概要
神那ニコと瓜二つの姿をした魔法少女。
イーブルナッツ、魔女モドキ、ユウリによるかずみの誘拐、双樹姉妹の襲撃など、プレイアデス聖団の計画とは別に起こったイレギュラーな事件を裏から操っていた張本人。実は第9話から既に登場していながらずっとニコに成りすまし、第18話にて遂に本性を現した。
その正体は、ニコの願いによって生み出されたもう一人のニコ。
元々はニコが自分が得られることのなかった幸福な日常に生きる『if』の自分として作り出した空想の存在だったが、魔法少女になる際の契約の願いによってその存在を実物として具現化され、魔法少女となったオリジナルの代わりに日常を幸せに生きるよう本名である「聖カンナ」の名を譲り受けた。
当初は自分がコピーである事も知らずニコ本来の家族の元で幸せに暮らしていたが、飛鳥ユウリが魔女化した時に偶然その場に居合わせており、プレイアデス聖団と自らのオリジナルを目撃する(この時は陰から隠れて見ていただけで直接遭遇はしていない)。
その直後にジュゥべえからオリジナルの存在と、自分自身がコピーである事を知らされ、自身が今まで生きてきたこと全てがニコに与えられた設定の中でしかなかったのだと激昂し、オリジナルであるニコに激しい憎悪を抱くようになる。ニコへの復讐の為に契約し、その願いで得た能力でプレイアデス聖団の実態と彼女たちが行おうとしている計画を知る。
自分と同じ人造人間であるかずみの存在を知ったときは同類が出来ると歓喜したが、同時に身勝手に命を生み出す聖団への憎悪も生まれ、復讐の対象をニコからかずみを除く聖団全員へと拡大させた。
聖団を疲弊させる目的でイーブルナッツを作りだし、ユウリと双樹を唆し聖団にぶつけるように仕組み、ニコが魔女化して死亡した際にニコを演じ悠々と一同の前に現れて何食わぬ顔で聖団の中に入り込んだ。この時ジュゥべえが言っていた『予備』とは倒れた遺体ではなく、カンナを指しての言葉だった。(正確には予備ではなくif、なのでこの表現は間違っている)
魔法少女姿はニコの物とはデザインが違い、服の前面にはヒュアデス星団の星座を象った模様が象られている。しかし、すり替わってから一度も変身する場面が無かったため周囲には気づかれなかった。
服のカラーは20話冒頭のカラーページではダークグリーンにも見えたが、その後発売されたコミック最終巻の裏表紙にて、純粋な黒のカラーであることが判明した。
カラーページではよく見るとかずみの黒髪なども同じように若干緑掛かっていたため、単純にこのページでの色合いよるものだったと思われる。
ニコを演じていた際は聖団全員が気付かないほど完璧に普段のニコの口調や仕草で振舞っていたが、
少し前まで普通の少女として過ごしていたためか本来の性格ではニコよりも感情の起伏が意外と激しい。
唯一の同類ということで本性を現してからはやたらとかずみに対してのアプローチも多く、場面によっては百合とも取れるような表情や仕草もしている。もっとも当のかずみからは当たり前ではあるが普通に拒絶されていた。
変身後は胸元にソウルジェムが装着されるが、目立たないよう加工されている。また、ニコと同じ場所(首の裏)に予め魔法で作ったダミーのソウルジェムを装着しており、19話では「トッコ・デル・マーレ」によってソウルジェムを抜こうとした海香を欺き「お前らに弱点を見せびらかすかよ」と発言したことから、見た目上では完全にどこにあるかはわからないようにしているらしい。それは自分の身を守るための、魔法少女なら本来取るべき当たり前の防御策を忠実に実行したとも言える(軍隊が防弾チョッキを着るように)。
「命を人工的に生み出す」という自然界にない倫理観への憎悪、普通の人間にとって心臓を守るに等しいソウルジェムの防護という発想を持つ点では、本作品の登場人物としては極めて常識人である一面を持っているとも言えよう。また、単純な幸せをシンプルに享受できなかった事は、繊細な心を持っている証拠でもある。
彼女の願い事
「コネクト」
詳細は戦闘スタイルにて
ソウルジェムの色は不明。シンボルマークは六角形を二つ8のように組み合わせたもの。変身後の位置は胸元
戦闘スタイル
“ コネクト ”
契約の際の『相手に気付かれずに接続できる力が欲しい』という願いによって生まれた力。
(実は願いそのものが直接具体的な能力として指定されているのは何気に珍しいケース)
ケーブルのようなものが指先や背中から伸び対象と接続することができ、それを相手に気付かれることは全くない。
接続した場合、その対象の位置や行動、記憶や感情、さらには使える魔法すらも読み込むことが出来、対象の魔法をそのまま自分がコピーする事も可能。魔女に接続した場合はそのまま自分の手駒として操ることも出来、19話では無数の魔女を従えて海香とカオルの二人を圧倒した。一度に複数の対象に接続も可能で、ニコの再生成と海香の分析魔法を組み合わせることでイーブルナッツを作り出していた。
ニコが死亡した後も再生成を使えたことから、一度コピーした魔法は対象者がすでに死亡していても使用が出来ると思われる。ただし最初から聖団全員の魔法を使えるかずみに接続していた可能性もあるが。
しかし、一度接続するだけでコピーが出き、それを相手に確実に気付かれずに行える以上、聖団以外の魔法少女の能力もほぼいくらでもコピーできると考えれば、その応用性の高さは全体的にトリッキーな能力の多いかずみ☆マギカの魔法少女の中でもずば抜けて凶悪な力となる。また、このケーブルは鞭のようにして敵の攻撃を打ち払うこともできる。
余談だが、知ってのとおり『コネクト』とは本編である『まどか☆マギカ』のオープニング曲であるが、本編におけるある種の希望のイメージの象徴でもある曲名が、本作での事実上のラスボスの能力名として出てくるとは、中々に皮肉な話とも言える。
最終目的
自分を『偽物』として生み出した人間たちへの復讐の終着点は、『本物』である人類を滅ぼし、自分たち『偽物』の人造人間が新たなる新人類として成り替わること。
その為の材料としてプレイアデスの行ってきた魔法少女狩りとは別に、『ヒュアデス』という名を使って大量の魔法少女たちを集めていたと思われる描写。
「人間(ヒューマン)と似て非なる新人類に名付けるならヒュアデス!!
プレイアデスの異母姉妹の名こそ 私たちにふさわしい!!」
変身前でのニコとの違い
実は変身していない状態の彼女とニコには指輪状態のソウルジェムの位置が違う。
ニコは右中指、カンナは左中指。ニコは2巻収録第7話の「ピックジェムズ」であやせに向かって「名前が必要なのは君の墓石だよ」といっているコマ。カンナは3巻収録第9話「レイトウコ」でニコの死体に向かって「選手交代」と言っているコマで確認できる。
関連タグ
優木沙々(同じく、魔女を操る能力持ち)