概要
2003年のアメリカ合衆国・ドイツ合作のホラー映画。R-15指定。シリーズ化され、6作目まで制作された。
いずれも山奥でバカンスに訪れた若者たちが、その森に住む狂った食人一家に襲われて悲惨な殺され方をするストーリー。
この作品では食人一家たちは「マウンテンマン」という名前で、近親婚の弊害や遺伝子の変異で生まれた醜い姿をした人間として描かれている。
シリーズが続くにつれて、殺人一家は「マウンテンマン」から「ミュータント」と呼ばれるようになる。
第一作目で主人公クリスが「サランドラって映画知ってるか?」と言う場面があり、映画サランドラを意識した作りになっていると思われる。
シリーズ一覧
第1作「クライモリ(原題:Wrong Turn)」
第2作「クライモリ デッド・エンド(原題:Wrong Turn 2: Dead End)」
第3作「クライモリ デッド・リターン(原題:Wrong Turn 3: Left for Dead)」
第4作「クライモリ デッド・ビギニング(原題:Wrong Turn 4: Bloody Beginnings)」
第5作「クライモリ デッド・パーティ(原題:Wrong Turn 5: Bloodlines)」
第6作「クライモリ デッド・ホテル(原題:Wrong Turn 6: Last Resort)」
時系列は「4→5→6→1→2→3」である。全作品、世界観は共通しているが、ストーリー本編については作品ごとの繋がりは一切ない。
第4作「クライモリ デッド・ビギニング」は時系列的には一番過去の話。ミュータントが実は3人兄弟であることや、1974年に山奥の特殊な病院に収監されていた過去が明らかになる。時代背景は2008年であり、吹雪でミュータントがいた病院廃墟に閉じ込められた若者たちが次々と犠牲になっていく。
第5作「クライモリ デッド・パーティ」は「クライモリ デッド・ビギニング」の直後の話であり、第1作目からかなり前の時間設定。廃病院から出て流浪していた3人のミュータントと全米屈指のシリアルキラーが手を組んだが(シリアルキラーがミュータントたちを手なずけて子分にした)、シリアルキラーは逮捕されて保安官事務所の留置所に拘置される。シリアルキラーを救出すべく、ミュータント3人が周囲の人間たちを巻き込んで殺戮を繰り広げる。
第3作「クライモリ デッド・リターン」は時系列的には最終話で、刑務所移送中の凶悪犯たちを乗せた護送車がミュータントたちに襲われて、凶悪犯たちは脱走する。脱走中、1950年代に失踪した現金輸送車を発見したことから、犯罪者集団とミュータント、警官の三つ巴の殺戮劇が描かれる。
第1作「クライモリ」の主な登場人物
クリス・フリン
演:デズモンド・ハリントン
医学生の青年。面接に行く途中だったが渋滞に巻き込まれて近道しようとしたことで、マウンテンマンに襲われることになる。
ジェシー
演:エリザ・ドゥシュク
車が立ち往生していたグループの女性。しっかりした性格。
カーリー
演:エマニュエル・シュリーキー
スコットの彼女。作中ではヒステリックな印象が強いが(友人の死体が解体される様子を目撃したり、殺されかけたりすれば仕方ないことだが)、失恋したジェシーを元気づけるために、スコットたちとキャンプの計画をたてるなど、友達思いで気のいい性格。ジェシーと逃げる途中にマウンテンマンに見つかり、斧で顔を両断された。
スコット
演:ジェレミー・シスト
カーリーの恋人。クリスの足が撃たれたときに、囮となってマウンテンマンたちを引き付けてクリスたちを逃がす等、とてもいい人。それだけに、クリスたちと再会して駆け寄る最中にマウンテンマンに弓矢で射殺される展開に同情した視聴者は多かったと思われる。「プロポーズするのは死亡フラグ」をやってのけた青年。
エヴァン
演:ケヴィン・ゼガーズ
ちゃらい性格で、言動から死亡フラグ立ちまくりの青年。グループの中では最初の犠牲者。
フラニー
演:リンディ・ブース
エヴァンのガールフレンド。エヴァンと共に車に残ったために、マウンテンマンに襲われて死亡。その遺体はマウンテンマンの家に運び込まれて、カーリー(隠れていた)の見ている前で解体された。
リッチ・ストッカー
演:ジョン・ハリス
冒頭で登場する大学生。ヘイリーとロッククライミング中にマウンテンマンに殺される。
ヘイリー・スミス
演:イヴォンヌ・ゴードリー
冒頭で登場する大学生。リッチの死体を見て逃げ出そうとしたが、マウンテンマンのしかけた罠にかかって捕まる(描写はないが殺害されたと思われる)。
州警察
演:デイビット・ヒューバンド
無線を聞いて駆けつけた警官。だがあっけなく殺されてしまう。
老人
演:ウェイン・ロブソン
ガソリンスタンドにいる老人。クリスに「ベアマウンテン街道」のことを教えた。だが行けとは言っておらず、地図を見たクリスがこの道なら近道できると勝手に誤認しただけで、この老人が罠にかけたわけではない。マウンテンマンのことを知っているらしく、「ベアマウンテン街道」に行くクリスから「それじゃお元気で」と言われた時は、「お前こそ元気でな」と皮肉ともいえる発言を返していた。
余談
タイトルに「クライモリ」が含まれているが、以下の作品のように、クライモリシリーズとは無関係の作品もいくつか存在する。
「クライモリ 禁猟区(原題:Splintered)」
「バタフライエフェクト・イン・クライモリ(原題:Acolytes)」
「新クライモリ デッド・フィーバー(原題:In Fear)」
関連映画
ホラー映画 悪魔のいけにえ サランドラ ヒルズ・ハブ・アイズ
Xファイル:海外ドラマであるが、シーズン4の第2話「ホーム」で『クライモリ』の先駆けと言える一家が登場していた。