概要
前当主であるアーサー・ヘルシングに続き、現当主であるインテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングの2代に渡って仕える執事。
物腰は極めて穏やかにして万事に通じ、時にはジョークも披露しながら「老いすら楽しむのが紳士(ジョンブル)の嗜み」とする表の顔と、かつて「ゴミ処理係」としてヘルシング家に牙を剥く輩を容赦なく抹殺していた冷酷にして非情な裏の顔を併せ持つ。
アーカードやアレクサンド・アンデルセンなど、超常的な能力を有する人外が大多数を占める作中にあって純然たる人類最強の存在。
変遷
少年期(10代~)
イギリス本土にはびこるミディアン(闇の世界に跋扈する人外の総称)、特に吸血鬼の殲滅任務を以って代々の家名とするものの、酒と女に目が無い上に無責任にして豪快な振る舞いでアイランズやペンウッドの頭痛の種となっていた若き日のアーサーの手綱を取り切った唯一の人物だが、その一方でいざ出撃命令を受けて執事の任を離れると本来の慇懃無礼、素行不良の本性を露わにし、狂気を帯びた破滅的嗜好を剥き出しにして確実に、且つ徹底的に対象の誅殺を楽しむ事から「死神」の異名を持つ。
第二次世界大戦末期の1944年9月にアーサーの特命を受けてアーカードと共に出撃し、ポーランド首都ワルシャワの一角にある館で地下活動を行っていた少佐率いるナチス第三帝国軍親衛隊大隊「ヴェアヴォルフ」と交戦する。大尉との一騎討ちで圧倒的な力量差から窮地に陥るがアーカードの気まぐれで救われ、グールの兵器転用研究所でもあった館を2人で研究成果もろとも完全に破壊する。
本来の壮年期の姿を「老ウォルター」とする区別からその対極にある「若ウォルター」の通称、または「少年ウォルター=ショタウォルター」である事から「ショルター」の略称で親しまれ、特に二次創作上では引く手数多の人気を得ている。
全盛期(20~30代)
声優:浪川大輔
アーカードが再びヘルシング家地下深層に封印されて以降は執事の任に重きを置きつつ、ヘルシング家に仇なす存在の監視、抹殺に暗躍する「ゴミ処理係」を請け負うようになる。この頃には少年期の粗暴な振る舞いは徐々に鳴りを潜め、逆に英国紳士としての落ち着きを醸し始める。
後に、己の全てを代償としてミレニアムに降った際にドクの施術を受けてこの頃の姿に戻り、少年期以上の戦闘能力と鋼線術を駆使して満身創痍のアーカードを追い詰めるが、土壇場の奇策によって千載一遇の機会を逸した上、未完成の人工吸血鬼製造理論(アーカード曰く「ろくでもない外法」)から来る過大な負担によって肉体組織の崩壊を迎え、アーカード打倒の未成就に悔いを残しつつ逃亡を図るドクを道連れに人生の幕を引く。
黒を基調とした登場時の衣装から、「黒ウォルター」の通称を持つ。
壮年期(~69歳)
声優:清川元夢
アーサーが没した直後、アイランズの指摘から次期当主の座を狙う実弟リチャード・ヘルシングが凶行に至る確信を即座に見抜き、リチャードによるインテグラ襲撃に際して封鎖されていた地下深層に続く道を逃走経路の終着点となるよう巧みに画策し、インテグラとアーカードの邂逅を実現させる。以後、その画策に導いた本心を己の奥底に隠し続け、ヘルシング家の雑務全般を取り仕切る執事の任に専念し、機関長として経験の浅いインテグラを補佐する。
バレンタイン兄弟によるヘルシング機関本部襲撃事件を契機に、長らく封印していた鋼線術を用いてインテグラに振りかかる災難を退けるようになるが、ミレニアムによる第二次ゼーレヴェ作戦で阿鼻叫喚の地獄と化したロンドンで大尉と対峙し、インテグラを逃がす格好で遠ざけるとその足で少佐の待つ飛行船へ向かい、理論の不完全性を承知の上で己の全てと引き換えにドクの施術を受けて全盛期の姿を取り戻した人工吸血鬼と化し、ついに半世紀以上に渡って着々と準備を進めてきた満願成就の一時を迎える。
一般的にヘルシングにおけるウォルター、またはウォルター・C・ドルネーズはこの壮年期の姿を指すが、前述の少年期と区別するために「老ウォルター」の通称を持つ。
関連イラスト
- 少年期
「夜中に集まって隠れて、何をシコシコやってんのさぁ?フン族の兵隊ども。」
「家人の危急をお救いするは、執事たるもののお仕め故。これより、アンタらを地獄に送る。」
- 全盛期
「吠えるな、駄犬。」
「納得したはずだ!納得して反逆したはずだ!納得してこのザマになったはずだ!!」
- 壮年期
「あの小僧に、我々の授業料がいかに高額か教育してやりましょう。」
「御然らばです、お嬢様。」