「私のファーストキスは一番好きな人にあげるんだもん」
解説
主体はタイトルの通りに近未来のモータースポーツアニメではあるが、二人の恋愛物語も描かれている。
上記のあすかの台詞のように、各作品でハヤトとあすかのキスシーンがある。
TV版
スタートとなる2015年のハヤトは14歳。あすかは16歳
どちらかというと幼なじみの友達以上恋人未満。但し幼少時代は取っ組み合いや罵りあいの喧嘩もしている。互いのプライベートも知っていたりもする。
ハヤトはハヤトで、逆立ちしてあすかのスカートを覗く、Vハチとじゃれてのどさくさに紛れてお尻を触る、シャワー中にお邪魔と年齢に似合わずに盛りがついている。
ランドルにあすかのキスを要求されたレースでは見事に守り抜き、最終戦ではファーストキスをしている。
寄り道
※この時代の音声ドラマは後のCDシリーズとは違って公式扱いかは不明だが記載する。
TV版での北海道編であすかがハヤトのビタミン補強に『ドリアンとパセリのジュース』を作ったネタが好評(?)だったのか、あすかの料理がとんでもないという設定が話題になる。
その代表作がアニメイトカセットコレクション2巻「愛と哀しみの誕生日!」 。
ハヤトの15歳の誕生日に、あすかが心のこもった手料理をふるまう。
画のない音声ドラマなので作った量は分からないが相当な数らしい。
ちなみに、あすかの独創的な料理論は「栄養のある材料をどんどんぶち込む」とのこと。その恐ろしい料理を一人で食べるのは不可能と判断したハヤトは苦肉の策で、加賀、新条、ランドル、グーデリアン、ハイネルを招待。
画のない音声ドラマなのでどんな料理かは分からないが、招待されたメンバーは最初の一口を美味しそうに食べたところから、見た目はまともだったのかもしれない。
しかし、結果的にはハヤトが全員の押し付け同然で食べることになる。
画のない音声ドラマなのでハヤトの顔は分からないが、声優さんの苦悶の演技は拍手ものである。
そして、気絶⇒病院送りに。
これでようやく自分の料理に気づいたあすかはお詫びにちゃんとしたお粥を作る。
こうして、ハヤトがあすかの美味しい料理を食べられて15歳を無事に迎える。
11
『11』の2016年ではあすかが過酷なトレーニングに耐えるハヤトを気遣うことで、両想いの意識が芽生え始める。
最終話で11のトロフィーを獲得したハヤトはあすかをアスラーダに乗せて(上記の扉絵)、ウィニングランをする。
全シリーズ屈指の名シーンと言っても過言ではない。
ZERO
2017年でハヤトは『ZEROの領域』に到達。それによって壮絶な事故を起こし、救急搬送される。この時、加賀とあすかが輸血に協力。
※ハヤトの血液型はA型で加賀は同型。あすかはO型。O型血液は全血液に適合可能。
意識が戻ったハヤトは不動状態となった体を回復させる為にリハビリに専念。あすかも共に支える。身体機能の回復後、引退を機に婚約。しかし、翌年18年のレーサー復帰によりあすかから婚約を破棄される。
前年の恐怖症でブーストが引けなくなったハヤトに、あすかがインカムを介して助けることで克服。再度の婚約により、正式なカップルとなる。
その後、あすかはハヤトを幼馴染としてではなく、大切な人として支える為に医師資格の取得を目指して渡米。髪を短く切ったのは決意の現れなのかもしれない。
SAGA
寄り道2
「ROUND2 マスコットギャルズ・パニック」
話は前後するが、登場人物が大人として登場するのは2019年が舞台のドラマCD。あすかに続いてのキャンペーンガールを務める篠原めぐみと七瀬さつきが登場するのも本作から。
特にめぐみはハヤトの熱烈なファンなのでアタックが凄く、レース開催地のホテルでは上の階からベランダに侵入という常識外れの手段も行う。
それだけに、コロンビア大学で医師資格取得に向けて猛勉強中のあすかは気が気でない様子。
問題が起こったのは、フランスでレースの取材をしていた彩・スタンフォードがさつきの案内でSUGOのモーターホームを訪ねた際、ハヤトがめぐみとキスをして・・・いるような構図の写真をたまたま撮ってしまった。
実際は、転びそうになっためぐみをハヤトが支えただけなので唇すら触れてない。彩もそれを理解したうえでフィルムを新聞社に送る。
