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ドンキーコング初代シリーズ

どんきーこんぐしょだいしりーず

ここでは、ドンキーコングシリーズの中でも最初の作品であるアーケード版「ドンキーコング」、及びそのリメイクとなるゲームボーイ版を解説する。
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概要

アーケード版

1981年に任天堂からアーケードゲームとして稼働されたアクションゲーム。1982年にはゲーム&ウオッチに、1983年にはファミリーコンピュータ移植された。1999年に発売された『ドンキーコング64』ではこのアーケード版がミニゲームとしてそのままの形で移植されている。


マリオが初登場したゲームとして有名であるが、ゲーム発売当時は単に「ジャンプマン」などと呼ばれ、名前が決められていなかった。マリオの名前は続編の『ドンキーコングJR.』で初めて名付けられ、ファミコン移植版では最初から反映されている。


ストーリーはマリオ(当時はジャンプマン、ゲーム&ウオッチ版では救助マン)が、ドンキーコングに建設現場へ連れて行かれた恋人レディを、妨害を乗り越えて救出に向かうというもの。

25m・50m・75m・100mの4ステージで1周としており、周回数が上がるにつれ敵の攻撃が激しくなるが、制限時間のスコアも増えるため高得点を狙いやすくなる。

ステージの難易度が最も高いのは5周目となり、それ以降は難易度がループする。但し、バグのため22周目に突入するとわずか8秒ほどで強制ミスになってしまいクリア不能となる(事実上の最高到達点)。

ファミコン版は22周以降も問題なく行けるが、10周を越えたあたりで75mの跳ねてくるバネをかわしてゴールに登るのが困難になる。なお、ファミコン版も強制ミスになる周回が存在しており、133周で起こる。


アーケード版では発売初期の前期バージョン(通称「TRYバージョン」)と、バグを修正した後期バージョン(通称「GETバージョン」)が存在する。主な違いは、ステージ開始時のメッセージが異なる(前期バージョンでは「HOW HIGH CAN YOU TRY?」、後期バージョンは「HOW HIGH CAN YOU GET?」)ことと、後期バージョンは25mのワープの裏技が不可能になったことなどである。なお、米国版・N64版は後期バージョンに準拠している。

当時としては画期的な一画面固定型アクションゲームで、マリオのジャンプアクションの原点である。

ファミコン版では容量の問題で、アーケード版のベルトコンベアー面(50m)が削除され、25mで放り投げられた樽が1段ずつ引っ掛かりながら真下に落ちるか毎回同じジグザグに落ちる2種類しかないため、ランダムに来るアーケード版のようなスリルは無いが全体的な出来は良く、ファミコン本体の売り上げを牽引したソフトになった。

発売時、シンプルなステージの繰り返ししか無かった他のゲームに対し、キャラクター性とストーリ性を持たせた点でも優れた作品であることが分かる。なお、海外では発売時期の関係(NES発売前)からか、任天堂ハード以外への移植版も存在する。1982年に発売されたゲーム機コレコビジョンに同梱という形で発売されている(家庭用ゲーム機としては初めての移植作品)。


余談

  • ドンキーコングは元々はマリオのペットだったが、マリオに恋人が出来てから構ってくれなくなったため、嫉妬してイタズラで彼女を攫ったという設定になっている。
  • スーパーマリオオデッセイ』ではレディことポリーンが登場するほか、アーケード版をモチーフにしたステージを要所要所で遊ぶことができる。
  • 「75m」は大乱闘スマッシュブラザーズシリーズにて『X』、『for Wii U』、『SPECIAL』の3作品でステージとして登場している。
  • カプコンのハンティングアクションゲーム『モンスターハンター4』では、任天堂とのコラボレーションの一環として、このアーケード版のステージが描かれたギルドカード(ハンターの名刺のようなもの)の背景がダウンロード配信されることが決定した。なお、原典でドンキーコングが立っていた場所には、同じく猿をモチーフとしたモンハンシリーズのキャラクターであるババコンガが立っている。
  • 元々は『ポパイ』のゲームとして制作される予定だったが、計画が変更となりポパイをマリオに、ブルートをドンキーコングにそしてオリーブをポリーンに変更したと言う逸話がある。
  • アーケード版の物語の舞台はニューヨークである事が『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のインタビューにて42年越しに明かされている。ただし後述のゲームボーイ版では舞台が「キノコワールド」に改められている。
  • 本作のスピンオフとして『おんがくあそび』が発売される予定だったが、諸事情により発売が中止になった。
  • アートワークはグローバルを意識して30~40年代のカートゥーンアニメのような絵柄であり、マリオとドンキーの指もそれを意識して4本になっている。

