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概要編集

霊的真理は、人間が作り出した宗教的真理ではなく、霊界にいる高級霊たちが発信し、地上の霊媒を通じて人間に伝えられた、霊界や地上界を貫く法則の事実です。つまり神が創造した大自然・森羅万象の摂理のことです。それは永遠に普遍の摂理であり、全ての事にあてはまります。


1.神が宇宙を創造し、全ての法則・摂理を支配している編集

まず、宇宙・霊界は神によって創造されました。神は唯一の存在であり、

無形の存在として、法則を通じて霊界・宇宙を支配しています。神は人間

にとって霊的な親であり、愛なる親であります。


2.人間編集

人間には目に見える肉体に浸透するように、霊体という別の身体が重なっ

て存在しています。霊体と肉体は銀色の帯(シルバーコード)で結ばれてい

ます。


3.死編集

死というのは、シルバーコードが切れて、肉体と霊体が“完全に分離”して

しまうことです。死によって肉体は滅び土に返りますが、霊体はそのまま存

続し、永遠に生き続けます。死んで霊だけになれば、「脳を介さない意識

――霊の意識」がそのまま存在するようになります。


4.死後の世界-幽界と霊界編集

死後、切り離された霊体は、他の霊によって導かれ、幽界へ行きます。


幽界は、地上とそっくりですが、それよりも美しく、思ったことが全て叶いま

す。地上の夢がそのまま実現する世界で、まさに地上の楽園そのもので

す。


そして最初は誰もが、「ここに永遠にいたい……」と思いますが、幽界で生

活をするうちに、例外なくここに飽き、別の世界へ行きたいと思うようになり

ます。


幽界では、物質的欲望・物質的好みがすべて実現し、“錯覚”の喜びを心ゆ

くまで満たすことがでます。しかし、幽界はその一方で、それらの欲望が本

当に価値あるものではなく、自分がこれから求めていくべきものでないこと

を、イヤというほど知らされる世界でもあるのです。


自発的に進歩の道を歩もうと考え、幽界をへた霊は、いよいよ本格的な霊

の世界である霊界での生活を始めます。


5.類魂と再生編集

霊界入りした霊は、同じ成長レベルの他の霊たち(同じ界層にいる霊たち)

