カタログスペック
全高 | 116.0m |
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本体重量 | 153.8t |
全備重量 | 324.3t |
ジェネレーター出力 | 35,660kw〜計測不能 |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
スラスター総推力 | 28,827,500kg〜計測不能 |
パイロット | フル・フロンタル |
概要
型式番号NZ-999。
シナンジュをコアユニットとした拠点攻略用超巨大モビルアーマー。
その名称と威容は、シャア・アズナブルが一年戦争において『有機体が永きをかけて辿り着いた究極の柔軟性をもつ【人型】を、ただ機械的な性能を追い求めるためだけに捨て去った、人間の知恵の傲慢』と嫌悪しながらも搭乗せざるを得なかったモビルスーツ、「ジオング」に由来する。
シナンジュを中心に全長100mを超える外殻「ハルユニット」を組み合わせたその巨大な構成から、母艦には収容出来ず、艦底にワイヤーで吊るされる形で運搬・整備される。
フル・フロンタルが基礎設計を行い、『袖付き』の機付長(整備責任者)レベルが動員されて建造されたが、サイコシャードをはじめとするコア技術の『理論』は事実上のブラックボックス。
連邦系技術を多分に含むシナンジュを基点としてこれだけ大規模な装備の用意は、懐事情に厳しい『袖付き』にとって容易でない事は想像に難くない。一説には「UC計画」遂行における障害となったユニコーンガンダムに対するカウンターとしてアナハイム・エレクトロニクス社が一部技術提供を行い、袖付き側に供与したとされている。
機体解説
機体構成に関しては「シナンジュとオプションパーツの合体」ではなく、「モビルアーマーにシナンジュを搭載」と表現した方が相応しい。
アナハイムのGP-03やSガンダム プラン303、ティターンズのガンダムTR-6[インレ]が近いところだろうか。メガ粒子砲と複数の腕を装備した肩部はノイエ・ジール、α・アジールから連なる長大なシュトゥルム・ブースターを装着した下半身など、連邦・ジオン双方の大型モビルアーマーの特徴を併せ持つ。機体各部のユニット化が図られており、損傷箇所を予備のパーツと交換することによって素早い修復と作戦続行が可能であり、ランディングギアを使えば“一応”地上戦も可能である。
そして、上記の多数の武装と防御機構を搭載した高性能なだけの重武装型とは違ってサイコミュ兵装を多数備える本機は、パイロットであるフル・フロンタルの技量も鑑みれば想像を絶する怪物へと変貌を遂げた。
フル・フロンタルは予備のパーツを使わなかったことで余ったほぼ丸々一機分の予備パーツをジオン共和国が組み立て、ゾルタン・アッカネンがⅡネオ・ジオングとして運用した。
ただし上記のブラックボックスのせいで「動きはするが原理はわからない」ままであり、形状的にスカート下部(モビルスーツであれば脚がある箇所)は死角であるため、同型機はジェガンD型相手にも苦戦する事となった。
武装
有線式大型ファンネル・ビット
腕部に搭載された、有線式のオールレンジ攻撃兵器。
ジオングと同じくメガ粒子砲となっているそれぞれの指をインコムの様に射出が出来る。
砲身には三本爪のワイヤー・アンカーが備わっており、攻撃対象に小型の掘削機が付いたワイヤーを潜り込ませて乗っ取る「ジャック」機能を持つ。取り付いた後ならばワイヤーを切り離してもジャックした機体をコントロールできる。
また、サイコミュと連動する事によってパイロットが搭乗していなくとも自動的に近づく敵を攻撃し、コロニービルダー「メガラニカ」のシステムの一部を掌握する事を可能とするなど、既存のオールレンジ兵器とは異質な存在へと昇華している。
2018年9月に公開された、バナージが駆るユニコーンガンダム・ペルフェクティビリティとの戦闘では、オールレンジ攻撃でユニコーンガンダムを翻弄し、さらにはアームド・アーマーDE(右翼)をサイコミュ・ジャック、爆散せしめた。
アームユニット
両腕・及びバックパックに搭載された大型アーム。
先端部にはファンネル・ビットを装備し、これをマニュピレータとする事で敵を捕縛する事ができる。
肩部レールに接続されたアームはフレキシブルに可動する。
