概要
トリカブトの名は、花が古来の衣装である烏帽子に似ているからとも、鶏の鶏冠(とさか)に似ているからとも言われる。英語名では"monkshood"(僧侶の被りもの)と呼ぶ。花の色は紫色の他、白、黄色、ピンク色など。
多くは多年草である。沢筋などの比較的湿気の多い場所を好む。
根に大量のアルカロイド系の毒物を含有し、誤って摂取すれば死ぬ事もある。毒の威力は非常に強く、ドクゼリ、ドクウツギと並んで日本三大有毒植物の一つとされる。かつては世界各地で狩猟用の毒矢に塗布する毒の原料とされた。日本でもアイヌがヒグマを狩る際に使われたが、生える地域により毒性に大きな差があるため、わざわざ遠くのものを採取していた事もあったという。
その一方で、トリカブトの根を乾したものは附子(ぶす)または烏頭(うず)と呼び、漢方薬として用いられる事がある。
また花蜜や花粉にも毒が含まれており、ミツバチがそれらを集めて猛毒の蜂蜜を作ってしまう事がある(食べればもちろん中毒する)。そのため、養蜂家はトリカブトの自生する場所では決して蜂を放さない。