鉄道車両の形式の一つ。
国鉄 ED75形電気機関車
車体構造・台車は今までに開発された機体各形式の最良の部分を集め、それを向上させた性能とし、制御系に磁気増幅器を採用することによって旧来に比べての保守の平易化と特性の大幅な向上を図ったものである。なお内部機器は当初より50/60Hz共用仕様でで作られておりごくわずかの改造で両周波数に対応する事が可能ではあった。
まず東北本線・常磐線等0・1000番台より製造が始められ、鹿児島本線【熊本以北】・長崎本線には300番台がED73の増備扱いとして製造、函館本線においては500番台(サイリスタ位相制御試作機)が製造されたが暖房方式や誘導障害問題より試作で終わりED76500番台が増備機となった。奥羽本線・羽越本線等には700番台が製造、機器の小型化により屋上はうってかわってすっきりとした外観となるとともに技術的な完成機となり、特急運用を含む旅客列車・貨物列車牽引に広く運用された。
粘着係数の高さからEF65・EF64に匹敵する牽引性能を持ち、安定した高水準な性能から「交流電気機関車のゼロ戦」との異名を持った名機。主な運用エリアから、ファンにおける通称の一つは「赤べこ」とも呼ばれた。
国鉄分割民営化時までには300番代と500番代は引退しており、0番代・700番代・1000番代がJR東日本とJR貨物に承継された。
このほか、700番代の一部が津軽海峡線向けにED79形に改造され、JR北海道に承継されている(なおJR貨物所有の50番代は改造でなく新造車両)。
2012年3月のダイヤ改正でJR貨物の定期運用が消滅、JR東日本も車籍は残ったまま時折工臨運用などに就いているものの、既に定期運用は失っている。