概要
三津田信三による作家の刀城言耶を主人公としたホラーミステリシリーズ。怪奇幻想作家の刀城言耶が訪れた先々で起こる怪異な伝承に絡んだ事件に挑む。
2006年2月に「厭魅の如き憑くもの」が出版されてシリーズ化した。
主な登場人物
刀城言耶(とうじょう げんや)
作家。筆名は東城雅哉(とうじょう まさや)。怪奇幻想小説や変格探偵小説を執筆する。処女作は迷宮社発行の『九つ岩石塔殺人事件』。趣味と実益を兼ねた怪異譚蒐集を行うために、日本の各地方を民俗採訪している。なお刀城家は元華族の家柄である
祖父江 偲(そふえ しの)
東京都にある戦後にできた新興出版社で、月刊の探偵小説専門誌『書斎の屍体』を刊行する怪想舎(かいそうしゃ)に務める女性編集者。言耶の担当編集で取材旅行にも秘書気取りで同行する。本シリーズのヒロイン的な存在。
阿武隈川 烏(あぶくまがわ からす)
民間の民俗学者。言耶の大学時代の先輩。あだ名は「クロさん」。京都の由緒ある神社の跡取り息子。自身が名探偵だと勘違いしている迷惑な人物だが、民俗学関係の情報網は確かなものを持つ。
刀城 牙升(とうじょう がじょう)
言耶の実父。探偵。私立探偵の大江田鐸真(おおえだ たくま)に弟子入りする。探偵活動は冬城牙城(とうじょう がじょう)の名義で行う。「昭和の名探偵」と呼ばれる。
シリーズ作品
長編
厭魅の如き憑くもの(まじもののごときつくもの)
単行本:2006年2月28日 原書房〈ミステリー・リーグ〉
文庫版:2009年3月13日 講談社〈講談社文庫〉 (解説:千街晶之)
凶鳥の如き忌むもの(まがとりのごときいむもの)
ノベルズ版:2006年9月6日 講談社〈講談社ノベルス〉
単行本:2009年4月28日 原書房〈ミステリー・リーグ〉
文庫版:2012年10月16日 講談社〈講談社文庫〉 (解説:佳多山大地)
単行本には短編「天魔の如き跳ぶもの」が収録されている(後に短編集『生霊の如き重るもの』に収録)。
首無の如き祟るもの(くびなしのごときたたるもの)
単行本:2007年5月7日 原書房〈ミステリー・リーグ〉
文庫版:2010年5月14日 講談社〈講談社文庫〉 (解説:柄刀一)
山魔の如き嗤うもの(やまんまのごときわらうもの)
単行本:2008年4月28日 原書房〈ミステリー・リーグ〉
文庫版:2011年5月13日 講談社〈講談社文庫〉 (解説:芦辺拓)
水魑の如き沈むもの(みづちのごときしずむもの)
単行本:2009年12月10日 原書房〈ミステリー・リーグ〉
文庫版:2013年5月15日 講談社〈講談社文庫〉 (解説:光原百合)
幽女の如き怨むもの(ゆうじょのごときうらむもの)
単行本:2012年4月23日 原書房〈ミステリー・リーグ〉
文庫版:2015年6月12日 講談社〈講談社文庫〉 (解説:皆川博子)
碆霊の如き祀るもの(はえだまのごときまつるもの)
単行本:2018年6月28日 原書房〈ミステリー・リーグ〉
文庫版:2021年6月15日 講談社〈講談社文庫〉 (解説:大崎梢)
忌名の如き贄るもの(いなのごときにえるもの)
単行本:2021年7月27日発行(2021年7月29日発売) 講談社
文庫版:2023年9月15日 講談社〈講談社文庫〉 (解説:白井智之)
短編
密室の如き籠るもの(ひめむろのごときこもるもの)
生霊の如き重るもの(いきだまのごときだぶるもの)
魔偶の如き齎すもの(まぐうのごときもたらすもの)