概要
「聖剣エクスカリバー」と「バール」をかけ合わせた造語。
ホラーゲームではバールが武器として登場する事が多く、序盤で拾えるアイテムにもかかわらず最後まで活躍する事が多い為、アクションゲームでいう「主人公専用の剣」のような扱いとなる。
それを揶揄してゲームでお馴染みの最強武器エクスカリバーに準えて『エクスカリバール』と呼ばれることがある。
ちなみにバールの代わりに「火掻き棒」が登場するホラーゲームも多く、そちらは『聖剣ヒカキボルグ』と呼ばれている。
また「スパナ」が武器として登場する作品でも同様に『スパナギのつるぎ』などと呼ばれ、これらを合わせてホラーゲーム3種の神器と言われる事もある。
派生形として、「木製バット」「金属バット」が登場する場合も『エクスカリバット』と呼ばれる事があるが、残念ながらこれらはバールに比べて耐久度が低い場合が多い。まぁ、バットは折れたり曲がったりするのがお約束なので仕方なし。
エクスカリバール信仰への流れ
武器を装備していないので何でもいいから武器を探す→「バールあればなんとかなる」
銃はあるが弾切れが心配なので、消耗しない武器を探す→「バールあればなんとかなる」
これがエスカレートし、「心細いがないよりマシ」→「弾切れに備えて持っておく」→「バールの使い勝手の良さに気づく」→「バールさえあれば攻略できる」→「バールは最高の武器!」……エクスカリバール信者の誕生である。
特にFPS形式のゲームやホラーゲームなどではプレイヤーキャラクターが貧弱に設定されている事が多い為、敵に襲われればひとたまりもなくゲームオーバーになる。よって何であれ武器を持っていることが何よりの生存条件となる。
たとえ序盤で拾える何の変哲もないバールであっても「これを持つだけで最低限戦えるようになる」「敵の掴み攻撃(即死攻撃)を振りほどける」為に、何よりも心強い武器となる。上手いプレイヤーであれば、銃や爆弾などのアイテムに見向きもせず、そのままバール1本でゴリ押し完走なんてことも……
これにより、ゲームに慣れ過ぎたプレイヤーにとっては「バールしか武器が無い」事が絶望的な状況説明として機能せず、「バールを拾ったら攻撃アクション開放」「撲殺プレイの始まり」のような認識となってしまっている。
昨今のFPSなどではバール系の武器が、ナイフや剣に並ぶ近接武器枠となっており「接近する必要があるリスクがあるものの、下手な射撃武器より高い威力を誇る」「銃や弓などに比べて弾数制限が無い」という差別化が図られている為、ますますバール信仰が強くなるのであった。
昨今のバールの威力が高い理由として、以下の理由が考えられる。
- そもそも実際に人間をバールで殴ればどう考えても重症、もしくは死亡する(当たり所にもよるが)。
- ホラーゲームでは生きた人間や足の遅いゾンビが相手になる為、バールなどの鉄の棒でも威力に十分な説得力が得られる。
- 過去作品では多様な武器が存在するものが多かったが、システムの観点でバール1本に絞った結果バールが初期装備かつ最強武器になってしまった。
- 接近するリスクに見合う威力がなければ、使う機会がないアイテム≒プレイヤーに使ってもらえないアイテムになる為、異常に強くせざるを得ない。
- リアリティよりも、アクションゲームとしての側面を強くし過ぎた結果、剣やハンマー等の近接武器枠がバールに置き換えられているだけの形となってしまった。
- 「ホラーゲームではバールが強い」というネタが流行りまくったせいで、よりバールの強さにこだわる作品が増えた。
……以上の点から、ゲーム上のバールの威力は高く設定されている。
現実では
・金属で一体形成・焼き入れ等強化加工されている物が多く強度に優れる。
・振り下ろせる方向に尖った部位がある。
・握り易い形状に加工されている物もある。
と武器として使える利点が揃っているものの、振り回して使う道具ではないため重量バランスが悪いというデメリットがある。武器として用いる場合、野球バットやハンマーの方が扱い易さは上だろう。