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この記事には『魔法少女かずみ☆マギカ』4・5巻の重大なネタバレを含みます

概要編集

 神那ニコと瓜二つの姿をした魔法少女。

イーブルナッツ、魔女モドキ、ユウリによるかずみの誘拐、双樹姉妹の襲撃など、プレイアデス聖団の計画とは別に起こったイレギュラーな事件を裏から操っていた張本人。実は第9話から既に登場していながらずっとニコに成りすまし、第18話にて遂に本性を現した。


 その正体は、ニコの願いによって生み出されたもう一人のニコ。

元々はニコが自分が得られることのなかった幸福な日常に生きる『if』の自分として作り出した空想の存在だったが、魔法少女になる際の契約の願いによってその存在を実物として具現化され、魔法少女となったオリジナルの代わりに日常を幸せに生きるよう本名である「聖カンナ」の名を譲り受けた。

変身前での指輪状態のソウルジェムはどちらも中指に装着しているが、ニコは右手でカンナは左手と逆になっている。これは彼女がニコの裏とも言えるような存在であるため。それぞれの位置は第7話であやせに「名前が必要なのは君の墓石だよ」と言うコマと第9話でニコの死体に「選手交代」と言うコマで確認できる。


 当初は自分がコピーである事も知らずニコ本来の家族の元で幸せに暮らしていたが、ユウリが魔女化した時に偶然その場に居合わせており、プレイアデス聖団と自らのオリジナルを目撃する(この時は陰から隠れて見ていただけで直接遭遇はしていない)。

その直後にジュゥべえからオリジナルの存在と自分自身がコピーである事を知らされ、自身が今まで生きてきたこと全てがニコに与えられた設定の中でしかなかったのだと激昂し、オリジナルであるニコに激しい憎悪を抱くようになる。ニコへの復讐の為に契約し、その願いで得た能力でプレイアデス聖団の実態と彼女たちが行おうとしている計画を知る。

自分と同じ人造人間であるかずみの存在を知ったときは同類が出来ると歓喜したが、同時に身勝手に命を生み出す聖団への憎悪も生まれ、復讐の対象をニコからかずみを除く聖団全員へと拡大させた。


 聖団を疲弊させる目的でイーブルナッツを作りだし、ユウリと双樹を唆し聖団にぶつけるように仕組み、ニコが魔女化して死亡した際にニコを演じ悠々と一同の前に現れて何食わぬ顔で聖団の中に入り込んだ。この時ジュゥべえが言っていた「予備」とは倒れた遺体ではなく、カンナを指しての言葉だった。(正確には予備ではなくifなので、この表現は厳密には間違い)


 魔法少女姿は服の前面にはヒュアデス星団の星座を象ったデザインのもので、ニコのものとは完全に異なる。しかしすり替わってから一度も変身する場面が無かったため、周囲には気づかれなかった。

服のカラーは20話冒頭のカラーページではダークグリーンにも見えたが、その後発売された最終巻の裏表紙にて、純粋な黒色であることが判明した。

カラーページではよく見るとかずみの黒髪なども同じように若干緑掛かっていたため、単純にこのページでの色合いよるものだったと思われる。


 ニコを演じていた際は聖団全員が気付かないほど完璧に普段のニコの口調や仕草で振舞っていたが少し前まで普通の少女として過ごしていたためか本来の性格ではニコよりも感情の起伏が意外と激しく正体を現してからは妙にハイテンションである。幼少期にアメリカで過ごしていたニコの複製であるためか(当のニコはそうでもないのに)英語を多用する。案外ユウリ様とは気が合ったのではないだろうか。

唯一の同類ということで本性を現してからはやたらとかずみに対してのアプローチも多く、場面によっては百合とも取れるような表情や仕草もしている。かずみからは普通に拒絶されていたが。


 変身後は胸元にソウルジェムが装着されるが、目立たないよう加工されている。また、ニコと同じ場所(首の裏)に予め魔法で作ったダミーのソウルジェムを装着しており、19話では「トッコ・デル・マーレ」によってソウルジェムを抜こうとした海香を欺き「お前らに弱点を見せびらかすかよ」と発言したことから、見た目上では完全にどこにあるかはわからないようにしているらしい。それは自分の身を守るための、魔法少女なら本来取るべき当たり前の防御策を忠実に実行したとも言える。


 「命を人工的に生み出す」という自然界にない倫理観への憎悪、動物にとって心臓を守るに等しいソウルジェムの防護という発想を持つ点では、本作品の登場人物としては一般的な感性を持っているとも言えよう。また単純な幸せを享受できなかった事は、繊細な心を持っている証拠でもある。



 ソウルジェムの色は不明。シンボルマークは六角形を二つ8のように組み合わせたもの。変身後の位置は胸元

戦闘スタイル編集

願い事そのままに、“コネクト”


 契約の際の『相手に気付かれずに接続できる力が欲しい』という願いによって生まれた力。

(願いそのものが直接具体的な能力として指定されているのは珍しいケース)


 ケーブルのようなものが指先や背中から伸び、相手に一切気取られずに対象と接続することができる。

接続すればその対象の位置・行動・記憶・感情・使える魔法を読み込み、それをそのまま自分が使用可能。魔女に接続した場合はそのまま自分の手駒として操ることも出来、19話では無数の魔女を従えて海香とカオルの二人を圧倒した。

