「この俺を誰の息子だと思っているのだ！」
概要
声：野島裕史/スーツアクター：清家利一
宇宙帝国ザンギャックの地球侵略における司令官であり、皇帝アクドス・ギルの息子。
傲岸不遜な物腰で、父の権力を傘に着たような言動が目立つ。しかし自らのピンチの時にはうろたえてしまう小心者でもある。故に人徳は皆無でギャグ的要素も強い。『スーパーヒーロー大戦』で、かつての宿敵キャプテン・マーベラス配下になった際も彼から叱責を受けている。
(実際第11話でジョー・ギブケンに「皇帝のバカ息子」呼ばわりされた時、ワルズ本人は憤慨していたが、部下たちは誰1人として反論していない)
しかし悪役らしい冷酷な一面や一軍の将らしく知恵の働く一面もあり、第17話でこれが顕著。いつもゴーカイジャーに阻止されているとはいえ、成功すれば被害は大きかったと思われる作戦も意外に多い。
金銭関係にも神経質で(恐らく一億ザキン分ある紙幣の中で)一人一枚分のザキン紙幣が無くなってるのに気づいた（「大事なお金」と本気で明言していたので、金銭感覚に関しては案外しっかりと躾けられていたのかもしれない）。
自分がバカ息子であることは自覚しており、加えて子供の頃から皇帝の重臣たちに囲まれていたせいかかなり鬱屈とした感情をため込んでいた。それもあって唯一の忠臣であるバリゾーグに「お前が居なければ俺は一人だ」と疎外感と孤独感の強い一言を打ち明けている。
またダマラスとインサーンが内心自分を蔑視していることも完全に見抜いていた。
外見
青と白を基調とした服装をしており、頭部は波を切って進むクルーザーのように見える。
第37話で父親のアクドスが登場したが、風貌はあまり似ていない。
デザインモチーフは『超新星フラッシュマン』の敵幹部、レー・ワンダ。
対人関係
参謀長ダマラス
何かと付けて自分を諌めるため、あまり良い感情は持っておらず、その度に反発する。
一方のダマラスも第4話で行動隊長ゾドマスが剣技でウサギに切ったリンゴにワルズが御満悦した時に「子供騙しの小技は必要ない」と言い、17話での作戦失敗のショックで倒れたまま寝込んだ件に関して「いない方が静か」とまで言っており、日頃の彼の態度に手を焼いているようである。
しかし、14話でワルズが事の一部始終の酷さに頭を抱えた末に目眩を起こして倒れた際には慌てて駆け寄り、29話では作戦失敗のショックと風邪のダブルパンチでワルズが一気に重体になった際には非常に取り乱していた。そしてワルズ戦死後、アクドスに出撃を許された時は仇討の念に燃えてゴーカイジャーを圧倒、壊滅寸前まで追い込んだ。
実は当のワルズは彼が父の勅命で自分の参謀となった時点で自分を軽蔑していることに気づいてた。幹部の中で唯一彼だけが前線に赴いていないが、これもワルズが出陣を禁じていたものと思われる。
開発技官インサーン
インサーンは妖艶な物腰でワルズに媚びているが、ダマラス同様内心では見下している。
しかし、前線の指揮を任される等、ダマラスほど嫌われてはいないようである。
14話でのひどい公私混同ぶりに、ワルズが普段の自分を棚に上げて頭を抱える描写がある。
第22話以降、ワルズの行動や降りかかったアクシデントの巻き添えで酷い目にあうことが多くなった。
特務士官バリゾーグ
作戦練り直しの時に同伴させるなど、唯一全面的に信頼している描写が見られる。
感情が乏しいため、第11話では他の面々と同様ワルズがバカ息子と呼ばれた際には否定しなかったものの洗脳により他の幹部と異なり、ワルズには忠実である。
その忠実さは第30話でワルズが戦闘力以上に評価したほど。
誰一人信じることのできなかったワルズにとっては、文字通り心を許せる唯一の存在となっている。
兵士ゴーミン
司令室で働く者は、よく八つ当たりされている。
下士官スゴーミン
ある作戦で使用された札束から小額の紙幣を横領するが、上記の特技でワルズがそれに気づいたため逃走。ワルズは怒声を上げながら追いかけて行った。
皇帝アクドス・ギル
ワルズは皇帝に自分を認めさせたいと思っているようである。
皇帝の方はワルズの台詞や皇帝直属の親衛隊長をワルズの下に派遣した描写から察すると意外と息子に甘いのかもしれない。
