概要
ポストアポカリプス世界を舞台にしたライトノベル「リビルドワールド」に登場する少女。
主人公であるアキラとのすれ違いからなにかと報われない目に遭いがちな薄幸の少女。
感情は報われないが、アキラは実際に彼女の面倒をよく見ていた。たとえば、シェリルとカツラギに大量の遺物を売ったが、これによりアキラは遺物でハンターランクを上げることもできなかった。
プロフィール
スラム街育ちだが、そうとは思えないほど(身なりを整えれば、上流階級出身と名乗って疑われないほど)の金髪の美少女。
年齢は明言されていないが、アキラと同い年もしくは若干年下と思われる表現がある。
また、美貌以外にも頭の回転が非常に早く、自分の立場や強みなどを理解して駆け引きするのが巧み。
物語当初はそれでも「スラム街の小娘にしては」という程度のレベルであったが、後に立場を得た事で才能が開花し、スラム街の大物たちとも対等にやりとりできるほどに成長していく。
また、恵まれた外見と頭の回転の速さを最大限に生かした「どこかの大企業のお嬢様」への擬態は卓越しており、都市の上流階級ですら騙し切るほど。作中でも即座に見破ったのは、都市の大幹部などの超大物くらいである。
作中での動向
最初に登場した時点では、(恐らくは「自身の将来性」をうまく売り込んで)とあるスラム徒党の一員として庇護を受けていたが、その徒党がアキラと敵対して壊滅。
庇護を失ったシェリルは、起死回生の一手として徒党を滅ぼした相手であるアキラにコンタクト。紆余曲折はあったものの、彼との間に利害の一致を得る事に成功し、その庇護のもと、自らをボスとする徒党を作り上げてスラム街で頭角を現していく。
才能を開花させてからは、スラム街の大物相手でも一歩も引かずに対等のやり取りをするなど年齢に見合わぬ交渉能力を身につけ、スラム街でも一目置かれるようになっていく。
アキラとの関係性は最初は単に「上手い事利用する相手」でしかなかったが、やがて彼に本気で惹かれていくようになる。
しかし、相手であるアキラは「基本的に他人を信用しない猜疑心の塊、自分が無条件で人に好かれるなどと思っていない自己肯定感の低い性格」であるため、当初の「利害が一致してるだけの相手」という認識から一歩も動いてくれず、度重なるアプローチも功を奏さないなど、報われていない。
不幸な美少女
想いを寄せてしまった相手が生粋のトラブルメーカーであるゆえに、たびたび彼の作り出す修羅場に巻き込まれたり、彼に起因するトラブルに巻き込まれて死にそうな目にあっている。
上記の通り恋愛的アプローチの方でもまったく報われていないなど、とにかく不憫。
そもそもアキラはスラム街から脱出するためにハンターになることを決意したが、彼女を助けるためにも色々なトラブルに巻き込まれてしまった。
例えば、遺物販売店の襲撃や都市幹部の権力争いなど。遺物販売店を開くことも、イナベに旧世界製情報端末を渡すことも、アキラの考えではなかった。
そしてカツヤとティオルのシェリルへの執着はアキラに大きな害を与えた。
カツヤが彼女のことを気にかけ始めたのは、衣料品店で会ったときに彼女が自分の技量を確かめようと魅了したときだった(小説第75話)。イナベはシェリルの行動について、「あのヴィオラという者は非常に質が悪い人物だと聞いていたが、君も大概だな」と語った。
ギューバに攫われた後、次はもう少し上手くやろう、とシェリルは考えたが、ティオルが遺物倉庫に侵入したとき、彼女は積極的に対処しなかった(小説第130話)。彼女自身も不幸な出来事の原因の一つであると言える。
関連人物
アキラ
庇護者にして想い人。シェリルの全ての行動原理は「アキラのために」であるが、その想いは今のところ全く伝わっていない。
アルファ
アキラの相棒だが、シェリル側からは全く面識がない(そも、アキラ以外は存在を知らない)。
シェリルの積極的な誘惑のため、何かの拍子でシェリルの立ち位置がその例外側に移動した場合、アキラは瞬く間にシェリルに籠絡される恐れがある、とアルファは考えた(小説第64話)。アキラが依頼を完遂する決意を示した後、彼女はシェリルを警戒するのをやめている。
ユミナ
アキラのライバルであるハンター「カツヤ」の幼馴染にして相棒の少女。基本的に他人に対しては警戒心むき出しのアキラが、幾つかの事情から警戒心なく接する珍しい相手でもあり、それが同年代の美少女とあって、シェリルをやきもきさせている。
ユミナ自身は幼馴染のカツヤ一筋で、アキラは「親しい友人」でしかなく、シェリルも一応それを理解しているが、そこは理屈では無いのである。