更紗帆奈
さらさはんな
「理由?ないけど?いるの?」
「結果なんて…ふふ…知らないよぉ!」
本来は内向的で人と接するのが苦手な魔法少女。
家庭、学校において虐げられる立場に置かれてしまい、この世を憎んでいる。
契約後、ある事件に遭遇してから、さらに数奇な運命を辿る。
エキセントリックな性格だが、動物が好きという一面も。
(『マギアレコード』内アーカイブ「魔法少女」より)
セミロングの所々はねた紫髪の持ち主。小さく三つ編みを編んでいる。生い立ちのためかどこか病んでるような表情や言動を見せる。目にハイライトが入っていない時も多い。反面、興味のあることを話そうとすると、瞳に昔のマンガのようなキラキラ模様が入る。
自分にはなんの取り柄もないと自己評価は低く、諦観している節がある。語尾に「あっは!」と笑い声をつけることが多い。
瀬奈みことは帆奈を警戒心が強く、そして思慮深い性格と評している。
ただある出来事からそれらが少し壊れてしまっている。
ダークな色合いの魔法使い風衣装。武器はマンキャッチャー型の杖。
戦闘では暗色の紫電を杖から放つ。
ソウルジェムの形状は十字型に突起のついた球状。位置は首元のアクセサリー。
他人の能力を自身が使用できるようにする「上書き」の固有魔法を持つ。作中では瀬奈みことの「暗示」を使用していた。
便利な能力ではあるが、魔法少女になってから自分の能力に気づくまでの間は、何の魔法も使えない「白紙」の状態だった。
暗示の魔法を使える為なのか、コネクト・マギア・専用スキルの全てに、イベントストーリー内でも使っていた「相手を足止めできる状態異常付与」があるという凶悪な魔法少女。★5になると確実に付与できるようになり凶悪さが増す。
また精神強化にて「確率で拘束[Ⅱ]」の他、「敵状態異常時ダメージUP[Ⅱ]」「確率で防御無視[Ⅱ]」「確率でクリティカル[Ⅱ]」「確率で霧[Ⅳ]」等のアビリティ、スキルを付与できるので、敵が状態異常になると更に凶悪さが増す。
コネクト「あたしの言った通りにね!」
レアリティ | 効果 |
---|---|
★4 | 攻撃力UP[Ⅵ]& 敵状態異常時ダメージUP[Ⅱ]& 確率で魅了 |
★5 | 攻撃力UP[Ⅷ]& 敵状態異常時ダメージUP[Ⅳ]& 必ず魅了 |
マギア「ナイトメア・キャッチャー」
レアリティ | 効果 |
---|---|
★4 | 敵単体にダメージ[Ⅴ]& 確率で拘束(敵単/1T)& 攻撃・防御DOWN(敵単/3T) |
★5 | 敵単体にダメージ[Ⅶ]& 拘束(敵単/1T)& 攻撃・防御DOWN(敵単/3T)& 必ず回避(自/1T) |
メインストーリー
魔法少女ストーリー
更紗帆奈
2019年6月3日にストーリー公開された。
瀬奈みことの容姿はこれまで汎用グラフィックだったが専用のものに差し替えられている。
- 1話「更紗帆奈はかく語りき」
- 更紗帆奈は自嘲気味に語る。自身の半生を。彼女の家庭は飲んだくれの父親がDVを帆奈に奮い、母親は見て見ぬふりで助けてくれない。
- 両親が死んで施設に送られた帆奈の生活は改善されなかった。両親への反骨精神から彼女は正義のヒーローとしていじめに立ち向かったが、自分がいじめの標的にされ、助けた子にも裏切られてしまった。そんな時に出会ったキュゥべえに帆奈は願う。ヒーローのように誰かを救う資格は無く、むしろヒーローに倒される側としていじめっ子達の消滅を……。
- こうして魔法少女になった帆奈は、魔女結界で同じ魔法少女の瀬奈みことに助けてもらう。瀬奈みことは帆奈にひとりで戦うのは不安だから一緒に戦おうとコンビを組むことを持ちかける。決して強い魔法少女でなかった帆奈は内心、みことを利用して楽しようと思い了承する。
- 「……はは……もうどうでもいいけどね。ホント……なんか色々と……」
- 2話「更紗帆奈と瀬奈みこと」
- こうしてみことと組んで魔女狩りをするようになった帆奈。みことの固有魔法は「暗示」というものだった。敵に言ったとおりの行動を取らせられるみことの魔法に帆奈は驚くが、ある日、魔女の手下との戦いで不思議なことが起こった。帆奈もみことと同じ魔法が使えたのだ。
- 魔法が使えないと思っていた帆奈は、確信する。自分は他人の魔法をコピーすることが出来る、と。正確には意識して対象の魔法をコピーしたときだけ、一種類だけ使える。だが別の魔法をコピーしたら前の魔法は失われてしまう。みこといわく「上書きの魔法」が自分の固有魔法であると。
