行き倒れとは、主に外出や旅行中(放浪中)に病気や栄養失調、熱射病や寒さによって倒れてしまうこと。或いは、それによって死亡すること。
創作作品では、比喩的な(或いは喜劇的な)表現で使われることもあれば、作品の冒頭 導入部、ラストシーンの悲劇的結末として使われることも。
行旅死亡人
所謂、行き倒れ状態で死亡した身元が不明な人物(の遺体)を指す言葉。行き倒れ状態でも、まだ息があれば「行旅病人」とされて必要な措置が取られるとされる。
遺体発見後の捜査の結果、近親者の手掛かりが見つからなかった場合、国の広報誌である『官報』に掲載され、引き取り手の連絡を待つことになる。
余談だが、基本的に官報は簡素な文面ではあるものの発見された区市町村や担当した市役所職員によって個性が現れる事もある。
とはいえ、こちらは「身元が不明で引き取り手がない遺体」全般を指すので、一般的な”行き倒れ”のイメージから離れたなど例がある。
具体例
- 身元が判明しているが引き取り手となる近親者のいない遺体
- 独居生活で孤独死した老人など。
- 身元が判明しており近親者もいるが、引き取り側の事情により引き取りを拒否された遺体
- 「縁を切った(関わりたくない)ので引き取れない」「経済的理由(困窮)で引き取り費用を捻出できない」などの事情から。
- 死蝋化、炭化、白骨化、死体の一部しか発見されていないなどで損傷が激しく身元の特定が困難な死体
- 例えば空き家で腐敗の進んだ死体を解体業者が発見した、人骨の一部が網に引っかかっていたのを漁師が発見したなど。
- 棄児、えい児など
- 病院等以外の場所で出産し、その後放置・遺棄した場合など。
- 戦災や自然災害の犠牲者
- 学校や病院跡地などで発見された標本
- 具体例を挙げると本物の人骨を使った骨格標本、ホルマリン漬けにされた胎児や内臓の一部など。
- 古戦場跡やかつての墓所と見られる場所から発見された人骨
- 数百年以上前の死体に心当たりのある人がいるとは到底思えないが、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」の定義には当てはまる。とはいえ実際の運用は「死亡の日時は戦国時代から明治時代初期と推定される。」というように明治時代以降に死亡した可能性で分けていると見られる。
- 密入国の失敗などで海外から漂流した死体
- 具体的な例では北朝鮮から木造船と共に漂着した死体など。