背部に四基搭載されているアームユニットはそのまま背面に展開する事で機体の死角を無くすだけでなく、他の腕が破壊された際には欠損箇所と素早く入れ替わる事で損傷による攻撃力の低下を抑える事ができる。
アームユニット自体が大型ファンネル・ビットのコンテナとしても機能し、内部に予備のファンネル・ビットを格納する事で機体の継戦能力を高めている。
肩部大型メガ粒子砲
肩部の前面四基、背面に二基の計六基搭載されており、機体上方・前面・後面を広くカバーする。収束率を変更することで収束・拡散発射の任意変更が可能。
大口径ハイメガ粒子砲
腹部に搭載されているビーム砲。
威力こそ高いが、肩部と比較して射角は狭い。
メガラニカ戦では肩部武装と併用しメガラニカをくり貫いて宇宙へ出るという行動を見せた。
隠し腕
ジ・O(あるいはナイチンゲール)同様にフロントアーマー部分に内蔵されているサブアーム。接近した敵を捕らえる為にも転用できる。
本来の用途はランディングギア(降着装置、歩行用途ではない)。
腰部Iフィールドジェネレーター
腰部に二基搭載されている耐ビームバリア。詳細な原理はこちらを参照。
射撃ビーム(メガ粒子)を、形成した力場に沿って“偏向”させるという原理上、ビームマグナムのようなモビルスーツ携行武装程度は言うに及ばず、たとえ戦艦の主砲が直撃したとしても、『本体』を完全に守る。
ただし、あくまでもメガ粒子を偏向させるだけであり(無効化させるわけではない)、ネオ・ジオングのIフィールド・バリアの力場はシュトゥルム・ブースターをカバーしていないため、ユニコーンガンダムとバンシィ・ノルンの斉射を受けた際には、偏向拡散したメガ粒子がブースターを溶解・爆散させた。
肩部ウェポンコンテナ
GP03のアームドベース・オーキスのそれと同様に、パッケージングされた各種武装を収容するコンテナ・スペース。
シナンジュはGP03と違いフォールディングアームを持たない為、手持ち武器の収納スペースはシナンジュの手が届く部分に配されており、バズーカ等はここに収納される。
ビームサーベル
シナンジュの腕部に装備されているビーム・サーベル。
主に接近して来た敵機などへのフェイルセーフティとして使用される。
サイコシャード発生器
両肩、リアアーマーの合計4ヵ所に8基搭載されている特殊兵装。
ハルユニット自体にはサイコフレームを搭載していないが、“本体”であるシナンジュのサイコフレームに鋳込まれたナノサイズのサイコミュ用コンピュータチップを外界に放出、チップを核として結晶状疑似サイコフレームである「サイコシャード」を、光輪のような形状で展開する。
これにより、サイコフレームの実総量を増加させることで、ネオ・ジオング単体でサイコ・フィールドに限りなく近い現象(疑似サイコ・フィールド)を意図的に再現する事が可能となる。
上記の疑似サイコ・フィールド展開時には、どこまで実現可能で、正確な有効範囲は不明だが、操縦者(フロンタル)が望むイメージを具現化できてしまう、敵対する者にとっては恐るべき空間を形成する。
本兵装は感応波によるハッキング機能も有しており、劇中では前述のジャック機能と併用して、敵拠点要塞の管制システムの掌握に用いられたほか、ユニコーンガンダム及びバンシィ・ノルンとの最終決戦においては、敵機体の武装に干渉し自壊に追い込んでいる。この疑似サイコ・フィールドの効果を“武装破壊”のみに留めた理由については、フロンタル自身がバナージの懐柔を諦めておらず、圧倒的な戦力差を見せつける事で戦意喪失を狙おうとしたためである。
更には、ネオ・ジオングのサイコシャードとユニコーンのサイコフレームの共鳴によってフロンタルとバナージが、かつての一年戦争においてアムロ・レイとララァ・スンが辿り着いたのと同様に、「刻の流れ」(宇宙の記憶)を、精神的フラッシュバックのような形象として垣間見ている。
なおサイコシャードは『袖付き』によって発見された技術ではなく、一説にはフル・サイコフレーム機の試験中に発生した偶然の産物であり、そのデータが流出したとも言われている。
バリエーション
機動戦士ガンダムNTに登場する、ハルユニットの予備パーツを用いて建造された機体。
シナンジュ・スタインをコアユニットとする。
余談