- みことの魔法が一番使い勝手がいいということで、帆奈はみことの魔法をコピーして使うことにした。そしてみことと「暗示の魔法」について一緒に研究することになった。
- ある日、みことと帆奈は大東団地の屋上で和泉十七夜と成り行きで一緒に戦うことになる。十七夜のことを警戒していた帆奈は十七夜に「自分達のことは忘れて」と“命じた”。すると十七夜の記憶から帆奈とみことの存在は消えてしまった。帆奈は暗示の魔法さえあれば、自分達は幽霊になれる、この世にいながら姿を消すことができると嬉しがる。
- いつのまにかみことは帆奈の中で大切な存在となっていた。二人でこの世界から姿をくらませようと帆奈は心の中で決意する。しかしその思いは結局みことには伝えることは出来なかった……
- 「いつだってこの世界はあたしに冷たいんだ……もう慣れたけど……」
- 3話「更紗帆奈に微笑みを」
- いつも通り大東団地の屋上で魔女を倒した時に、その時はやってきた。みことのソウルジェムの穢れが溜まりすぎて、彼女は魔女へと変化してしまったのだ。そこで帆奈は魔法少女の真実を知ることになる……。
- キュゥべえに話を聞いた帆奈は頭を何度も打ち付け、狂ったように笑い出す。並外れた身体能力を持ち、怪我してもすぐ治り、暗示の魔法で思いのままだと思っていた、そんな幻想を打ち砕くかのように。
- 嫌いで嫌いで仕方なかった世界から魔法少女になったことで抜け出せたと思っていたのに、待ち受けている結末を知った帆奈は笑い狂い、「どうせなら楽しんで、思いついたことを全部やって弾けたい」とキュゥべえに語る。手始めに魔女となった瀬奈みことに「団地にいて、災厄を振りまいて楽しく暮らせ」と言う。魔女を飼って、適度に仲良くなって適度に狩ることにすると。
- と、いう話を立ち耳の魔女に語り、「面白いこと」を魔女に告げる。これでまたぐちゃぐちゃになる。そう言い帆奈は笑い続けるのであった……。
- 「あたしのことなんて忘れていいよ。こっちも好きにやりたいしさ……」
瀬奈みこと
第1話終盤以降からみこととの親交、そして彼女の魔女化を目撃する様子を描く。
みことからの評価としては趣味嗜好の相性が合わない物の、明晰な頭脳や洞察力を持っていることが語られている。
そして第3話終盤、帆奈は展望台で何やら計画を立てており……→以降サヨナラ・ストレージへ。
期間限定イベント
- 直接は登場しない。エピローグでキュゥべえと会話するシーンがあるものの、姿は見せず、台詞も一切なかった。キュゥべえ曰く「混沌」。
- 終盤にて満を持して初登場。「そしてアザレアの花咲く」の一件と今回発生した一連の事件の首謀者であることが判明した。
ネタバレ
『魔法少女は魔女になる』という事実に絶望した帆奈は暴走し暗示の魔法を使って、数体の魔女を『飼育』し、自らも魔法少女を襲撃し他の魔法少女達に疑心暗鬼を生じさせた。
引っ越してきたばかりの魔法少女には悪夢が見易くなる暗示を掛けて暴走・孤立を助長させ、自身と面識があった魔法少女には思い出せなくなる暗示を、嵌めたい仲良し3人組には意志に反した言葉を口にするという複雑な暗示を掛けていた。
だが自身の存在を隠し通すつもりは無く、寧ろ『自分が犯人役のゲーム』なので早く見つけて欲しかったとのこと。因みに散花愁章は難度イージーらしい。(サヨナラ・ストレージで帆奈自身の手で自分が犯人だとわかるように証拠を残しておいたことが明らかにされた)
敢えて派手に動き回った甲斐があったというべきなのか、ななかの「飛蝗」を追求する能力の鋭さと、十七夜以外の心を探れる魔法少女の存在、そしてみたまの(調整の能力の応用で強引にだが)魔法を解除する技術により、希望通り存在を暴かれた。
だが今度は「反撃有りの鬼ごっこ」をしようと言いだす。…激昂する"被害者たち"に魔法少女そのものが性質の悪い冗談だとうそぶき、御丁寧に「百数えないと動けない暗示」を掛けてから。
「鬼ごっこ」終盤、激怒したななかに追い詰められ今回の事件を起こした理由を問い詰められる。帆奈はこの世の全てを滅茶苦茶にしてやりたいと答え、ななかから「貴女が魔女じゃないですか」と非難されるも態度を変えず。これから先、何か色々と始まりそうな事を予言した後、自らソウルジェムを砕いて自害した。
事件後、十七夜がななかから聞いた内容によると、この一件は「(帆奈が)錯乱した上で自死の暗示を自らにかけた」と、他の魔法少女には説明することにした。ソウルジェムが破壊される事で魔法少女が死ぬ「事実の重さに耐えられない人も出るだろう」事を恐れた、「常盤君の判断」による隠蔽だった。