一度に複数への接続も可能で、ニコの再生成と海香の分析魔法を組み合わせることでイーブルナッツを作り出していた。

ニコが死亡した後も再生成を使えたことから、一度コピーした魔法は対象者がすでに死亡していても使用が出来ると思われる。ただし最初から聖団全員の魔法を使えるかずみに接続していた可能性もあるが。


 一度でも接続できればいつでもコピーが可能かつそれを対象に絶対に気付かれないというその性質は、聖団以外の魔法少女の能力もほぼいくらでもコピーできると考えられ、全体的にトリッキーな能力の多いかずみ☆マギカの魔法少女の中でもずば抜けて凶悪な力と言える。また、このケーブルはムチのように使って敵の攻撃を打ち払うこともできる。

さらにこのコネクトで魔女同士をつなぎ合わせてさらに巨大な魔女を作ることも可能で、これにより擬似ワルプルギスの夜とも言うべきヒュアデスの暁を作り出している。

最終目的編集

 自分を『偽物』として生み出した人間たちへの復讐の終着点は、『本物』である人類を滅ぼし、自分たち『偽物』の人造人間が新人類として成り替わること。


 その為の材料としてプレイアデスの行ってきた魔法少女狩りとは別に、『ヒュアデス』という名を使って大量の魔法少女たちを集めていたと思われる描写がある。


「人間(ヒューマン)と似て非なる新人類に名付けるならヒュアデス!!

プレイアデスの異母姉妹の名こそ 私たちにふさわしい!!」

──そして編集

 「さあ行こうかずみ。私と共に新しい(ネクスト)ステージへ」といい笑顔で言うが当のかずみからはイヤだと拒絶される。

かずみを奪おうと海香とカオルと戦いになるがみらいが死ぬ前に使ったラ・ベスティアで外道魔女を含んだ魔女の軍団を得たことと二人のジェムが限界だったことにより圧倒。

だが足場にしていたサキ魔女あすなろの昴がかずみの魔力を回復するために自死したことにより形成が一気に逆転。外道魔女以外の魔女軍団は瞬殺されカンナも外道魔女ごと貫かれる。

その後イノセントマリスからソウルジェムの浄化にはグリーフシードが必要と聞いたかずみが海香とカオルのためにグリーフシードを求めて外道魔女に倒す際に離脱。

結局は外道魔女はグリーフシードを落とさなかったがかずみのイヤリングにしまわれていたミチルのグリーフシードを使い海香とカオルのジェムの浄化する隙にレイトウコに残っていたソウルジェムを全て奪いあすなろタワーでそれを全て魔女にしコネクトでつないで擬似ワルプルギスの夜とも言うべき魔女ヒュアデスの暁(キュゥべえ命名)を作り出す。

これを使いかずみの居場所を終わらそうとするが魔法少女となったかずみとバージョンアップした海香とカオルによりヒュアデスの暁は倒される。

それでもなお戦おうとするがかずみがミチルのグリーフシードで彼女のジェムを使い(すでに限界ギリギリ海香とカオルのジェムを浄化していたためほんのわずかだけだが)浄化されたことにより冷静さを取り戻す。

「ニコはカンナを観察したかったんじゃない。カンナを本物の自分にしたかったんだよ」

「家族も涙も友達も本当の名前も全部カンナに託したんだよ」

「約束する。わたしはわたしの力の続く限りカンナが大好きだった人たちの笑顔を守るよ」

かずみの言葉がやっと届いたカンナは涙を流す。そして魔女になる前に自爆したのだった。


  かずみ、いつだって君の言葉はココロにくるね  ありがとう チャオ

余談編集

コネクト』とは本編である『まどか☆マギカ』のオープニング曲のタイトル。

本編においてある種の希望の象徴とも言える曲名が本作での事実上のラスボスの能力名として出てくるのは中々に皮肉な話。


そして、ソーシャルゲーム『マギアレコード』では各魔法少女のユニークスキル名。

故にカンナがこれのシステムに合ったプレイアブルキャラクターとして実装される場合、コネクトでコネクトを発動するという凄まじい光景が見られるだろう。


後の作品で、ほぼ同じ性質の固有魔法を持つ更紗帆奈天乃鈴音が登場したが、彼女達の固有魔法はコピーした能力は1つしかストックできないなどの大きな制約があり、無尽蔵に他人の固有魔法をコピーし続けられるカンナのコネクトがいかに強力だったのかがわかる。魔法少女になる以前から誰かのコピーだっただけに、対象の個性を奪うことに心理的な抵抗がないからだろうか?

またコピー系の固有魔法を発現する魔法少女は、全体的に自分の存在に何らかのコンプレックスを持っている傾向があり、何らかの悲劇に遭遇すると極端な復讐に走るリスクが極めて高い。

自己肯定感の低さや自身の存在意義の不安定さが、他人の個性を奪い取る固有魔法が発現する条件なのかも知れない。


関連タグ編集

魔法少女かずみ☆マギカ かずみ 神那ニコ

ユウリ様 双樹あやせ/双樹ルカ ジュゥべえ

プレイアデス聖団 コネクト イーブルナッツ ヒュアデスの暁


優木沙々:同じく魔女を操る能力を持つ魔法少女。ただしカンナの場合は、魔女を操る固有魔法を持つ若葉みらい宇佐木里美の能力をコピーしていただけの可能性もあるが。


ミュウツー:誕生の経緯や最終目標が似ているラスボス繋がり。ただ彼の場合は100%人間のエゴによって生み出されている。

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