福井氏の原作小説版における最終決戦では、巨大なオーラに身を包んで二機のユニコーンガンダムを追い詰めたが、OVA版で再構成するに当たって監督の古橋一浩氏から、「原作のままだと最後いじめているように見えるから、相手もすごいのに乗っけたい」という意見が出たことで、福井晴敏氏が考案した。
当初はスーツとスカートを装着したようなイメージだったが、最後の敵として絶対的な存在にしたかったのとジオンの歴代MAを考えるとこれくらいの大きさが必要だというカトキハジメ氏と監督の古橋一浩氏の二人の案が重なって100mを超えるデザインになった(結果的にユニコーンとバンシィが苦戦する構図が簡単にできたことと、最終エピソードを象徴する機体になったと後にカトキハジメ氏が語っている)。
また、「ネオ・ジオング」という名称はα・アジールの企画段階での名称でもある。
その他、“刻”を垣間見るシーンについても、準備稿段階では古橋監督は本当にタイムスリップさせるつもりだったらしい(流石にそれはやり過ぎということで、福井氏に止められたとのこと)。
原作小説版
アニメ(正史)と展開が異なる福井氏の原作小説版『機動戦士ガンダムUC』では上記の理由からまだネオ・ジオングが設定されていないため、シナンジュがハルユニットとドッキングすることの無いまま完結する。
代わりに追補小説『不死鳥狩り』において、「小説版にもハルユニットが存在していたが、フル・フロンタルの元に渡らなかった」という設定で、ヤクト・ドーガをコアとしたネオ・ジオングが登場している。
フェネクスにその意思を宿したリタ・ベルナルはこの原作小説版ネオ・ジオングについて、『これがその真の主の手に渡り真価を発揮すれば、“刻”を可視化するなど、やがては時空をも操り世界の理すら破壊しかねない危険性を秘めた「今の人の世界に存在してはならないもの」である』とまで断じている。
実際、バナージを懐柔しようとしていたOVA版とは違い、自分の中の『シャアの怨念』に呑み込まれて虚無と狂気にひた走りつつあった原作小説版のフロンタルの手にハルユニットが渡っていれば、バナージ達は容易に殲滅されていただろうことは十分に考えられる。
アニメでは先述の通りネオ・ジオングがフロンタルの下に届けられたため『不死鳥狩り』を「UCの裏で起きた事件」として描く理由が無くなり、「UCの後に起きた事件」として再構成された映画『機動戦士ガンダムNT』では、2機目のネオ・ジオングが設定されることになった。
立体物
立体物としてはHGUC、BB戦士、アサルトキングダムの三種類が挙げられ
HGUCはシナンジュにハルユニットをプラスした内容となっているが、ハルユニットの全長は1/144スケールでありながら80cmオーバーという巨大なものとなっており、HGUCGP-03 デンドロビウムと同様に展示スペースを選ぶ内容となっている。
プレミアムバンダイにて、HGUCのⅡネオ・ジオングの発売が決定した。
BB戦士はHGUCほどのボリュームは無いが1/100スケールのガンプラと同等のスケールを持ち、また組み立ての手軽さからシナンジュ以外のキット・フィギュア等をハルユニットに乗せて楽しむという遊び方が提示されている。→詳しくはハルユニットの項目を参照。
バンシィのアームド・アーマーVNの爪が横方向に展開する機構と同様に立体化時点では隠し腕として使うことを想定していなかったのか、ランディングギアの展開は差し替え含め再現されていない。
アサルトキングダムは食玩でありながら、価格は一万円という高額商品でサイズも40cmというHGUCに次ぐ大きさとなっている。
ロストヒーローズ2
リジェスによって召喚されたガンダムシリーズのラスボスとして登場。(BGMも普段のボス戦の物とは異なる仕様)
状態異常に合わせる攻撃を主にしてき、1番厄介なのがパニック状態(ポケモンで例えるところのこんらんと同じ)にさせて思い通りの攻撃をできなくさせることである。せっかくの必殺技のチャンスも自爆に終わり、そのままゲームオーバーになることはザラである。対策としてはパニック状態の耐性がある装備を用意するのが先決である。クリア後でも再選可能で、ウルトラシリーズでのラスボスとして登場するデモンゾーアと一緒に戦うという高難易度なものである。
関連動画
関連イラスト
関連項目
“NZ”シリーズ
クィン・マンサ α・アジール クシャトリヤ Ⅱネオ・ジオング
ガンダムシリーズラスボス機
ヴェイガンギア→ネオ・ジオング→ガンダムエクシアダークマター