僕は伝説の大妖怪。だが人間を脅かすほどの力をまだ持っていない。
ほかの仲間と比べても、僕の翼は服にすっかり隠れてしまうほど小さい。
仲間たちは翼を使い嵐を起こす事ができるが、僕には地面の落ち葉を巻き上げる風を起こすくらいしかできない。
僕は大天狗。生まれてからずっと、誇り高く生きてきたが、常に引け目を感じてきた。
伝説によれば、天狗たちの崇高なる白雲山という場所があるという。そこの景色を目にしてはじめて、大妖怪として認められると言われている。
僕は山々の頂に立ち、雷鳴と稲妻が入り乱れた空を眺めては、自分の背中にある弱々しい翼を見つめて思う。僕は一生、その景色にふさわしい者にはなれないだろうと。
(伝記一より)
僕は伝説の大妖怪。だが人間を脅かすほどの力をまだ持っていない。
ほかの仲間と比べても、僕の翼は服にすっかり隠れてしまうほど小さい。
仲間たちは翼を使い嵐を起こす事ができるが、僕には地面の落ち葉を巻き上げる風を起こすくらいしかできない。
僕は大天狗。生まれてからずっと、誇り高く生きてきたが、常に引け目を感じてきた。
伝説によれば、天狗たちの崇高なる白雲山という場所があるという。そこの景色を目にしてはじめて、大妖怪として認められると言われている。
僕は山々の頂に立ち、雷鳴と稲妻が入り乱れた空を眺めては、自分の背中にある弱々しい翼を見つめて思う。僕は一生、その景色にふさわしい者にはなれないだろうと。
(伝記一より)