概要
飛鳥新社より2019年発売の「闘え!日本くん」を修正・加筆し、2022年9月に文響社より登場。
原作は大橋弘祐氏、作画を竹流氏・監修を神野正史氏がそれぞれ担当。内容は上下2巻に分かれ、それぞれの副題は上巻が「日本開国編」、下巻が「第二次世界大戦編」。
その名の通りに世界各国を高校生として擬人化し、「世界学園」で起こる出来事を通じて近代の世界史・日本史が分かりやすく表現されている。
登場人物たちの言動は各国政府の思惑や民意を反映していることが多い。性格や好みにはおのおのの国民性と文化を思わせるところも多く、それゆえ全員非常に個性が強いのが特徴。
迫真の戦闘シーンやシリアスな会話に挟まれる、彼らのテンポ良いギャグシーンも本作の魅力であるといえるかもしれない。
主な登場人物
日本
「みなさんはじめまして! 日出ずる国より来ました日本です」
本編の主人公。中央に日の丸がデザインされたハチガネを着用している。
家族思いの好青年である一方、弱い者いじめを放っておけない熱血漢。クラス中を席巻する弱肉強食の「帝国主義」の荒波に揉まれながらも、努力と根性で成長を重ね、やがてクラスを支配する側である強国の一員として頭角を現していく。
アメリカ
「俺がなぜ戦うかお前にはわかるか? それは俺が神に選ばれたからだ」
入学当初はあどけない少年の面影を残していたが、やがて精悍な大男へと変貌。性格は豪胆かつマイペースで、その決断力を生かしてかクラス内でリーダーシップを取ることも多い。
「神から与えられた自らの強靭な肉体を以てクラスを平和に治める」との信条のもと、自分の信じる正義のため行動する。身長は210cm。
イギリス
「君など大英帝国が一瞬で ねじ伏せてあげましょう‼」
黒縁のメガネをかけた理知的な風貌の青年。一大派閥を形成してクラス最強と称され、成績も非常に優秀。紅茶をよく飲んでいる。
他者に対してはほぼ常に敬語を用いており丁寧な印象を与えるが、自らの強さには高いプライドを持っている模様。
フランス
「パンがなければお菓子を食べればええやん?」
金髪の少女。左目は長い前髪に隠れている。
クラス一のお嬢様であるものの何故か関西弁風の口調で喋り、活動的かつノリが良い。若干お調子者で見栄っ張りな一面も。
ドイツとは犬猿の仲。
ロシア(ソ連)
「俺と打ち合いをしようなんざ 一生早ェんだよ‼」
身長203cmの巨漢。好きな食べ物はピロシキで、ウォッカジュースを愛飲している。
ある日を境に家庭の事情によって登校不可能となり、復帰したときにはざっくばらんな性格から一変して無口ゆえの威圧感を放つように。引き締まった体格も相まってクラス中を恐れさせた。
ドイツ
「このクラスを制するのは俺だ‼ 貴様らの好きにはさせんぞ‼」
銀髪の青年。幼少期にフランスから虐げられていたが、祖父のアドバイスを受けて強くなり彼女を撃退、弟妹たちの尊敬を集めてまとまりを欠いていた家族を統一した。
自他に対して厳格で、勝利のためには努力を惜しまない真面目な性格。「第一次世界大戦」での敗北時に右目を負傷したらしく、以後眼帯を着用するようになる。
ハワイ
「日本くん… 私と…付き合ってくれないかな…?」
日に焼けた肌の女子生徒。色素の薄い髪にハイビスカスの花を飾っている。
穏やかで優しい性格で、「闘え!日本くん」ではクラスのアイドルと称されていた。強くなるために努力を重ねる日本にやがて好意を抱くように。
オランダ
「っの野郎… この俺の愛車から逃げられると思うなよ‼」
自転車の愛好家らしく、教室でも常にヘルメットとゴーグルを着用している。
入学後しばらくは勉学に励むためと称して他者との交流を断っていた日本とも友達付き合いしていたが、強国たちが彼を良いように使うため無理矢理条約を結ばせるのを見るとちゃっかり便乗した。なおこのとき日本にサインをさせた紙は彼のものだけルーズリーフである。
清(中国)
「おまえの出る幕じゃない! ここはこの清に任せておけ!」
四千年の歴史を誇る名家の出身。長く伸ばした髪を後ろで辮髪にしている。
「帝国主義」の蔓延以前、クラスの中心は自分であると自負していたが・・・?
テキサス
「アタシやっぱりアメリカ君みたいな頼れる人がいいな~」
カウボーイハットを被った少女。やたらスタイルが良く、性格は奔放で楽天的。
メキシコと交際していたがやがてケンカになり、たまたま通りかかったアメリカを色仕掛けで落として自らの味方につけた(その後殴り合いを通じてアメリカとメキシコの間には友情が芽生えた)。
後に自分と同様アメリカの養子となったハワイを妹と見なして溺愛。
インドネシア
「日本くんの戦いを見てわかったんだ! 俺は自分の自由のために戦う!」
日に焼けた肌の男子生徒。植物を編み作られた丸く小さな帽子を着用している。
長い間オランダの子分として虐げられてきたが、オランダやアメリカに果敢に立ち向かう日本の姿を見て独立を決心する。
注意
上下巻の冒頭にそれぞれ記載されているが、本作は歴史の流れを理解することを目的に作られたものであり、必ずしも全ての描写が史実と一致するわけではない。
登場人物の言動についても常に現実世界に根拠があると妄信するのではなく、あくまで漫画独自の表現である場合も在ることに留意する必要がある。