「豊土」とよひじ、とは『ドリフターズ』(平野耕太)に登場する島津豊久×土方歳三の腐向けカップリングタグである。腐向けタグである「ドリ腐」及び「腐向け」タグと併用、また各キャラクタータグは用いないことが望ましい。
首の掻き合いを根本にした喧嘩ップル。
原作の描写(ネタバレ注意)
出会いは単行本第4巻第40幕『みつめて☆新選組』。ヴェルリナ市街戦において激しい戦いを繰り広げた。その際、互いの武士としての在り方、生き様においても激しくぶつかり合った。
「ははぁ さては 俺らの子孫がなにかしでかしてしもうたかの」
「薩奸死すべし」
豊久の羽織に刻まれた島津十字の紋を見て土方は上記の「薩奸(さつかん)」という言葉や多くの島津に対する恨み節を吐くが、それらは土方が生前、時は幕末に於いて薩摩・長州と彼の属する新選組が激しく対峙したことに起因していると思われる。
なお、それらの言葉を受けても当の豊久は飄々としており、逃げ回ったり食器を投げつけたりアカンベーなど、むしろ土方を煽るような行動を多々行う。それらの行動に逐一激昂する土方であったが豊久はそのような気はなく、信長の策を成功させる為の時間稼ぎであった。その際に豊久は、個を犠牲にして全を生かす島津の生き方を土方に語るが、土方は逆に「てめえら島津のそれが俺達を殺しやがった」と感情を露わにする。
最後には刀もなく組み合っての殴り合いとなったが、黒王からの強い帰還命令に渋々従った土方の退陣により、漂流者及び豊久のヴェルリナ市街における戦さは幕を閉じた。なお黒王の声は土方にしか聞こえておらず、豊久は土方が逃げたと勘違いして「飛んで逃ぐるとは許せん」と非難する。土方はそれに対し心中で「逃げ飛び回っていたのはお前だろうが」と返している。
しかしながら、土方はヴェルリナ市街戦から帰還の道すがらにおいて豊久の「日本武士と戦えたち思うだが」という言葉を反芻し、己が武士だと認められたことに微笑んでいた。
第5巻において黒王軍の南伐に参加する土方だったが、第55幕『Becoming Insane』内モノローグにおいて
「なぜだ なぜ心が沸かん」
「俺は戦餓鬼だったはずだ 戦が大好きだったはずだ」
「だが」
「あの糞馬鹿との殴り合いは 楽しかった」
などと語るなどしている。
第6巻第68幕『Wind』において豊久は信長らを廃城へと逃がすため黒王目がけ敵軍へ中央突破を行うが、やはり多勢に無勢であり最後には豊久とドワーフ一人の計二人になってしまう。
そして第71幕『新撰組』にて再会。土方が豊久の前に現れ、決着を付けようと持ち掛けた。豊久もそれに応じようとするが、既に刀は折れ、しかも立ち上がることもできなくなっていたことから土方に、切腹がしたいので刀を貸して欲しい、という旨を話す。土方はそれに対し「この くそやろう」「薩人はいつもこうだ 末期の末までくそやろうだ」とモノローグで語り「なますに刻んでやる」と拒否した。
豊久の首を落とそうとする土方だったが、旧知と思われる声がそれを引き留め(姿はなかったがおそらく土方の能力)、さらに亡霊ではあるが顕現したかつての親友の姿を見てその本心を吐露する。それを聞いていた豊久から「泣いとるがか?」と問われたことで激昂。(ちなみにこのシーンにおいて、どのコマにも土方が涙を流している描写はないが……)そこに黒王軍のコボルトが攻めてきたが、土方は激昂した勢いのまま部下であるはずの彼らを斬り殺してしまう。豊久を守ったというわけではないが、土方の中で何かが変わったシーンであることは確かである。
そして7巻では……
武将として生まれた豊久と武士になりたかった土方、二人の思想の違い、幕末における薩摩と新選組の関係など、史実を絡めた創作が多いのも魅力である。
関連タグ
ドリ腐 妖怪首おいてけ(ドリフターズの島津豊久) 土方歳三(ドリフターズ)