ゲームボーイ版

1994年6月14日に任天堂より発売されたゲームボーイ用ソフト。ドンキーコング生誕13周年記念かつ最後の登場作品として発売された作品である。

アーケード版のリメイクだが、大幅なステージ数の増加、マリオの多彩なアクション、アクションパズル要素を加えたゲーム性など、オリジナル要素が強い。また、マリオシリーズではお馴染みのキノコが登場するが、本作ではこれを取るとマリオの身体が小さくなってしまう。また、過去のドンキー作品及びマリオシリーズ、他の任天堂作品のオマージュなども見られる。

オリジナル版と異なり、高い所から落ちたら1ミスではなく一定の高さまでは猶予があり、例えばハシゴの1段上の足場から落ちただけではミスにならなくなる(転がって衝撃を緩和したり一定時間気絶のパターンがある)。但し、あまりにも高い所からステージの最下段に落ちると頭から真っ逆さまに落ちてミスとなる。

また、物を持った状態で敵に触れてもミスにならない(炎系の敵を除く)。


ヒロインのデザインが茶髪に変更され、単なるレディではなく「ポリーン」と言う個人名が与えられた(厳密には欧米NES版の時点で決まっていた)が、他の作品で既にピーチ姫ヒロインとして有名となっていたため、当時から地味な存在だった。その後もマリオと友人の関係から脱せず、『マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!』に出演しているが、いまいち「過去の女」感は拭えなかった。

本作の公式ガイドブックによると、インタビューで開発スタッフが「最終ステージがキノコ王国付近であり、マリオはポリーン救出後ピーチ姫に出会い乗り換えてしまった」と述べている(但し冗談交じりであり、任天堂の公式設定かどうかは不明)。

彼女が再びマリオファミリーとして大きくフィーチャーされるのは、後年の『スーパーマリオオデッセイ』から。


また、ドンキーの息子で『ドンキーコングJR.』のプレイヤーキャラだったドンキーコングJr.も、敵キャラとして登場する。


各レベルは4ステージ1セット×1 - 4の構成になっており、例外を除き1 - 3ステージは通常ステージ、4ステージ目はドンキーステージである。この関係で、各レベルのステージ数は必ず4の倍数となっている(最終レベルを除く)。

クリア条件はアーケード・ファミコン版と異なり、通常ステージは「ステージの何処かにある鍵でドアを開ける」、ドンキーステージは「ポリーンの所にたどり着く」、レベル最後のドンキーステージでは「敵やタルなどをドンキーにぶつけて倒す」となった。

なお、ステージ0から始まるが、ステージ0は初代ドンキーコングをゲームボーイに合わせたレイアウトに変更されており、FC版に入ってなかったOPデモやステージ開始デモ、50mが再現されている。100mでドンキーを落下させてレディ救出…と思いきやあくまでプロローグに過ぎず、壮大な追いかけっこの始まりとなる。ステージ0はボーナスアイテムの関係上ボーナスゲームができない。

最終ステージ(最後の闘い)では時間無制限になるが、ポーズができない為一旦休憩ができない。


このGB版ドンキーコングでみせたマリオのバク転や逆立ち樽キャッチなどの操作感などはそのままゲームボーイアドバンス用ソフト『マリオvs.ドンキーコング』に引き継がれ、以降はマリオvs.ドンキーコングシリーズとして独立したゲームシリーズに繋がっていくことになる。


テトリスフラッシュ』と同じく初のスーパーゲームボーイ対応作品でもある。発売当時には取扱説明書のほか、スーパーゲームボーイ使用時における操作方法を記したチラシが付属した。

スーパーゲームボーイを使用すると、ゲーム画面が多色表示となる、ゲーム画面外にはアーケード筐体を模した専用フレームが付く、ゲーム中のポリーンの「HELP!」の声がスーパーファミコン音源を使用した肉声になる、エンディングの曲がスーパーファミコンの音源を使用したバージョンになるなど、演出に力が入ったものであった。


本ゲームの作風の特徴としては現実的である点である。マリオシリーズでは、架空の国が舞台であるためファンタジー要素が強いが、ステージの舞台が、都会や船、飛行機など妙に人工物臭いものが多い。


