概要
日本国有鉄道が設計・製造し、1978(昭和53)年に北海道内の電化区間に配属した特急形電車。民営化後はJR北海道に引き継がれ、2007(平成19)年に老朽化により定期運行を終了し後に廃車となっている。
積雪地帯を走る列車でも本州の積雪地帯と異なる過酷な条件の運行のため各所に工夫や強化がなされている。
pixiv内では他の鉄道イラスト同様、該当系列の車両のイラストや擬人化イラストが投稿されている。
車体
485系1500番台(酷寒地向け仕様)と711系を基に設計されており、本州の積雪地帯によく見られる湿った雪と異なり、粉雪が走行風で巻き上げられ彼方此方から進入し、それが融けたり融けた雪が再び凍結するなどして車両に様々なトラブルを起こすため、客室内や走行機器格納部は粉雪を吸い込まぬ様、外気圧に対して各部内圧が高めになるようにしてある。また、外気の吸入口は雪きり室を設けて雪が侵入しない様にしてある。
また、運転台の窓は走行風を窓に吹き付けて雪を吹き飛ばすダクトが装備されており、その実績から他の形式の列車にも装備されている。
走行機器
大電力用半導体が徐々に実用化されており、電源である交流がサイリスタの動作に都合がいい(※)ため、サイリスタ位相制御方式を採用している。また、781系同様交流区間専用車であるED78形電気機関車では下り勾配区間の抑速ブレーキとして主整流器が可逆動作できる構造に組んであり、それを使用して回生ブレーキを実現していたが、781系では回生ブレーキを採用してしまうと付近の信号設備や他の列車などに影響を与えてしまいかねないことと、当時の技術ではまだその根本的対策ができなかったため、回生ブレーキの採用は見合わせて電制に発電ブレーキを採用することとなった。
また、781系の製造前の1971(昭和46)年に当時の大電力用絶縁油としてよく使われていたポリ塩化ビフェニルが製造禁止となったため、絶縁油に485系1500番台増備編成で実用化されたシリコン油を使用している。
※・・・周期的に電圧が0Vになるため、サイリスタのターンオフが容易。
編成内ユニット構成
今までのユニットの組み方と異なり、電動車に主制御機を搭載し、付随車にパンタグラフ、主変圧器、主整流器を搭載するという組み方となっている。そのため、国鉄の特急形電車では初の制御電動車の登場となった。また、この組み方により電動車と付随車の重量の差が小さくなっている。