- ユダヤ教を信仰する人々。
- 先祖や親がユダヤ人である人。他宗教の信者や無神論者も含む。特に母親がユダヤ人であった者を正式にユダヤ人と見なす。
ユダヤ教信者としてのユダヤ人は「正統派」「保守派」「改革派」等に分かれている。一応、外部からの改宗も受け付けているが、ユダヤ教徒側が積極的に、大々的に勧誘することはなく、それどころか思いとどまることを薦められる場合もあるという。
ある派で改宗しても他の派のユダヤ人から正当なユダヤ人とは認められない例も少なくない。
「イエス・キリストを迫害した民族」とされ、西洋キリスト教世界では過酷な扱いを受けた。19世紀ヨーロッパでは、ロシア帝国をはじめ東欧・中欧各地でユダヤ人の大量虐殺(ポグロム)が行われ、多くのユダヤ人が迫害から逃れてアメリカ合衆国に渡った。20世紀、ナチス・ドイツは独自の人種・民族論にしたがってユダヤ人を劣等人種に位置づけ、組織的な大虐殺(ホロコースト)を行った。
近年は「イスラエル・ユダヤ人が、アラブ人であるパレスチナ人を迫害・追放している」という認識から、アラブ人・イスラム教徒の間で反ユダヤ主義が台頭している。
イスラム教世界ではもともと西洋ほどユダヤ人の待遇は酷くはなく、ジズヤ(人頭税)さえ支払えば一定の信仰の自由も認められ、学者や宰相として活躍できた例もある。とはいえ、イスラム世界で異教徒のユダヤ人が差別されてきたことには変わりがなく、イスラム教発祥時にユダヤ人の部族と開祖ムハンマドとの間にいろいろといざこざもあったこともあり、反ユダヤ的な発想が無いわけではない。アラブ・イスラム世界で反ユダヤ主義が燃え上がったのはむしろ近年のことで、ユダヤ人のパレスチナ入植(シオニズム)が盛んになり、元から住んでいたパレスチナ人と衝突するようになってからである。
ホロコーストの記憶から、欧米各国では現在でもユダヤ人の扱いは非常にデリケートな問題となっている。ドイツなどでは現在でもイスラエル批判は難しい雰囲気がある。
偽書『シオン賢者の議定書』以来、陰謀論における黒幕の常連でもある。政財界でのユダヤ人の影響力の強さ、カバラ等ユダヤ教の神秘思想をオカルト的な色眼鏡で見た際のある種エキゾチックでロマンチックなイメージから、「悪役」としての魅力を醸し出しているためだろう。
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