またダマラスのような実力者をワルズの参謀として直々に任命したり、第37話で送ってきた決戦機が、胸部がワルズの顔を模してて更に名前がグレートワルズという衝撃のデザインとネーミングなのでかなりの親バカの可能性もある。
大科学者ザイエン
シド・バミックを改造してバリゾーグにした張本人であり、そのバリゾーグをワルズ・ギルに献上した。
自分用の 兵士（バリゾーグ）造ってくれてたからか結構気に入っていたようで、彼が死んだ時は嘆いた。ザイエンの方もバリゾーグを重用し、自分のことを信頼してくれるワルズに対して蔑視の感情を見せていなかった。そのためバリゾーグ以外の自身の臣下及び、父の重臣連中の中では例外的に良好な関係だった事がうかがわれる。
主な行動
第1話で海賊戦隊ゴーカイジャーによって全滅した先遣隊の存在を揉み消し、ゴーカイジャーを「チンケ」「ハエ以下」と侮り、それをダマラスに咎められると逆上した。
第3話で侵略作戦実行中の行動隊長サラマンダムと偶然遭遇したゴーカイジャーに激怒、サラマンダムにゴーカイジャー抹殺に作戦を変更させる。
第5話でゴーカイオーが投げたミサイルが艦隊に被弾し、ひどく怯える。
第11話で自ら地球に降りる。しかしジョーに罵倒され、バリゾーグにより重傷を負ったマーベラスに銃で撃たれ、流れる血を見て取り乱して撤退する。
第17話では自分に反抗的な行動隊長アルマドンのバリヤー強化装置である首輪に爆弾を仕掛け、首輪を攻撃させる事でアルマドン諸共ゴーカイジャーを斃そうとした。
ワルズ・ギル様マジ悪過ぎる。
とは言え今までの彼に比べればまともな作戦ではあった。しかしゴーカイシルバーによって見破られており、彼によって外された首輪だけが爆発する羽目になった。この後渾身の作戦が失敗した事で気絶している。
第19話の「地球人骨抜き作戦」（病み上がりの状態で一人で立案した）や第22話の「小惑星引き寄せ作戦」（行動隊長が倒された時点で作戦が失敗することに唯一人気づき、大急ぎでフォローした）など、徐々にではあるが戦略眼を身につけているようである(但しいずれもシルバーによって失敗しており、19話では作戦実行の行動隊長ウオーリアンが斃された時は「もうどうでもいいや」と無気力になっていた)。
第30話ではザイエンと再会した際の思い付きと、割と理に適った理由でバリゾーグ量産計画を即興で発案した。
第36話では地球に攻め込んだババッチード率いるガイアーク相手に部下を引き連れ応戦。勿論、自分たち以外の侵略者に地球を征服されたくないからである
第37話にて見るに見かねた父から送られた決戦機・グレートワルズで出撃を決意。ダマラスたちや父の重臣たちの鼻を明かすために唯一信頼できるバリゾーグを連れて登場し、ゴーカイジャーに恭順の意思なしと判断するやグレートワルズに搭乗。グレートワルズの圧倒的過ぎるパワーとスピードに物を言わせてゴーカイオーの連勝記録に見事ストップをかけた。
第38話では、ゴーカイジャーを倒した記念祝賀会を開くが、その途中バリゾーグの訃報を聞いて弔い合戦にと再度出撃。マジゴーカイオーやハリケンゴーカイオーを圧倒するが、ゴーカイジャーの大いなる力で発動したカンゼンゴーカイオーには力及ばず、グレートワルズともども爆死してしまったのだった。
劇場版作品「空飛ぶ幽霊船」では、ゴーカイジャーより先にどんな願いもかなえる秘宝「ゴッドアイ」を入手して地球侵略を達成すべくバリゾーグとインサーンら出撃させたが、その部隊が幽霊船への上船に失敗したために計画がとん挫。ゴーミンへの八つ当たりをして出番終了。
スーパーヒーロー大戦においては本編では叶わなかった父アクドス・ギルとの共闘を見ることができる。複数のヒーロー相手に渡り合ったり、巨大化して暴れるなど、ゴーカイジャー本編では見せなかった肉弾戦をみせている。ビッグマシンの暴走に巻き込まれて退場したが、ヒーロー側の攻撃によっては倒されていない
台詞
「ち…血だ！…今まで父上に叩かれた事さえ無かったのに！」
「バカバカバカバカ！」
「俺は一人だ。……お前がいなければな」