と共同社会を営むようになります。


共同社会をつくり上げたメンバーは、霊格は言うまでもなく、情緒、嗜好性

にいたるまで極めて高い類似性・共通性をもっています。この心の共通性

ゆえ、全体として“大きな一つの心”をつくり上げることになり、これを類魂

といいます。


霊界の類魂の中に入ると、類魂の中のメンバーと「あなたと私は同じ」という

奇蹟が起こります。「心の融合化、心の合一化」がなされるのです。


同類魂メンバーの心が私の心になり、「私の心は皆の心、皆の心は私の

心」となります。こうした想像を絶するような“主観”の世界が展開します。


自分の経験・知識・心は一気にふくらみ、大きな自分となり、意志と精神と

感情が爆発的に拡大し高められます。自分自身が大きな自分になる一方

で、自意識と自分の根本的自我は失われず、それでいて性格と能力が飛躍

的に大きくなります。


霊たちは類魂の一員となって、全体としての“内面的協調”の生活がいかに

すばらしく、いかに美しいかしみじみと実感します。ここにきて初めて、地上

生活では免れ得ない自己中心性という“地上的必要悪”から完全に解放さ

れるのです。


さて、こうした類魂が全体として成長するために、メンバーの一人が代表とし

て地上体験を求めて再生するようになります。そして地上での体験を死後、

類魂に持ち帰って全体へ還元し共有するのです。


一方、個々の霊は、意識の面では類魂という大きな意識体そのものである

が、霊体という個々の外形によって区別されるように、一個の存在としての

一面も持っています。


地上に償うべき“カルマ(借金)”がある時、個の存在としてカルマを作った以

上、そのカルマの清算・償いは本人自身がしなければなりません。意識は

類魂として大きな私であるが、カルマは法則によって、どこまでも個々の領

域において適用されるようになります。


地上に残したカルマがある時、霊界では、それが成長のための足枷となっ

ていることがはっきりと分かるようになります。自己の償いのため、「地上人

生を再び送りたい!」と思うようになります。そして一個の霊の希望によって

再生が為されるのです。


つまり、一人の霊の再生は、類魂の一部分としての『部分再生』と、一個の

霊のカルマ清算・罪の償いのための『全部再生』という、全く異質な二要素

が同時に進行していくのです。


6.守護霊編集

ところで、受胎の瞬間から(ある時にはそれ以前から)死を迎える時まで、地

上人生を送る間、ずっと一人の守護霊が付き添うことになっています。どん

な人にも必ず一人の守護霊がいます。


守護霊は地上人のたどる運命をあらかじめ知っていて、地上人の魂の成長

のために“最善の道”を歩ませようと努力・援助するのです。


守護霊は親が子を見守るように深い愛情を持って、献身的にわれわれを助

け導いていてくれています。その愛は、地上のいかなる人間関係の愛よりも

深く強いものです(地上人側が実感できなくとも)。そして誰よりもわれわれ

のことを深く知っていてくれます。


このように、われわれは常に最大の愛で愛されているのであり、決して一人

ぼっちではありません。忘れ去られている人は絶対にいません。神の愛は、

地上にいる間はこの守護霊を通じて届けられているのです。


7.地上生活の意味編集

前述の通り、魂の成長を為すためには、地上生活での“罪を償う”ことが

不可欠となります。


死後、霊界に行って“霊的視野”を持つようになると、自分の地上人生で何

が足りなかったのか、何が失敗であったのか、明確に分かるようになりま

す。次なる成長を為すために、地上でのどんな体験が必要かも分かるよう

になります。そして自らその体験を望むようになる。このようにして“再生”

(地上再体験)への準備が為され、時がきて地上への再生ということになる

わけでです。


新しい再生の人生の目的ははっきりしています。魂の成長を為すための、

償いと不足分(未熟さ)の埋め合わせをすることです。そして因果律によっ

て、必ずそのための道が展開するようになります。


このように、その人間の地上人生は生まれる前からすでに決まっていて、こ

れが運命なのです。ゆえに「生まれつきの運命はある」ということなのです。


8.因果律と魂の成長編集

因果律(原因と結果の法則)は次のようにまとめられます。


霊的法則からずれた間違った歩み・利己的歩み(原因)→ 償いの道(結果)

魂の成長が不十分・実践不足(原因)→ 埋め合わせの道(結果)

霊的貢献・利他的、善の歩み(原因)→ 霊的恵み・魂の成長(結果)


誕生に先立って成長のために自ら選んだ運命の大半は、苦しみの体験で

あることが多いです、具体的にどのような形で生じるかということについて

は、地上のもろもろの条件・状況によって決められ、さまざまな形で現れま

す。また、生じる時期も状況に応じて異なり、細かな部分まで百パーセント

“人生の航路”が決まっているわけではありません。


しかし、魂の成長にとって必要な道(試練・苦しみ)は必ず展開するようにな

ることから、運命の“大枠”は決まっている、と言えます。


魂成長のための苦しみの体験は因果律の働きで自動的に生じますが、そ

れを活用して魂の成長へ結び付けるかどうかは、本人の自由意志に委ね

られていて、他からの干渉はありません。


この自由意志による決定については、霊界の守護霊も干渉することは許さ

れません。善い方向へ向かうのも、ムダな道をわざわざ歩み苦しみを長び

かせるのも、本人の意志であり、すべての責任を本人が負うのです。


苦しみを避けて通ろうとするなら、因果律の働きによって、必要な償い・埋め

合わせを完了するまで何度でも同じ苦しみが生じてきます。同じような苦し

みに遭遇する道を、繰り返し歩まなければならないということになります。


地上での苦しみは、永遠の人生から見ればほんのわずかな期間です。

その時は確かに苦しいが、いつまでも続くわけではありません。霊界で

はその何十倍も報われ、幸せになれるのです。それが分かれば、地上

での苦しみは本当は不幸ではありません。霊界での報いという確実な

保障があるからです。


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