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概要編集

ポストアポカリプス世界を舞台にしたライトノベル「リビルドワールド」の主人公。

スラム街で暮らすどこにでもいる孤児だったが、成り上がりを志して赴いた旧世界の遺跡にて、旧世界の亡霊と呼ばれていた存在、謎の美女「アルファ」と遭遇。

とある目的のために協力を要請する彼女と「契約」し、そのサポートをうけて頭角を現していく。


プロフィール編集

スラム街育ちの孤児で、黒髪黒目。イラストでは髪にメッシュが入った表現がされる。

物心ついたころからスラム街育ちのため親などは不明で、苗字などもなく「アキラ」のみが名前。

年齢が明記されたことはない(スラム街育ちなので正確には分からない)が、たびたび年少である(身体的にも成長途上である)ことを強調されるため、恐らくは十代前半(中学生くらい)と思われる。


隙を見せれば奪われるスラム街で暮らしてきたため、基本的に他人をほとんど信用しない(できない)。

また、自分は弱者であるという強い自覚とそれに基づく劣等感があり、それが故に、アルファとの出会いで強大な力を手に入れたあとも慢心することは一切ない。

この劣等感は一種の逆鱗でもあり、アキラから何かを理不尽に奪おうとする者が出る(アキラがそう認識する)と、「けっきょく自分の本質は奪われる側、弱者である」という思いから激怒し、いかなる困難があろうともその相手を抹殺しようとする。


一方で「スラム街がそういう場所であるからこそ、義誠意は何物にも代えがたい価値がある」といった考え方をしており、相手が誠意ある対応、真摯な願いを向けてきた際は、それが誰であれ(一度は殺し合った相手であれ)話には応じ、また一度約束したことは、自分の命に代えてでも果たそうとする義理堅さがある。


総じていえば、他人に対して塩対応だが、それ以上に自分自身に対して非常に厳しい求道者的な性格であると言える。

また、スラム街では周りが大抵「敵か、敵予備軍」であるため気を抜けず、荒んだ対応になりがちだが、アキラ自身が「頼れる相手」と信用している数少ないケースでは、年相応の少年らしい素直な姿を見せる事もある。


能力など編集

少なくとも物語開始時点においては、身体的には特筆すべき点の無いスラム街の少年である。

特殊能力として「通信機器を使わずに旧世界製の高次ネットワークへ接続する能力(旧領域接続者)」を有しているが、これ自体は別にアキラ固有というわけでも、極めて稀有なレア能力というわけでもない。

旧領域接続者の中でも「たまたま、アルファとの通信相性が抜群だった」というアキラの個性が、結果として冒頭の出会いに繋がっているだけであり、アキラ自身はこれを「一生分の運はこの出会いで使い果たした」と評している。


総じていえば、それなりの特殊能力はあるが、作中世界の水準から見れば際立った素質というほどでもない一般人、といえる。


アキラが常人より優れているのはむしろ精神性であり、ポストアポカリプス世界であるにもかかわらず「誠意には誠意で応える、自分からは絶対に裏切らない」という稀有な美質に加え、ピンチに陥った時ほどむしろ開き直って覚悟を固められる切替の速さと図太さ、さらに不遇の状況でも他者を責めるよりは自分が努力してどうにかしようとする強い克己心にあるといえる。


「外面的な実力(戦闘力)は利害一致したアルファがサポートしてくれる(アルファの分担)」だが、それを動かす原動力、心理的なモチベーションを保つのは自分の仕事、と認識しており、ピンチに陥った時には「やる気と覚悟は俺の担当だ!」と口にすることで反撃のモチベーションに切り替えていく。


対人能力編集

スラム出身で礼儀作法や教養などとは無縁であること、スラム育ち故の猜疑心の強さから、対人関係はあまり芳しいとは言えない。「敵かどうか」の見切りも異常なまでに早く、敵だと判断するや即座に殺しにかかるため、スラム街の住人やハンター達からは「地雷のようなガキ」「何をするかわからない危険人物」と評されている。

