概要
初登場は第3話ラストに姿のみ。第4話から正式に物語に参加する。 里美曰く主人公かずみを始めとした作中の魔法少女チーム「プレイアデス聖団」と契約した妖精。里美からは「べえちゃん」(ただし本人からは不評)、ニコからは「べえやん」と呼ばれている。読者からはこの愛称か、QBにならって『JB』と表記される(逆に「べえやん」にならってかキュゥべえのことを「べえさん」と呼ぶ人も少数だがいる)
特徴
キュゥべえに酷似した姿をしているが、全体的に色は黒を基調とし、リングのついた触手は耳からではなく首元から生え、グリーフシードを取り込む第二の口が額にあるなどの違いがある。また、眼の形もキュゥべえと比べ若干縦に長い。
一人称は「オイラ」で「〜だぜ」口調で話し、(良くも悪くも)無垢であどけない少年のような口調のキュゥべえに比べてやや粗暴でやんちゃな印象を受ける。
なお、よくニコに一緒にいる描写が目立つ。
能力
キュゥべえと同じく、少女と契約し願いを叶える代償として魔法少女にすることが4話で語られる。また魔女の卵であるグリーフシードを摂取する。さらに、まどか☆マギカではグリーフシードに移していたソウルジェムの穢れを自分自身に吸収できるという能力を持つ。しかもプレイアデス聖団全員分のジェムを一度に浄化することも可能。しかし、13話でニコのソウルジェムが一切濁っていない状態から魔女が孵化していたという事実が判明して以降、この浄化能力にも徐々に疑問が出始めていた。
なお、グリーフシードは食べられるが作中に登場するグリーフシ-ドの模造品である『イーブルナッツ』は食べることは出来ずにスグに吐き出してしまう。本人曰く、かなり不味いらしい。
5話にてユウリのジェムを浄化しようと試みるが、ユウリに拒否され撃ち殺されてしまう。が、次の6話では何事も無かったようにピンピンしていた。一見、キュゥべえと同様のスペアによる復活とも思えたが、よく見ると血が落ちているので、ただ単に当たり所がよく、動けない怪我ではなかっただけと思われる。
なお、後にジュゥべえはキュゥべえのような十派一絡げではなくオンリーワンであり、彼に他の体は存在しないことが発覚した。
キュゥべえとの関係
プレイアデス聖団を的確にサポートするマスコット役を全うしているものの、ジュゥべえ自身の正体や目的は長らく謎のままであった。その名前や姿からキュゥべえとなんらかの関係があると思われ、現に第4話冒頭ではそのキュゥべえと並び立ち、共にプレイアデス聖団(及びかずみ)を観察するような描写がされている。その際にキュゥべえから「プレイアデス」と言われているが、これは聖団ではなくジュゥべえの本名なのでは?という考査された(後にジュゥべえにはややツッコミどころがあるもののちゃんとした正式名称が判明し、聖団を指して以外に「プレイアデス」という呼称は使われていないためそうではないことが判明した)
キャラクター
初登場は3話の最後。この時はセリフもなく、魔女を倒したばかりの聖団を見つめていた。4話にて、上記のシーンの後にかずみたちの前に姿を現す。この時、「猫が喋った!」と驚くかずみに「オイラはネコじゃねえ」と返した。里美に上記の通り聖団と契約した妖精であることと、ジェム浄化能力を読者に披露した後、ユウリの攻撃に逸早く気づいた。
かずみがさらわれ、憤慨するみらいの後ろで黒猫のトトとじゃれあっていた。…そんな場合ではないと思うのだが…。
5話にてジェムが限界を向かえたユウリ様のジェムを浄化しようとするが撃たれるも死んではおらず、6話で無事な姿を披露(撃たれたケガがあるのでキュゥべえのように別個体ではないことがわかる)した際にユウリの魔女化を「理屈はわかんねぇが」「ジェムが暴走し魔女になる魔法少女が」と明らかにキュゥべえならしないような言い回しをしている。本当に彼自身は知らないだけなのか、キュゥべえとは違い明確に嘘をつけるのか···。
7話「ピックジェムズ」と8話「テンプラアイス」ではあやせとルカとの戦いでは完全にかずみとニコの味方すると、本編での描写を見る限り魔法少女同士の戦いには新しい契約を結べそうな場合以外は口を挟まないキュゥべえとは違うスタンスを見せ付ける。
