人に感謝される喜びをはじめて知った――
概要
小説家になろうで連載されていた小説。
原作者は『冬月光輝』、デザインは『昌未』現在は完結しており、2022年現在オーバーラップノベルスfより1~3巻、コミックガルドよりコミック版が1巻発売中。
コミカライズ担当は『綾北まご』。
国を守る聖女として完璧であろうとするあまり『笑わない聖女』と呼ばれる主人公が、あまりにも多才過ぎて周囲から腫れ物扱いされた末に国を追放されてしまうが、追放先の隣国での交流を経て本当の幸せを掴み取る物語。
いわゆる追放ものではあるが、主人公は自分を裏切った愚か者でも見捨てず故郷の心配をする等『ざまぁ』要素はあまり無い。
あらすじ
(原作のサイトから引用)
代々聖女の家系に生まれたフィリアは両親から真面目なだけで、愛想もなくつまらない子と言われ続けて、スパルタ教育を強制させられていた。
そのおかげで歴代の聖女の中で最高の力を持つとまで評される才女となり、この国の第二王子であるユリウスと婚約する。
しかし、ユリウスはパーティーで出会ったフィリアの妹であるミアに一目惚れして、彼女と結婚したいと一方的に婚約破棄をする。
その上、ミアがフィリアに遠慮しないようにと、聖女がいない隣国に金と資源と引き換えにフィリアを差し出すという話をまとめていた。
魔物が増え続け、良くないことが起こりそうだと予知していたフィリアは、それは危険だと忠告したが、ユリウスは聞き入れない。
両親や国王にも外堀を埋められて、半ば追放のような形で隣国に売られたフィリア。
隣国で彼女が英雄のように奉られた頃、故郷は魔物たちの手によって国家滅亡の危機に瀕していた。
登場人物
- フィリア・アデナウアー
主人公。ジルトニア王国で代々聖女を輩出してきたアデナウアー家の聖女にして、歴代最高と呼ばれる程の天才。
幼少期より狂気とも言える程過酷な修行を行っており、国の為に魔物対策の技能に護身術、更に薬学や建築等幅広い分野で活躍できる程多才。
しかし、その才能から男尊女卑を当たり前に思う第二王子一派から疎まれ、更に両親からも愛情の欠片も与えられた事が無い。
また聖女としての務めを果たす為研鑽を積んできたが、それを優先するあまり感情表現が苦手で、周囲からも「笑わない聖女」と呼ばれる様になっていた。
隣国パルナコルタに売り飛ばされてしまうが、そこで運命の相手に巡り会う。
実はシスコン気味。
- オスヴァルト・パルナコルタ
パルナコルタ王国第二王子。気さくで情に厚く、趣味は農業。王位に興味も無い。
兄の妻であった自国の聖女が亡くなった為、隣国のジルトニアが聖女を売る話は渡りに船だったが、金と引き換えに故郷から引き離すやり方に異を唱え、最後まで反対していた。
フィリアが来てからは自ら出迎え、彼女に対しせめてもの償いとして、『いつかこの国を愛して貰えるように努力する』と誓う。「愛」を知らずに育ったフィリアに大きな影響を与えていく。
復活した悪魔の事件を経て、正式にフィリアと婚約する。
- ミア・アデナウアー
フィリアの妹で、彼女がパルナコルタの聖女となった後正式にジルトニアの聖女となる。
姉と違いよく笑い感情豊かで、誰に対しても分け隔てなく社交的。両親から愛されて育った。
この手のキャラには珍しく姉妹の仲は非常に良好で、姉からの贈り物を貰っただけで感極まる程。
姉の才能を妬むどころか尊敬しており、両親が姉を邪険に扱っていた事は隠されていた為知らなかった。
聖女としての実力は姉の方が優れていると思っているが、魔物に有効な結界の設置の早さはフィリアよりも上で、自覚はあまり無いが彼女自身も非凡な人物。
姉の急な追放に疑念を抱き、腐敗した貴族達に立ち向かう覚悟を決める。
- ユリウス・ジルトニア
ジルトニア王国第二王子。病に伏せている国王や病弱な兄に代わり国の実権を握っているがプライドが高く、婚約者のフィリアが様々な分野で活躍するのが気に入らず、愛想笑いの一つもできない彼女を『可愛げがない』という理由でパルナコルタに売り、更に妹のミアに一目惚れした為婚約破棄して乗り換えようとする下衆。
しかしミアからは姉の追放後に少し会話しただけで嫌悪され、パルナコルタでもフィリアへの扱いに関して疑問を抱かれる。
企みがバレて失脚後も性根は変わらなかった模様。