帆奈の遺体は、密かに発見しやすい場所に移した上で、ななかが警察に通報した。警察は事件性を疑って捜査を行ったが何も発見することは出来なかった。
魔女化し人格のみの存在となったみことと再会。彼女の破滅願望を知り、自由になるべく全てを台無しにしようと提案。各地であらゆる物、特に家族関係や学校を台無しにしつつ、物語は上記の散花愁章へと続く。
なお魔法少女になった後は誰も居ない家を転々として暮らしていた。
みことの希望もありグリーフシードを集めている時に帆奈は自分は魔女にはならない、その前に倒されるのだと語る。
今や自分が悪意の権化となっているのにその自分が倒されず魔女化したのなら、世界は悪意がまかり通ることになる。そんな所に瀬奈がいたらきっと生まれ変われないと。
自分はもう世界に絶望しかないがひとつだけ希望があり、それは瀬奈をこの町の人間全体…世界中の人々に瀬奈の存在を気づかせ、瀬奈の新しい人生をお祝いしてくれる事。その為の計画を進めていると。
ある時瀬奈の姿が消失してしまう事態が発生する。自分の魔力を分け与えることで回復するが、そこで消失している期間の記憶がない事、瀬奈の人格は常時魔力が消費することが判明する。
魔力を分け与えつつ、計画の為に暗示を使い続けることで更に魔力は消費し、グリーフシードは底を突きかけていた。
自らの限界が近づいているのを感じ取りながら、あちこちの家庭に寄ってはある日に照明を消すよう暗示をかけて回っていた。そしてみことにその真意を語らないままななか達と対峙するに至る。ななかがとどめを刺さなかったこともあり、最期にみことの「移植の魔法を」をコピーしみことの人格をその場にいる魔法少女に移植し、自らソウルジェムを砕き自害した。
しばらく後、帆奈の計画のXデーで、アリナに宿っていたみことが展望台から街を見下ろすと、街の明かりが「HAPPY BIRTHDAY」の文章になっていた。それはせめてみことには美しい世界を見てほしいと願った帆奈が遺した思いだった。
現代編の3話で瀬奈みことの本の中に登場する。
ピュエラ・ヒストリアの後の話。いろはの中で魔力を溜め続けたみことがねむの身体を乗っ取り、自ら作った混沌のヴィランのうわさを発動させた事でウワサとして複製される。
クリスマスが近いこともあり、帆奈と二人だけのクリスマスパーティをしたみことに付き合うが、自身のうわさの効果で負の感情が流れ込み、みことがそれを自身に移植した事でみことは自身の寄り代である果てなし鏡のうわさに乗っ取られそうになり、各地で事件を起こす。
そして帆奈は少し早いクリスマスパーティの準備を終えた頃、みことのウワサの手下によってみことの所に案内されるが、既に店員に危害を加えており、そんなみことを止めようと嘘をついて外に出す。
だが帆奈を追っていたななか達の作戦によって雪原まで追い詰められ、望み通りみことと二人だけで思い出を作ろうとしたが、ななか達が見逃す筈もなかった。
みことに暗示をかけて逃がし、独りで立ちはだかるもななかに苦戦。生きて罪を償ってほしいと願うななかに暗示をかけてみことと共に今度こそ逃げ延びたが互いの体は限界であり、記憶を失っていくなか二人寄り添いながら消滅。二人の逃走経路にはスノードロップの花が咲いていた…
アニメ版
第3期第1話内のねむの回想場面でモブキャラとして登場。ソウルジェムに穢れが溜まって倒れたところ、魔法少女になりたての環ういが穢れを回収したことで回復した。
しかしこの後ういの回収能力は暴走を始めることになる。
「散花愁章」では更紗帆奈は凶悪な印象を与えていた。とはいえメモリア「残照」「待ち人」のテキストでは瀬奈みことと共に過ごした日々、みことへの想いとまた異なった印象を与えていた。帆奈の魔法少女ストーリーでも二人でこの世界から姿をくらませようと決意する程に瀬奈みことの存在は大きなものとなっていた。
当初は帆奈がみことに一方的に好意を抱いていたと思われていたが、その3年後に公開されたみことの魔法少女ストーリー、「サヨナラ・ストレージ」にてみことも帆奈に好意を抱いていたことが明らかとなった。
「そしてアザレアの花咲く」→「散花愁章」→「更紗帆奈の魔法少女ストーリー」→「瀬奈みことの魔法少女ストーリー」→「サヨナラ・ストレージ」の順でストーリーを読み進めると帆奈への印象が異なってくるだろう。
また「散花愁章」の終盤、帆奈が屋上で誰かと会話しているようなシーンがあるが、これも「サヨナラ・ストレージ」で明らかになるだろう。
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