しかし10話にて、「ソウルジェムを魔法少女の本体。魔力の源でたる『魂』それを効率的に運用するために身体から抜き、ジェムという形に結晶させる。それがオイラの役目ってわけだ」と邪悪な笑みを浮かべながら説明している。また「ジェムが肉体を制御できるのは半径100m程度。その中でなら魔法少女は無敵だ」と、口調こそ違えど、奴のセリフをとても邪悪な笑顔でも説明する。しかも「無痛で戦う事も可能」と説明する時はキュゥべえのような無表情だった。
海香が見せた過去の映像では口調はそのままキュゥべえだった。
「だからボクと契約して魔法少女になってよ!」
しかし魔法少女はやがて魔女になる理由とそうする目的を話したあと、
「この国では成長途中の女のことを少女って呼ぶんだろ?だったらやがて魔女になるキミたちのことは魔法少女と呼ぶべきだよね」
と、カオルに胸倉を掴まれた状態で説明した。その次の瞬間、海香に記憶を改ざんされていまの言動となり、二度と契約をおこなわずに聖団に従属するようになった。
しかしその後、「レイトウコ」で限界に達したかずみのソウルジェムを浄化しようとしたその時なぜか身体が崩れ始め、戸惑う自分に駆け寄ったかずみに「チャオ(さよなら)」と言い耳のリングとグリーフシードの残骸を残して消滅する。
そしてその瞬間、海香とカオルのソウルジェムの表面が剥げ落ち、その下から濁ったソウルジェムが姿を現した。
キュゥべえの後継機、眷属、別目的の為の試験個体、キュゥべえ達とは別惑星の敵対種族など、様々な考察が行われていたが、現時点ではいずれも推測の域を出なかった。話が進むにつれて、次第に不審な言動が増えてきた彼の今後もまた、物語の行方と同じく気になる要点であった。
また回想ではあるものの、11話で魔女から救われたさいに後の聖団の前に現れたシルエットだけの時は誰がどう見てもキュゥべえだった。また同じく回の回想だが、あの人気キャラと一緒に行動してるシーンがあるため過去の映像のジュゥべえはキュゥべえが置き換わったものと説が浮上。
さらにジュゥべえに関する現在もっとも有力な説は、なにかの目的で魔法少女に創られた。というものである。この説は19話でのキュゥべえがそうとれる発言をしているため信憑性は高い。そして21話「ジュゥべえ」にて、その正体が発覚した。
詳しくは下記の正体にて。
正体 ネタバレですので閲覧注意
その正体は「レイトウコ」「箱庭」と同じく聖団(というかニコ)がインキュベーターによる魔法少女システムを否定するための三つの策の一つ。
上記の過去の映像でのジュゥべえは「実はキュゥべえなのでは?」という説は正しく、過去に聖団と契約したのはキュゥべえだった。そして、魔法少女システムの真の意味を知った時に、記憶を書き換えて聖団に従属するようにとしたシーンも疑わしいという考えも正しかった。そもそも記憶を書き換えるシーン事態起こらなかった。
実際は、カオルから海香がキュゥべえをとりあげたまでは同じだが、記憶改変などせずに怒りに任せて壁にたたきつけ、槍で串刺した。そのことに「なにも殺さなくても」と暁美ほむらがキュゥべえを蜂の巣にした時の鹿目まどかのようなことを里美が言うが、海香は「もうこれで魔法少女は増えない」と語る。
しかしすぐに別固体のキュゥべえが現れ、自分が一つの意識を共有する群体であると説明し、聖団を絶望に落とし込む(この時の発言を聞くに、魔女化のことを知られて魔法少女に殺されるのは珍しくないようである)。だがそんな聖団の中でニコは、「じゃあ、これはもらっていくよ」と言って海香が殺したキュゥべえの死体を回収する。その死体とデータ化したグリーフシードをもとにニコが作ったのが、
「incubator verdependent 従属するインキュベーター。略してジュゥべえ」だった。
みらい「名前はともかくすごいよ、ニコ!」
上記でも書いたニコと一緒にいる描写があるのはおそらく彼女に作られたことが関係しているのだろう。
