ThinkPadとは1992年からIBMが販売しているノートパソコンである。
概要
IBMが販売しているノートパソコンであり、1992年から開発・販売が開始された。
しかし、IBMの経営悪化による事業不採算が原因により、2005年に中華企業のレノボに売却された。
現在はサポートと共にレノボが継承している。
歴史
ThinkPadが誕生する2年前の1990年にPS/55シリーズの5535-Sが登場し、PC/AT互換機が普及する契機となった。
翌1991年に、デザインを含めたThinkPadの直接の前身であるPS/55note 5523-Sが登場。
1992年にThinkPadブランドが登場し、10月にThinkPad 700、700C、700Tが発売された。
キーボード中央の赤いトラックポイントはこの時より登場し、ThinkPadは日本で開発されたが、世界共通ブランドとして全世界で発売されたため、公式な「初代ThinkPad」は当モデルである。
特徴
ThinkPadには、他のノートパソコンにはない特徴が多くある。
ハードウェア
つや消し黒の筐体を基調に、赤いトラックポイントをアクセントとして配する重厚なデザインが外観的特徴である。もともとIBM PCでは汎用機同様の灰色とクリーム色の組み合わせが使われており、実際、初代ThinkPadの前身といえるPS/55 5535-SというラップトップPCでは、伝統的なクリーム色が使われている。この伝統とは一線を画すデザインが採用されるまでには、IBM社内で幾分議論があったようである。最終的にこのデザインを決めたのはIBMのデザイン顧問であったリヒャルト・ザッパーであり、その過程での実質的な中心人物は、神奈川県にあるIBM大和事業所にいた山崎和彦である。
そして、特徴的なキーボード配列にも注目していただきたい。
ThinkPadのキーボードは、基本的にすべてのモデルでフルサイズキー(キーピッチ・キーサイズが18mm以上)、かつ キーストロークが大きめ(約2.5mm)の7列配列のキーボードを採用しており、Insert/DeleteキーやPageUp/PageDownキーなどの幾何学的配置がデスクトップ用キーボードと大きく変わらないように工夫されている。
何と云っても、キーボードの中央に鎮座する赤ポチがThinkPadの十八番と云っても過言ではない。
黒の筐体と並んでデザイン的中核となるのが、赤いキャップを配されたトラックポイントと呼ばれるポインティングデバイスである。トラックポイントは元々、無重力の宇宙空間ではマウスが使いづらいことから、代替のポインティングデバイスをNASAが要望し、それに応える形で開発されたという説がある。
このように、他にはない個性的かつ実用的なThinkPadを使ってみては如何だろうか。
その他
ThinkPadは、神奈川県にある大和事業所で非常に厳しいテスト(「拷問テスト」と呼ばれる)を行い、高品質、高信頼を得ている。
また、部品などのオプション部品が注文出来る上、“保守マニュアル”と呼ばれる冊子が発行されており、本体の分解図や各部分を構成する部品番号が公開されており、現行もしくは少々型落ちの機種でもPDF形式でレノボのサイトよりダウンロードできる。
更に部品センターに電話をすれば、予備用バッテリーからキーボードや部品固定用のビス1本に至る保守用部品まで、多くの部品をバラ売りしてもらえるため、少々機械いじりに自信のあるユーザーなら、自己責任にはなるが、前述の保守マニュアルを参照しながら故障箇所を修理・交換することもできる。
製品シリーズ
アルファベット1文字とアラビア数字3桁シリーズ
- ThinkPad Rシリーズ
- 低価格でコストパフォーマンスに優れたシリーズである。
- ThinkPad Tシリーズ
- パフォーマンス性に優れ、モバイルワークステーションとしても使用できる。
- ThinkPad Xシリーズ
- 携行性に優れ、モバイルコンピュータとして。
- ThinkPad Wシリーズ
- モバイルワークステーション向けのシリーズである。
その他にも様々なシリーズが有るので、探して自分に合ったThinkPadに出会うと良いだろう。
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