※同年代でも現実の世界ではデジカメが普及しているので写真を削除できるかもしれないが、本作が制作された時代はフィルムカメラが当たり前だったので作中には当然<存在>しない。あるいは、彩がフィルムにこだわっていると柔軟に解釈しよう。
ところが、そのネガを新聞社の何者かがゴシップ誌に横流ししたので大騒動に。
修には濡れ衣を着せられる、マスコミには追われる、挙句の果てにはあすかが大学のレポートを放り出してまで乗り込んでくる。
とんでもない修羅場になる・・・かと思いきや、最初は口論の嵐だったが徐々に鎮火。
ハヤトは「あすかならわかってくれる」
あすかも「ハヤトはそんな人じゃない」
とその日のうちにスピード解決する。この展開には彩も呆気にとられてしまうのであった。
・・・それだけに、後の展開の険悪さが少々気の毒だ。
本編
登場人物が大人の姿になるのは前述したとおりで、ハヤトは少年の面影を残しつつも猛々しさある顔。あすかは同性も憧れる美女(さつき曰く、めぐみに対して「あすかさんほどくびれてない」)となって登場。
本作のスタートとなる2019年のオーストラリア最終戦。ハヤトはシュトルムツェンダーのグーデリアンとハイネルが投入した新型マシン<シュティール>の連戦連勝に苦戦し、あすかのおまじないのキスを忘れて出場。
結果は惨敗。これを機にアスラーダと決別し、ガーランドに乗り換える。
ここから、2020年の本編が始まる。
しかし、他のチームの快調な成績とは真逆にハヤトの成績は延びず、あすかとチームの仲間達に苛立ちと不満を爆発させる日々を繰り返す。
この時のハヤトは婚約者とレーサーとしてのプレッシャーに悩まされ、あすかもハヤトが理解できないという状況なので両者の仲は最悪な状況になり、ランドルにも真面目に見下されてしまう。
そんな中、フロリダの休暇中にAOIを追放されてもストックカーレースで武者修行をする新条と彼を支えるみきに再会して、自分達の小ささと弱さを知る。
その日の夜、二人は海岸で謝罪と和解のキスをする。
そして、幼馴染みから大切な人へと理解を深め、身も心も大人として成長する。
アスラーダと再び組んだハヤトはかつてない強さを発揮し、あすかもその姿に胸を打たれる。
大きくネタバレしないように書くが、スペイン戦後にあすかも自前の医師能力を発揮し、日本戦ではハヤトを信じてのサポートをする。
ハヤトにとって、いつも隣にいてくれるあすかが一番の薬なのかもしれない。
余談だが、ハヤトは赤いスーパーカーを所有し、安全速度であればあすかも運転できる。
(余談2)8話ラスト直前、最終戦を終えた翌朝のシーン。ハヤトはホテルのベッドで上着を着ずに(恐らく全裸)横になっている。
そこへシャワーを浴びたあすかが戻ってきて、彼を気遣う言葉を口にする。
この時あすかは白いバスローブを着ているのだがハヤト目線で描かれている所為なのか、非常に胸の谷間が強調されている
(設定集などでもあすかのバスローブ姿のラフの掲載率は非常に高い。しかも正座して三つ指をついているのである)
極めつけは、最終戦でハヤトはトラブルにより満足にレースを行えない状態になっていた。
…いつもと違う行為を彼らが楽しんだことは想像に難くない。
小説版
福田監督自ら執筆した物語。アニメとは展開の異なる個所もある。特に、文字のおかげでスランプ状態のハヤトの心情と、近づこうにも近づけないあすかの気持ちも詳細に描かれている。
決定的に違うのはアニメ第三話となるカナダ戦。ハヤトがマシンの不調(とペイの不手際)でリタイヤするまでは同じだが、アニメではモーターホームの外であすかと口論だったのに対し、小説版では車内であすかと口論、癒しのキスを強引に要求、挙句の果てにはあすかに乱暴に準じた行為をしてしまう。
当然、あすかはハヤトへの恐怖に逃げたのは言うまでもない。
両作品の共通点として、ハヤトとあすかが大人になる展開と仲間割れを起こしたペイ達との関係修復の描写が無い。ファンはこの辺りにかなりの不満を持っているらしい。
一応、第六話にてあすかと『一仕事』終えたハヤトはビールを飲んでいる。
お酒を飲ますことで大人になったという表現だろうか?