ジュゥべえの役割は2つ。1つは回収したグリーフシードの処理というキュゥべえ本来の役割。2つ目はニコによって新たにつけらえたソウルジェムの浄化機能で聖団のジェムの浄化すること。その能力にキュゥべえは「グリーフシードを使えばいい」と言うが、サキは「仲間の成れの果てを使ってまで生き残りたいとは人間は思わない」と返した。
こうしてインキュベーターに頼らない魔法少女システムは完成した……かに見えた。
キュゥべえ「君たちのジュゥべえは完全じゃなかった」
これはあくまでもキュゥべえの予想だが、彼らインキュベーターは、希望から絶望への相転換の際に発生するエネルギーを回収するのためだけの存在と言っても過言ではない。
その死体から作られたジュゥべえの本能がジェムの浄化など許すはずがなく、ジェムの浄化は表面加工を施す程度に終わるという…つまりは聖団のジェムは見かけはきれいだが中身は真っ黒な状態だった。これが通称ペリペリ状態の真実である。
それでも物語終盤まで魔女化せずにいられたのは、聖団自身が魔力消費を抑えていた事と、ジュゥべえが捕食したグリーフシードの残滓によって浄化は僅かでもされていたからであった。キュゥべえに一矢報いたはずの聖団だったが、結局はインキュベーターの手の平の上だった。もっとも”あくまで予想”と言ったところを見るとジェム加工はキュゥべえさえ予想していなかったようである。
前述の「ウソを言うシーン」も含め(正確には聖団の嘘だが)、ジェムの表面加工の件も加えると、ある意味では真に魔法少女を騙した存在とも言える。
もっとも、表面加工はジュゥべえが意図的におこなっていたわけではなく、ジュゥべえ自身は自分がちゃんと浄化できると思い込んでいた。
そんな彼を、キュゥべえは「もっと話(分析)をしたかった」と語る。
感情がないとはいえ、有史以前から活動していたキュゥべえに人工的とはいえ初めて出来た”違う自我を持つ同族”に対してなにか思うところがあったかもしれない。
余談
Pixiv上などでは二次創作として同名のキャラが何度か描かれてきた。
- キュゥべえの次だったらやっぱりジュゥべえとか···いや安易だな
- 白いキュゥべえの色違いだったらやっぱり黒ベースで···いや安易だな
- 性格は「僕」と対比して俺とかオイラとかでやんちゃな···いや安易だな
と誰もが避けつつあった設定を束にして大っぴらに踏み潰した手法に「そのまんまじゃねーか!」という感嘆の声が上がった。多少の差異はあれどまさか公式(スピンオフではあるが)で出てくるとは···。
さらに余談
かずみ☆マギカに登場する彼やキュゥべえの顔は、基本的にアニメ版の無表情を基準としている(特にキュゥべえは本編並みにかなり怖い)。ジュゥべえの場合は自我がハッキリしている分、不気味な表情もするがかわいい時は非常にかわいい。
かずみがユウリ様に誘拐された時の黒猫のトトとじゃれあっている姿や、特に双樹姉妹戦ではニコは魔法の説明時、ニコに「ピッチ・ジェネラーティってどういう意味?」と問われた時や、ピッチ・ジェネラーティに何度も吹っ飛ばされているかずみを見ている時や、「『アッチャツメタイ』は成立する」と言っている時や、こけて「いったあ〜」となった時、決着がついた時の表情やかずみの頭の上でとるポーズなど、始終愛くるしい表情やポーズなどをとっているので、興味のある方は見てみると良い。
ちなみに笑った際には口元に牙が見え、双樹姉妹との戦いにおいてもこれでニコとかずみの攻撃タイミングを合わせる為に噛み付いたりしていたが、前述のとおりジュゥべえの体は元々キュゥべえをベースとしている。つまり、いままで細かく描写はされていなかったが、実はキュゥべえの口にはしっかり牙が生えているという可能性がある。
しかも実際に見ればわかるが、この牙、普通に鋭い。(実際に咬まれたかずみとニコの手から血が出ている)もしキュゥべえにもあるとするとアニメ本編においてキュゥべえがまどかから弁当を分けて貰う時、ほむらに撃ち抜かれた自分の死体をきゅっぷいする時もこの牙で咀嚼していたと考えるとまた違った見え方をするのではないだろうか。
マギアレコード
イベント「The_Cuddly_Despairs」の前半部分の終盤で登場。