後に3DS向けのバーチャルコンソールに再登場している。但し、スーパーゲームボーイ関連の独自機能には対応しておらず、ゲームボーイ相当の動作となる。


黒い任天堂

本作は黒い任天堂の面が多く見受けられる作品でもある。


というのもこの作品、他のマリオシリーズと違う大きな特徴として、マリオが現実的な死に方をする点がある。

マリオシリーズではマリオがどんなやられ方をしても、画面下に落下するなどほとんどが同じ描写だったが、本作では焼死・感電死・溺死・転落死・轢死・圧死など、やたらリアルで様々な死に方をする。3D化されてよりリアルになった『スーパーマリオ64』や以降の続編でも、本作を引き継いだかのような多様なやられ方をするが、ファンタジー要素が強いため、あまり惨たらしい表現はされていない。


あと、ドンキーがマリオを本気で殺しにかかってくる

ステージ内にトラップを仕掛けたり、マリオに樽や敵を投げつけたり、ジャンプしてステージ全体を揺らして鉄アレイなど重い物を上から降らしてマリオを潰そうとしている。

ドンキーステージで、不用意にドンキーに近付こうものなら、問答無用に頭をわしづかみにされて、床にぶん投げられて殺されてしまう。小さいマリオの状態で投げ飛ばされると、床に激突した地点で身体が肉片と化してバラバラになってしまう。その時のドンキーの表情と言ったら…天使のような悪魔の笑顔である。

設定では、ドンキーがマリオにする妨害は「いたずら」なのだが、明らかにいたずらでは済まないレベル。


訴訟

1:池上通信機との著作権裁判

本作は、大量に在庫を抱えることとなった『レーダースコープ』の、その内部基板の在庫整理として開発が進められたもので、池上通信機が任天堂の委託を受けてプログラミングを行っている(ゲームのアイデア自体は飽くまで任天堂のもの)。

しかし、開発から2年後の1983年7月20日、池上通信機はドンキーコングの著作権侵害を理由に5億8千万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしている。

池上通信機曰く、任天堂はプログラムを自らも第三者にもコピーしない契約であったが、任天堂側がプログラムをコピーして同一の基板を大量に作って国内外で少なくとも8万台を販売したため、債務不履行による損害賠償(売上代金の10%=5億8千万円)を求めるというものであった。

これに対し任天堂側は、プログラム委託料1千万を既に払い済みであり、また2年も経ってから提訴されるのは遺憾であるとして、池上の請求権不存在確認を求める訴えを起こした。

この裁判は、裁定が下る前に両社の和解により決着をみている。

2:ユニバーサル・ピクチャーズとのキングコング裁判

詳細はコレコビジョンの「キングコング裁判」を参照

各移植版比較動画

前述のファミコン、コレコビジョン、更にゲームボーイのみならず、海外ではインテレビジョンZXスペクトラムコモドール64MSXAmigaAtariの各機種などに移植されている。


シリーズ

個人製作のドンキーコングⅡ

アメリカのジェフ・クルチェツキ氏が3年半の歳月を費やし、ニンテンドーアメリカの許可を得て2006年『ドンキーコングⅡ ジャンプマンリターンズ』を開発。アメリカの一部ゲームセンターで稼働している。

これは元々あるドンキーコング基板をマザーボードとし、それにクルチェツキ氏が開発した新規データのドーターボードを乗せた仕様となっている。クルチェツキ氏が販売したのはあくまでドーターボードのみで、動かすには元々のドンキーコング基板が必須である。

内容は以下の動画を見ればわかるが、初代ドンキーコングに同数の新規面を加えたもの。元々のデータを解析し、未使用データなどを用いているため、非常に遜色ない出来となっている。


関連タグ

任天堂 ドンキーコング マリオシリーズ ドンキーコングシリーズ マリオvs.ドンキーコング

ティップタップ(コンゴ・ボンゴ) - 池上通信機が開発しセガが販売したドンキーコングの類似作品。


こちら葛飾区亀有公園前派出所…単行本第28巻収録「アンコール雪之城の巻」及び「ロックンロール教育!の巻」で「コングゲーム」として登場。前者では主人公60万円のアーケード筐体をボーナスで購入し派出所で遊んでいた(間もなく新人警官に破壊された)。但し、筐体の形状や同話の別のシーンにマリオらしきモブが居るのだが彼の帽子に「ホヤ」と描かれており、後者の話でコングゲームが電子紙芝居のワンシーンで描かれた際もやはりマリオの台詞が「ほや ほや」となっていたので、両者共にコピー作品「クレイジーコング」がモチーフである可能性が指摘されている(クレイジーコングは日本物産の『クレイジークライマー』の基板を流用した関係で、マリオのジャンプ音が流用元に登場する猿の「ホヤ!」という声になっている)。

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