概要
不整脈の一種であり、その中でも特に危険な致死性の不整脈。公共機関などに置かれているAEDは、心室細動を対象としたものである。
よく聞く心房細動と名前は似ているが、重症度はまるで違う。心房細動は字の如く心房が細動していており、目眩がしたり血の澱みが溜まって血栓になり脳梗塞などになる危険性があるが、心房から一旦心室が脈を整えて全身に血液を送り出す為、致死性という訳ではない。
対して心室細動は、心室から全身に送り出される筈の血液が細動してきちんと全身に送られない事であり、心室細動になれば数秒後に意識を失って心停止になり、迅速に治療しなければ死んでしまう。
迅速な治療方法はAEDや除細動器で電気ショックを与えて脈を正常に戻す事である。意識があるととっても痛い上に火傷のリスクがあるが、血栓さえなければ体にはほぼ副作用のない安全な治療法である(血栓があると全身のいずれかに血栓が飛んで脳梗塞などになってしまう)。
原因は心筋梗塞や心筋症などを起こしている為に、心臓が正常に動かず心室細動を起こす事もある。その後も心室細動を定期的に起こしてしまう場合は、ペースメーカーによく似た植え込み型除細動器(ICD)を植え込む必要がある。