またスラム育ち故に「こちらを食いものにしようとする相手」への警戒心も強く、腹に一物ありそうな相手には基本的に塩対応になる。

そうした殺伐とした物腰のせいで起きるトラブルも少なくなく、アルファにたびたびたしなめられている。


ただ一方で、根本的には素直な人間性を有している事、義理や誠意に重きを置く考え方をすることから、裏表なく誠実な対応をしてくる相手とは良好な関係を築いていることが多い。

つまるところ単に「スラムや荒野では気を抜くと死ぬので、敵になるかもしれない相手には相応の対応になるだけ」とも言える。


戦闘能力編集

物語開始時点では、ちゃちな拳銃を撃って一応は目標に当てられる程度の腕でしかなく、荒野のモンスターと戦うなど思いもよらない状況であった。

その後、利害が一致したアルファのサポートを受ける事でいきなりベテランハンター並みの実力を手に入れるものの、それ故に「これは借り物の力、自分は変わらず弱者のまま」というトラウマも引きずり続ける事になる。


また、このために先輩格のベテランハンターたちからは「身ごなしはどう見ても素人同然なのに、ベテラン並みの戦果を叩きだす訳の分からんヤツ」といった評価をされていた。


実際には、アルファが課すハードな訓練を真剣にこなし、また数多の修羅場を潜り抜けた事でアキラ自身の実力も相応に急成長していくが、アキラがその事実を認識できるようになるのは、先述の「弱者」の思い込みの強固さなどから、非常に時間がかかることとなる。


不幸体質編集

アキラの特筆すべき能力(?)として、とにかく尋常ではない不運に見舞われがち、というものがある。端的に言えば「フラグっぽい事を言うとそれに絡んだ不運が実現してしまう」とでもいうべきものであり、たびたび生死の境を彷徨うような目に遭っている。

冷静に考えればただの不運な偶然、オカルトであるはずだが、何度もそういう目にあったためにアキラはもちろん、そういった非科学性と対極の存在であるはずのアルファですら少し気にしているフシがあり、時には、冗談半分ではあるが厄払い的に「善行を積む」行動に出る事もあるほど。


人間関係編集

アルファ編集

遺跡で死にかけていたアキラを助け、一人前のハンターとしての力を与えた謎の美女。

生身ではなく立体映像で出現するが、その正体は旧世界の人工知能(AI)であり、自身の目的達成のために必要な「人間の協力者」として、自身を認識可能(旧世界ネットワークに接続可能)なアキラに目をつけた。

アキラにとっては相棒にして恩人であり、最も親しい相手だが、実はアルファの方はアキラを「道具」としか見ておらず、失敗しても次がいる程度の存在でしかないことが当初より示唆されているなど、不穏な関係でもある。

アキラもこの点は薄々察しているものの、前記の義理堅さから「そも自分はアルファがいなければ死んでいたのだから、アルファに協力するのは当然」と考え、深く問いただしていない。


シェリル編集

スラム街出身だが、一見してそうは見えないほどの美少女。

元はアキラと敵対していたスラム徒党(ギャンググループのような物)の一員だったが、徒党がアキラによって壊滅させられた後に行き場を失い、アキラを「次に頼るべき相手」と見定めて助力を依頼する。

当初はアキラとは「利害が一致しただけの関係」であったが、やがて惹かれるようになっていく・・・が、当のアキラがその想いに全く気付かないため、一向に進展しない。



シジマ編集

スラム街の中規模徒党の長。シェリル率いる徒党とトラブルを起こし、調停のための話し合いでアキラと対峙する。

結果的に血を見ずに事態を収める事に成功するものの、それが周囲からの「(少しでも扱いを間違えると即座に殺しに来る危険人物の)アキラとまがりなりにも話ができるヤツ」という評価に繋がり、気苦労をしょい込んでいくことになる。



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