ドクウツギ
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どくうつぎ
ドクウツギ(毒空木、馬桑、木本黄精葉鉤吻)とは、ウリ目ドクウツギ科ドクウツギ属の有毒植物。別名「イチロベゴロシ」(一郎兵衛殺し、市郎兵衛とも)
学名 coriaria japonica
coriariaは「なめし革」 japonicaは「日本の」の意味。
約1.5m 花期4~5月 果実期8~9月
落葉低木 雌雄同株
日本固有種。北海道・近畿以東の本州に分布。河川敷・山地・海岸等の日当たりの良い場所に自生。
名に「ウツギ」と有るがウツギの仲間では無い。
対生する単葉が15列程並び、羽状複葉に見える。先の尖った卵形で、長さ6~8cm。
春に黄緑色の小さな花を多数咲かせる。雌花の花弁はは5枚。結実時に著しく大きくなり多肉質になり果実を包む。
果実は赤から黒に熟し、ブドウの実やブルーベリーのラビットアイ種に似る。鈴生りの姿はブドウを連想させる。熟すると、特に。
甘いが、決して食べてはいけない。
木全体が毒を持つ為、バーベキューやキャンプの箸・串代わりにも使ってはいけない。
成分はツチン、コリアミルチン、コリアリン。神経毒。食後30~3時間以内に目眩・頭痛・酷いと激しい痙攣(けいれん)・全身麻痺・昏睡、死に至る。
実がどう見ても毒性を感じさせず、寧ろ美味しそうに見える為(しかも甘い)、昔は子供達が其の実を食べ、亡くなってしまう悲惨な事故が相次いだという。中毒死亡事故の1割を、本種が占めたという。(残りは粗毒キノコ。)その危険性故「イチロベゴロシ」という物騒な名前で呼ぶ地方も有る。
余りにも危険過ぎて伐採され、度が過ぎて終に絶滅危惧種・・・。
こうして人間は自然を破壊するのである。