でも、二人の進展と成長に違いはない。おめでとう。
新たなる挑戦者
初代PSにて販売されたゲーム。ただし、レースゲームというより恋愛シミュレーションに近いのでそこは割り切っておこう。
大陸横断レース「エクストリームスピード」が舞台(時期系列はSAGAの後と説明書から判断できる)。
SUGO入籍を目指す高校生レーサー・司馬誠一郎とキャンペーンガールとして出場する幼馴染みの同級生・結城レナを中心に物語は進む。
お馴染みのレーサー達との会話はもちろん、ハヤトとあすかの思い出話や応援を楽しく聞ける。
(あすかの水着にデレデレしながら注文を付けるハヤト等、あすか曰く相当なムッツリスケベらしい。この時司馬のフォローに「いーえ!」とあすかは強い口調で反論している)
意外な展開なのが<移動日>の夜。
司馬とレナが各レーサー達との会話を済ませた後に、SUGOグランプリ(司馬はSUGOウィナーズ)のモーターホームに再度入るとハヤトがあすかのシャワー中を覗き見しているという場面に遭遇。一応未遂に終わったが、あすかはバスローブ姿で激怒。
その時の会話が
あすか
「婚約者同士なんだから、素直に見せて、って頼めば見せてあげたのよ
それを覗きなんてこそこそして・・・。男らしくないのよ!
どうして、堂々と見せてっていえないの!」
ハヤト
「いえるわけないだろ! そんなこと!!」
と羨ましいほどのバカップルな口論をするのである。
そして、司馬とレナは呆れてものも言えず退散した。
これは第二戦後のめぐみと第三戦後のレナのシャワーシーンを見ないと出ないサービス展開・・・なのかもしれない。
(補足)この時、ハヤトではなくシャワールームのドアをクリックするとあすかのシャワーシーンを見ることが出来る。
当然、(横に居る)ハヤトに早々に追い出されるのだが…尚、2種類用意されているのはあすかのみである。
あすかのバスローブ姿の痴話げんかを楽しむか、ハヤトと並んでシャワーシーンをガン見するか分岐路を選ぼう。
このようにハヤトとあすかの進展は順調だが、司馬はレナを幼馴染として過ごした感覚が強すぎて彼女の気持ちに気づいてない。だから、あすかはからかい半分で司馬に気づかせようとするが筋金入りの鈍感なので空振りに終わる。
二人の物語が大きく動くのはランドルとの第五戦。ランドルはレナに対し「司馬に勝ったらキスをしろ」と要求。
司馬への侮辱に怒ったレナは我を忘れて受けてしまい、勝てる自信のない司馬はその怒りをレナにぶつけてしまう。
あすかは両者の仲裁に入り、レナから事情を聴くと全く懲りてないランドルに憤りを覚える。
レナのファーストキスを守れるかは、司馬(プレイヤー)にかかっている!
SIN
寄り道3
「SAGAⅡ ウェディング・ラプソディ」
時系列的にはSAGA~SINの間の話なのでこちらに記載する。
内容は修とクレア(とハイネル)がメインなのだが、冒頭で彩・スタンフォードとあすかが偶然アメリカのスーパーで出会うところから物語は始まる。
その後、あすかのアパートで二人は食事と歓談を楽しむのだが、あすかの秘蔵ワインを彩が取りに行った際に見つけた代物が、日本から持ってきたらしい可愛らしいパッケージの四角いギザギザ袋の入った恋人同士が使うエチケットの箱なのである。
(わざわざ日本から持ってくるのかと彩は問うが、この時「アメリカのじゃサイズが…」とあすかは爆弾発言をしてしまう)
(その後も酔っ払った綾がハヤトの下着を見つけたりするのだが、その後の流れで別の話になるので割愛する)
極めつけは、同じタイミングでハヤトがアポ無しであすかのアパートに来訪するのである。
(あすかがドアを開けた瞬間、会いたかったと言いながら飛びついて抱きつくハヤトの姿はとてもサーキットの帝王には見え……)
劇中の台詞にある「来ちゃったー♡」は若さ故のあや…いやあと10年はやりそうである。本当に幸せそうで何よりです。
尚、このエピソードでハヤトとあすかがNYの家に住むことになった経緯も垣間見ることが出来るので、ハヤあす好きには是非とも聞いて欲しい。
本編
所々で「事後」のシーンが描写されたり、巻数が若い方では二人(とシロハチ)といっしょにヨットでバカンスを楽しむ様子が描かれている。
この時、あすかに膝枕をしてもらい悪戯までするスケベ心を発揮するハヤトは流石帝王の貫禄と言ったところか(その後、即座にあすかに怒られていたが)
DVD特別シーンとなる2022年に結婚した。
ハヤト21歳。あすか23歳。
その他の恋人たち
ハヤトとあすかの他にも、新条直輝と城之内みき、ブリード加賀と葵今日子のカップルもいる。
日吉明もブラジルの農園で知り合った娘と交際。
ただし、結婚までには至っていない。
エデリー・ブーツホルツは母親からお見合い写真を幾つか渡されており目下思案中。
ピタリア・ロペは既に結婚しており、子供もいる。