※この記事は「OMORI」の物語の核心に迫る重大なネタバレを含みます。未プレイの方は十分ご注意ください。
弟が真面目すぎてお姉ちゃんは心配です!
概要
『OMORI』の主人公であるサニーと、その姉でヒロイン一人マリの姉弟につけられるコンビタグ。
二人の“絆”
幼い頃から一緒にいる姉弟だけあって何よりも特別な絆と感情で繋がっている。
普段は大人びた姿勢を崩さないサニーも大好きな姉の前だけは年相応に甘えん坊な弟の顔を見せる。
サニーが公園の湖に誤って転落し、溺れかけた時もマリは誰よりも早く湖に飛び込み、弟を救いだした。
サニーが無事に目を覚ましたのを確認したマリは崩れ落ち、弟にすがりついて今まで見たことがないほどの勢いで号泣したという。
それほどまでに姉と弟は互いを愛しているのだ。
叶わないデュエット
ただ、彼ら姉弟の間に全くすれ違いがなかったわけではない。
元よりピアノを嗜んでいたマリは『完璧な演奏』を目指してピアノの練習に多くの時間を費やすようになり、サニーと過ごす時間はますます少なくなってしまった。
それを気に悩んだマリは弟と少しでも多くの時間を共有するためにクリスマスイブの夜、親友達から募ったお金で買ったバイオリンをサニーにプレゼントした。
いつか、弟と一緒に発表会を開くことを夢見て……
しかし、常に『完璧な演奏』を要求する姉の下でバイオリンの練習をすること自体がサニーにとって耐え難い苦痛になっており、
発表会の前日、ついに溜め込んでいた不満が爆発、バイオリンを階段から投げ落とし、壊してしまった。
そして、
その行為が取り返しのつかない悲劇を招くことになる………
死してなお
マリは死んだ
死因は自殺ということになった。
殺すつもりなどなかった。
それでも、マリは死んだ。
どうしようもない後悔にまみれ、真実に向き合うことができなくなってしまったサニーは自身を深い精神の暗闇へと追いやり、全ての苦痛を押しつけられるもう一人の自分まで作り出し、都合の良い空想で彩られた精神世界に引きこもった。
それから4年の歳月を経ても、サニーの心は依然として晴れず、ますます罪悪感は募るばかり。
それは幼馴染みが差しのべた手をとり、外の世界に連れ出された後も同じで、ひきこもりになった自分に昔と変わらず思いやりをもって接してくれる親友達の優しさも今のサニーにはただ申し訳なく、苦しいだけ。
だが、度々正気を失いかけるサニーの前に現れたのは、4年前のあの日と何ら変わりないマリの姿だった。
マリはそんなサニーを許してくれた。
マリは今でも弟を愛していること、そして弟が罪悪感から解放され、新しい幸せを見つけられることを強く願っていることを告げた。
それが現実から逃避するためにサニーが見た都合の良い夢幻だったのか、
はたまた、弟を追い詰めてしまったことへの謝罪としてマリが見せた最後の慰めだったのか、
それは誰にもわからない…………