワークス側が訴えれば即アウトなのは間違いないのだから。
(注:ジャンルは異なるが、某格闘ゲームで某漫画のキャラを露骨にパクったとあるキャラが登場し、後の作品で公式で無かったことにされてしまった事件が存在している)
近況
2012年2月、オーバーフローは同年4月下旬に発売される『ShinyDays』をもって解散することを発表した。
これまで数々のファンを裏切ってきた分の報いを受けることになった。
『ShinyDays』発売後の2012年5月25日、メイザーズぬまきち氏はサイゾーのロングインタビューで「会社が宗教団体に乗っ取られかけたことも……」と語っていた(詳しくはこちら)。
しかし「有限会社スタック」そのものを清算したわけではなく、オーバーフローブランドを解散しアダルトゲーム市場から撤退したものの、ファンディスク程度の軽い作品はリリースしたいという意向を示している。